青竹柄杓のある蹲(つくばい)

つくばい


ついこの間まで寒い、寒い言いよったのに、早くも暑い、暑いと勝手な事ばっかり言いゆう虎竹の里ちや。特に今日あたりは真夏日になりそうぞね。昨日のように雨などふって、ムシムシと、まるで梅雨時を思わせるような湿気を感じたら、あの寒い早朝は上着もなくて、ブルブルと凍えそうになりよったのも忘れて、こう、キリリッと身の引き締まるようなあの冷たい空気が恋しゅうにさえ思えてくるきに不思議ぜよ。けんど、青竹の清々しさは、あの雪まじりの冷たい風に、こじゃんと(とても)映えちょったちや。


柄杓


よく見たら、青竹柄杓には氷柱が出来ちょりました。決して早朝という時間ではなかったのですが、山深い庭には朝日がそろそろ照りだそうかという頃。近くの池からは湯気のようにモヤがたちのぼりよりました。竹虎にも柄杓(ひしゃく)はあるがですが、青竹柄杓は色がすぐあせるので、あまり扱っちょりません。青々とした色合いは、まっこと(本当に)短い間だけやきに、だからこそ、薄い作務衣一枚でブルブル震えてはおりましたけんど、青竹で清々しい気持ちになった素晴らしい朝やったちや。


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