猿のいたイチョウの大木

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ひさしぶりに、ここにやってきました。こじゃんと品質のえい、黒竹が沢山できるこのあたりにも内職をお願いしちゅう、お家が何軒かあるがです。


おっと、ここ、ここ画面の中心に写っちゅう大きなイチョウの木、この木の目の前に竹虎の倉庫がありました。もう、20年ばあ前のことやろうか。毎週のようにトラックに竹を満載して運んできよりましたが、春は心地のよい新緑の風に、夏はこのイチョウの木陰で涼ませてもろうて、紅葉の季節も楽しませてもろうて冬はたき火を見守ってもろうた。


そういうたら、ある日のこと、いつものように竹を運びよったらこの木の上に小さな人がおるがです。それも、


サササッーーーーー


ええっ?


サササササッーーーーーーー


ものすごく素早いのなんの。あんまりビックリして、こんな高い木の上を猛スピードで動ける子供でもおるがやろうか?あっけにとられちょったら、倉庫の中で作業しよったおばちゃんたちがいっせいに大笑いしだしました。


「若さん、そりゃあ、猿よね、猿!」


あの時のおばちゃんらあのしわくちゃの笑顔。大きな口をあけた楽しそうな笑い声今でも聞こえてきそうちや。


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