豆腐かご

豆腐かご


「前は、こんな籠はいくらでも作りよった」


職人さんはソファーにつくろぎながら、昔を懐かしむように、いつも、そんな話を聞かせてくれるがです。今はお豆腐と言うとスーパーに買いにいくものですが、豆腐屋さんが自転車に豆腐をのせて、売りに回るという時代もあったがです。だから、今のように行楽に絶好の季節にはピクニックバスケットとして、お弁当箱などに愛用されることの多いこのような角籠は豆腐かごと呼ばれちょったがです。


ええ、もちろん、お豆腐を買いにいって持ち帰るための竹籠です。日本全国には、このような角物だけでなくて、実にいろいろな形の豆腐かごがあったがですが、今では、もうほとんど残ってはおらんがです。角物も豆腐かごとして使われる事が少なくなってからは、小物入れやら、ティシュカバーやら、色々製造されよりました。


竹小物入れ


ありゃあ、竹虎の事務所にも昔から使いゆう小物入れがありましたちや。書類を一杯詰め込んで、普通に置いちゃあるきに見過ごしちょりました。そういえば思い出したけんど、ワシの小さい頃はこのような豆腐かごと同じ技法の生活雑貨が色々あったちや。そうじゃあ、そうじゃあ、しばらく忘れられちょった感がありますが。今、また自然の竹を使うたお弁当箱やら、ピクニックバスケットやらを、見直してくれる方も少しづつ増えてきてこじゃんと(とても)嬉しく感じちゅうがです。


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