涼をつくる、竹のある夏。
夏の暑さは、ただ冷やすだけではなく、やわらかく逃がしていくもの。風を通し、熱をこもらせない工夫は、暮らしの中のささやかなところに息づいてきました。竹もまた、装いや食卓、眠りの時間に、静かな涼をもたらしてくれます。
■身につけて、涼む。
夏の装いに、ひとつ風を通すものを。
細くとった竹を編み、花や玉のかたちに仕立てたアクセサリーは、肌に触れても重さを感じさせず、どこか涼やかな余白をつくってくれます。かつては日々の装いの中に自然とあった竹の装身具も、いまではほとんど見かけなくなりました。それでも、手に取ると新しく感じるのは、素材の軽やかさと手仕事のやさしさが残っているからかもしれません。
■食で、涼む。
暑い日の食卓には、さっぱりとしたものを、できるだけ軽やかに。
水を切った麺を竹のせいろにのせると、それだけで見た目にも涼やかな一皿に。風を通すつくりが余分な水分を逃がし、食感を整え、するりと喉を通るおいしさを引き立てます。
■眠りで、整う。
一日の終わりには、体にこもった熱をやさしく手放すこと。
竹炭を使った寝具は、湿気を吸い空気を整えながら、頭をほんのりと冷やしてくれます。軽やかで均一な質の竹炭が、寝ているあいだの蒸れやにおいを抑え、朝まで静かな眠りへと導きます。「頭寒足熱」の心地よさも、こうした自然素材の働きによって無理なく保たれてきました。
■梅しごと、今年も。
夏の手しごと、はじめませんか?
昔から梅干しづくりの土用干しには、風通しのよい竹ざるが使われてきました。熱をため込みにくく、湿気を逃がす竹の性質は、天日干しによく馴染みます。
竹ざるやえびらは、山の竹を切り出すところから始まります。割り、削り、ヒゴにして、一本ずつ手で編み上げる。機械ではなく、昔からの手の仕事でつくられています。四角い木枠のえびらは、限られた場所でも並べやすいかたち。庭先やベランダでも使いやすく、干し野菜や魚などにも広く使われてきました。
並べる時間も、たのしみのひとつ。季節の手しごとは、暮らしの中に小さな余白をつくってくれます。