知止庵

竹垣


「わたしらあ、古うなって苔でもむしてくるのが好きでんなあ」


ある時、庭の竹垣をながめながらお客様の話をしている祖父の大阪弁が、目をとじたら、そこに聞こえくるぜよ。竹は青々とした時は、人に清々しさを与えてくれ、色合いが落ち着いてからも、枯れて、古びてからも、豊かで、ゆったりとした時間を味あわせてくれます。大洲、臥龍山荘の茶室「知止庵」でひとり、祖父を思いだしながら、ああ、ワシゃあ、まだまだぜよ。つくづく思うがです。


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