竹職人の微笑

竹職人の微笑


なんとチャーミングな、おばあちゃんやろうか?80歳を目の前にしちゅうとはとても思えない熟練の竹職人さんに会うたぜよ。竹籠には青物と呼ばれる、切り出した青竹そのままで籠を編む竹細工がありますけんど、この竹職人さんは、この青物細工一筋50年の大ベテラン。50年ですぞね?まっこと凄いがです。


いつも思うがですが、竹を扱う職人さんは、どこでも、誰でも、とにかく若い、元気ぜよ。年齢を聞いてビックリする事が、まっこと多い。そう言えば虎竹の里の古老からは「竹を触りゆうと歳を取らない......」などと嘘か本当か分からない話を聞いたことがありますけんど、こんな、おばあちゃんに出会うたら、まんざら大嘘の話でもないかも知れんにゃあ。ほんで、こんな魅力的な笑顔をフッと向けてくれるのも、竹一筋にやってきた長い長い人生があるからですろう。竹工房の仏様みたいに見えましたちや。



竹職人のおばあちゃんの作る竹籠は、真竹を割って何と10メートル近い長さの竹ヒゴを取りその長い竹ヒゴで編んでいくがです。主に農作業に使われてきたコエジョウケと呼ばれる、たい肥をいれる竹ざるやマンゴク(万石)と言われる玄米と籾殻を選別する竹籠などちや。長い一本の竹ヒゴで作りますので継ぎ目がなく強い竹籠ができるがです。


出来上がったマンゴクを手にさせていただきましたぞね。コエジョウケと同じような形と編み方をしたマンゴクですが、竹ヒゴの細さが更に細く取られちょって、形、編み込み、すべてが美しく、堅牢さが伝わったきます。素朴でありながら、毎日の暮らしや生活の中で活躍して、昔からの伝統を引き継ぎ守り続けゆう竹の技が、これからも若い職人さんに受け継がれていくために自分も出来ることがあるのではないろうか?


あの、おばあちゃんの笑みを思い出す度に、考えるがです。


コメント(3)

神浦みゆき 返信

竹の製品って実は我が家にはないんです。
なんとなく手入れが大変そうな気がして・・・
でもこのカゴなんでしょうか。とても素敵ですね。
とれたての野菜を入れたりいろいろ使えそうで。
やっぱり良いものだからいつまでも受け継がれていくんでしょうね。

竹虎四代目 返信

神浦みゆき様

竹虎四代目です。
コメントありがとうございます。

確かに竹製品はプラスチックや金属の物に比べますと
お手入れや管理が必要ですけんど
それ以上の安らぎや温もりを感じていただけると思うちょります。

是非、小さな竹籠などから
お試しいただけると、こじゃんと嬉しいがです(^^)

718 返信

「竹を触りゆうと歳を取らない……」

本当だと思います。手先も使っているからでしょうね。好きな事をやってるというのも。勝手に好きだと判断してますが(笑)私も職人になりたかったです。若かりし頃に知ってたら転職してたかも。

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