割竹の積み込み

割竹


皆さんは壁竹をご存じですろうか?今のハウスメーカーさんの住宅ばっかり見よったら分かりませんが、昔の日本の家は土壁が使われちょりました。自分の小さい頃には家を建てると言うと、大工さんが柱を削って立てたり赤土を練ったりするのが普通の光景やったですが、この土を練る作業が土壁づくりの仕事の一つながです。


そして、その土壁の骨組みと言うか芯にするのに、割った竹を格子に組んで使っていましたので、割竹は、こじゃんと需要のある竹材やったです。虎竹と言うても全ての竹に虎模様がある訳ではなく、模様の出ていない竹も結構多いのです。そういう竹は虎竹といいながらも選別作業の段階ではじかれて、残念ながら細工に使うことが出来ず、こういった建材用として製造にまわされよりました。


毎日、毎日、3メートル程度の長さの竹を専用の竹割機械で縦割りにして束にくくる作業。思い出したら竹虎の工場には、いっつも、この竹割機械の元気な大きな音が響きよりました。そして、小山のようになった割竹の束を職人さん総出で汗をかきかき10トントラックに積み込んで出荷しよりました。毎週、毎週運ばれていきよりましたので、当時は、まだまだ土壁の家が建ちよったがやにゃあ。そんな事を今、思うがです。


先日は久しぶりにこの割竹用の竹を小さなトラックに積み込みました。そんなに沢山の竹材ではないのに、遠く県外からわざわざ高速道路を走らせて来られるのは、お客様の近くではもう割竹などが手に入らないから。積み込む作業をながめながら時代は移り変わるにゃあと、しみじみするがです。

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