日本一の竹楊枝

竹職人


この竹楊枝は違いますぞね。楊枝と一口に言いますが、よく市販されよります木製の楊枝と竹楊枝はあんまり一緒にして欲しくないと思うちゅうがです。竹は表皮に近い部分ほど繊維が細かくつんでいて強いのです。だから、竹楊枝は竹表皮部分を使います。簡単に先がつぶれたりしないので歯の間にスッと入って、とにかく使い勝手がエイ。


「これが、日本一だね。」


普通は寡黙な職人さんの言葉は重みがありますぞね。そして、驚くのは材料が沢山いることなんです。竹表皮部分だけを加工して厚い身の部分は使用していないので、「これだけの材料で、これしか出来ないの?」想像以上の竹材に、まっこと(本当に)ビックリ!けんど、こうやって竹材を使うことが竹林の保全にも役立ち、竹を手入れする職人さん、伐り出す職人さんの技の保全にもつながっているのです。


竹楊枝用金具


一定の幅に粗割した竹を、2本の細い竹ヒゴにしていくのがこの小さな穴の開いた金具。先端に2つの穴が開いてますがここを竹材が通ることにより、丸い竹ヒゴが作りだされれます。こうやって製造された竹楊枝を毎日のご家庭で、店舗でどんどん使うていただけるようになったらエイにゃあ。


竹の素晴らしいところですが、筍の季節になるとドンドンと生えてきてたった3ヶ月で親竹と同じ大きさに成長する竹なので、いくら、伐っても伐っても材料が枯渇するなどと言う心配は皆無ぞね。豊富にある竹資源をフルに活用して使いやすく、簡単に折れたりしない竹爪楊枝や竹串に製造していく。日本国中で竹林の活用が進まず、里山保全など荒廃竹林が問題となっている中で、ささやかではありますけんど、こんな竹の利用方法もあるのです。日本の爪楊枝が国産竹を使った竹楊枝に変わったら、出番の少ない竹たちにも笑顔が戻ってくらあせんろうか?


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