幸せ、竹虎四代目の竹ハンガー

 
竹虎四代目の竹ハンガー


作務衣を着ていて暑くないですか?」連日の猛暑でよく言われる言葉です。実は、もうすっかり慣れているので結構大丈夫なのです、昨日も炎天下の竹林に入っていましたが山にいる時も工場でも長袖の方が原竹を安心して扱えます。夏用の作務衣もあるにはありますけれど生地が薄くて頼りなくあまり好きではありません。何度か着たものの結局いつもの定番に戻るので一年通して同じ作務衣たちを着用しています。


作務衣用竹ハンガー


しかし、さすがにデスクワークに戻った時には部屋のムンムンする温度に閉口する場合があります。そして、そんな時に活躍するのが竹虎四代目専用の竹製ハンガーなのです。まあ、ハンガーとは名ばかりで本当は職人が試作した抱き枕です、上着を脱いでサッとかけられて本当に便利ですしサイズもピッタリなのがいいのです(笑)。


竹ハンガー


現在、竹虎で販売させてもらっている抱き枕は白竹で編んだものだけです。少し前には、この磨きのタイプがありました「磨き」とは竹表皮を薄く剥いだ竹ヒゴを使う細工で表皮の美しさ、経年変色が魅力のひとつです。こうして竹を身近に置いて愛用できるのが一番の幸せです。


空間を演出する虎竹ペンダントライトが出来ました

 
虎竹ペンダントライト、竹虎四代目(山岸義浩)


コロナ禍ではありますが宿泊施設や飲食業界では少しづつ新しい動きが出てきているようです。知人の携わるホテルも来週にオープンとの事でスタッフの方はじめ関係の皆様が頑張って準備に追われています。この虎竹ペンダントライトも、そのような大勢の方々が集う場所に設置されるとの事で納期がギリギリになってしまいましたものの何とか完成してお届けする事ができました。


虎竹ペンダントライト


虎竹灯


虎竹のフレームを球形に組み合わせただけに見えますでしょうか?確かに難しくはないですが、まん丸にするのには少しテクニックが必要です、そしてこのようなタイミングで短期間に数量を揃えるのも大変です。


虎竹電気


虎竹照明、竹虎四代目(山岸義浩)


竹灯は不思議と人の心を落ち着かせてくれてくれものです。まあ、楽しみはこの虎竹達に灯が入って安らいだ雰囲気のロビーでソファーに腰を下ろすことでしょうか。




虎竹掛け花籠の名前は啄木鳥(きつつき)

虎竹掛け花籠 啄木鳥


これからの季節は登山やキャンプで森林に入る方も多くなっているのではないかと思いますが、木を叩く音は山の中でも独特なので、ああキツツキだなあとすぐに気づきます。自分はずっとキツツキという名前の鳥がいるものだと勘違いしていましたけれど、実はキツツキという鳥はいなくて木を叩く習性のある鳥はすべてキツツキなのです。長い間キツツキと思っていた鳥はアカゲラという名前の鳥でした(笑)。
 

虎竹花籠きつつき


まあ、それはさておきキツツキと聞いて思い浮かべるのは硬い樹木に穴を開ける鋭いクチバシ。この虎竹花籠が柱に掛けられている姿をみれば、なるほどと納得いただける形ではないでしょうか。


虎竹掛け花籠キツツキ


掛け花籠には籠の裏側にカズラが取り付けられていて、こうして柱や壁に引っ掛けてお使いいただけるようになっています。


虎竹掛け花籠 啄木鳥


都会の駅構内には洒落た花屋があって、お手頃な値段で可愛い花束を売っているのを見かけます。一度は出張中にどうしても欲しくなってつい購入してしまい、ホテルの部屋に飾ったことがありますが花器など何でも良いのです。竹花籠も同じ、このキツツキなど狭いお部屋でも場所を取らずに使えるので気軽に自分流に楽しめば良いのです。




自然の創り出す亀甲竹の造形美

煤亀甲竹


この曲線美を初めての方がご覧になれば一体何か!?と驚くこと間違いありません。大きく曲がりくねった節のラインが一本である事がお分かりいただけるかと思いますが、実はこの竹は元々は孟宗竹でその変種が固定化された亀甲竹(きっこうちく)と言う竹なのです。


亀甲煤竹筒


特にのこの竹は煤竹になっています、囲炉裏の民家で長い年月燻された色合いは人の手では再現が難しい時間職人だけが醸し出せる技と言えます。


亀甲煤竹筒


中にオトシを入れて一輪差しとしてお使いいただくように製作していましたけれど、このまま何もせずとも置物としても存在感を発揮しそうです。


孟宗竹


孟宗竹


孟宗竹の竹林に入ると真っ直ぐに伸びた竹林が清々しく気持ちがよいものです。縦の線、横の線、まさに直線の世界。


亀甲竹


そんな中で、この亀甲竹です。同じ竹からどうしてこのような違いになるのか不思議に感じてしまいます。けれど、植物にはこのような突然変異が時として起こることがあり日本唯一の虎竹も同じように淡竹の変種と言われているのです。


亀甲獅子口


そして竹は、微妙な気候や環境の変化に敏感に反応します。虎竹が他の土地に移植しても美しい虎模様がでないように亀甲竹も何処でも育つというものではありません。本社工場が新築した際に京都のお得意様から立派な亀甲竹ほ十数本も頂いた事がありましたので庭に植えて愛でておりましたが、年々このコブのような曲りが少なくなってくるのです。


亀甲竹掛け花


亀甲竹


亀甲竹シシ口


最終的には亀甲の曲りが全くなくなり普通の孟宗竹に戻ってしまい驚きました。さらに、それからやはり土質や気候が違うのか段々と弱っていって今では一本も残っていません。生命力が強いと思われている竹ですが、その種を残していくのは簡単なことではありません。




虎竹花籠、木魚

虎竹花籠木魚


木魚とは仏前での読経時に叩いて鳴らす丸みのある木製の道具ですが、この形に似ているところから名付けられたのが虎竹花籠 木魚です。花籠が沢山の方にお求めいただけていた当時には、かなり人気でサイズも数種類ありましたけれど更に自分の好みのサイズが欲しいという事で何度か別サイズを作らせていただいた覚えもある籠です。


虎竹花籠木魚


持ち手の付いた竹籠バッグのような形でもあり、その持ち手の両サイドから花をのぞかせる事ができて花心をくすぐられます。


竹虎四代目(山岸義浩)、虎竹花籠木魚


虎竹花籠木魚


花籠はそのまま置いても絵になるもの、しかし花が活けられれば正に水を得た魚のようにイキイキと輝きが戻ってくるのです。木魚の中では一番小さなサイズだった籠が何だか大きく見えています。




未知の新製品、定番の虎竹蛇籠

 
虎竹花籠、竹虎四代目(山岸義浩)


竹花籠を見直してもらいたいと思っている。自分の母親世代では花嫁修業としてお茶やお花を習った方が多くて、当時は竹花籠は驚くほど編まれていた。しかし、今では誰にも見向きもされないし竹職人で花籠を作って生活している人に会ったこともない。ただ、竹花籠に魅力がないかと言えば決してそんな事はなく、世の中や住宅事情の変化にあわせた活かした方はあるのではないかと思っている。


虎竹花器


虎竹蛇籠という昔からある定番の花籠を若い女性社員に見せると使い方を知らない。竹籠は見慣れているはずなのに、はじめて見る蛇篭の足は一体何のためのものか困惑している。


竹製塗りおとし


随分前になるがアメリカの竹作家に連れられてニューヨーク近代美術館 (MOMA)に行った事がある。そこで竹籠の奇妙な使い方を見て違和感を持ったが、もしかしたら花籠を知らない世代はこの時の海外から日本の竹を見る感覚に近いのではないだろうか。


虎竹蛇籠


それなら実は見向きされていないのではなくて存在を知らないだけではないか?なるほど、若い世代にしたら竹花籠は今まで見た事も触った事もない未知の新製品なのだ。


虎竹花籠蛇篭


華道のように決められた花材でルール通りの花を活けるのも美しいけれど、名前も知らない花を自由に活けて気楽に楽しめる竹花籠の生活を知れば、出番をずっと我慢強く待っている竹たちに光を当てることが出来ると思っている。


虎竹掛け花籠たち

 
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虎竹掛け花籠 ちまき


竹の花籠などあまりご存じない方が多いと思いますので一応ご説明しておきますが、竹花籠には普通の花瓶のように置いて楽しむものの他に掛け花籠と言って壁や柱に引っ掛けて花を活けられるものがあります。この虎竹掛け花籠 ちまきのように高さを利用して、つる植物など入れると目を引きます。


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虎竹掛け花籠 ちまき


ちまきの名前の由来は形をご覧いただきますとお分かりだと思いますけれど、籠編みの中ほどに竹ヒゴに負担がかかり過ぎて折れることを防ぐ「ゆるみ巻」という技法が使われた口部分があります。そこに花を活けられるようになったユニークな形がとても人気だった花籠です。


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虎竹掛け花籠 ひさご


ひさごとは瓢箪のこと、縁起もよく昔から日本の生活道具には沢山取り入れられてきたデザインのひとつです。花活けには華道で習うような決め事はありません、それよりも自分が心安らいだり、人を喜ばせることが大事です。もしかしたら竹花籠という事で身構える事がありますでしょうか?


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虎竹掛け花籠 ひさご


実はそんなものは一切必要なく、空き瓶に花を入れるのと同じで自由です。


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虎竹掛け花籠 小豆


そして、花を活けずとも竹籠だけで美しいことも知ってもらえると嬉しいです。手にして改めてつくづく竹花籠の良さを感じています。




渦潮という名前の虎竹花籠

虎竹花籠 渦潮

竹花籠を手に使い方が分からず右往左往している最近の若い方を見ていると、暮らしの中に竹と花という文化がすっかり無くなって久しい事を改めて感じてしまいます。けれど、反対にだからこそこれからの皆様にとって竹製の花籠は全く新しい未知の製品であり、良さをお伝えするべきだと思うのです。


虎竹花籠 渦潮


この虎竹花籠渦潮なども虎竹のしなやかさを活かして荒々しい波の様子を表現しています。渦潮と聞けば鳴門を思い浮かべますが、実は虎竹の里の海岸線を通る旧道を行けば磯釣りでは有名な岩場があり小さな渦や波しぶきはいつでも見られます。


虎竹花籠 渦潮


虎竹花籠 渦潮


それにしても花がなくとも独特の美しい虎模様の籠です。存在感のあるこの竹籠をお求めになられる方の中には、そのままインテリアの一部として飾られる方もおられるかも知れません。


虎竹


忘れられた竹籠と虎竹が育つ不思議な竹林、代々続いてきた竹の仕事にも光を当てたいのです。




虎竹の掛け花籠

虎竹掛け花籠 ちまき


竹製の花籠には台の上に置くタイプと壁や柱に掛けられるようにしたタイプがあります。掛け花籠は小振りで手頃なものが多いので始めての方にもオススメです、ちょっと一輪を投げ入れするだけで殺風景な壁が華やぎ、お部屋の雰囲気もパァーと明るくなります。


虎竹掛け花籠 ひさご


若い方とお話していると竹籠やざるをキッチンなどで愛用されているような方でも花籠の事となると全くご存じなく、竹に花を飾る習慣が現代の生活と想像以上に離れてしまっている事を痛感します。


虎竹掛け花籠 蝉


毎日の暮らしの中で愛しむ竹花籠は、華道などとは違います。このユーモラスで可愛い虎竹掛け花籠 蝉も花を少し入れると見違えりました。難しい決め事やルールもありませんのでご自身や家族のみんなが喜ぶように楽しんでいただければと思います。




竹花籠、誰か食べているのか?

 
竹花籠、竹虎四代目(山岸義浩)


実は昨年から竹花籠を使いたいとずっと思っていました。以前は花を活ける機会はもっと多く、竹製だけでなく陶器やガラス製の花器もいくつか持っているのですが倉庫に仕舞ったままになっています。自分が花を活けるなど意外かも知れませんが、草花の多い自然の中にいて竹花籠があれば一輪の花を飾るのは自然な事です。先生について習ってもいましたけど花活はそう身構える事はありません、そこにある花を、そこにいる人に楽しんでもらえたらそれで良いので自分流で十分なのです。そう言えば正月には創作の新春飾りも作っていました、あの心のゆとりは何処にいったのでしょうか(笑)。


虎竹花籠


まあ、それはさておき少しづつ花を愛でたい気持ちになってきたのは、やはりコロナの閉塞感でした。花の種類が多くなる春を待って自分で花材を集めて活けようと思っているうちに時間ばかり過ぎてしまうので、とうとう花屋さんにお願いすることにしました。


虎竹花籠


お茶やお花が花嫁修業と言われ、結婚前に料理や家事と同じように一つのたしなみとされていた頃には竹製の茶道具や花籠は非常に需要が高く、まさに飛ぶように売れていた時代があります。竹細工職人の中には、あまりの注文の多さに「この花籠を誰か食べているのか?」と冗談が出るほどだったのです。しかし、それも20数年前くらいまででしょうか?今では生活様式も皆様の意識も変わり花籠を日常的に飾る習慣などありません。あれほど人気があって、説明などしなくとも次から次へとご要望のあったのに、お求め頂くお客様も年々右肩下がりとなっています。


虎竹花籠


そんな中、リモートワークも増えて自宅にいる時間が多くなった機会に、日本の伝統的な竹花籠に一輪の花を飾り生活にうるおいを感じていただきたいと思うようになりました。編まれる事も少なくなりつつある竹製花籠に、もう一度スポットライトを当て新しく登場する新製品と共にご紹介できればと考えています。