玉袖垣のカーブ

玉袖垣


竹垣には、それこそ数十メートルもある長い物があるがです。建仁寺垣という代表的な竹垣がありますけんど、京都の建仁寺に作られたことから、この名前が付いたそうです。実は他にも光悦寺垣、龍安寺垣など「寺」と付いた竹垣があります。広い敷地の目隠しに使われますので長さも必要とされますぞね。


けんど、そんな竹垣とは別に袖垣と呼ばれる垣は玄関脇や庭の目隠しなどに設置するもので、幅は60~75センチくらいの物が主流で大きい物でも90センチくらいまでながです。分かりやすいようにセンチで言いましたが、実際は2尺、2.5尺、3尺というサイズで呼ばれます。実は形も、高さなども様々。まっことバラエティーに富んだ袖垣があるがですが、竹虎で製造する袖垣を大別すると片方が丸くなった「玉袖垣」と両方とも真っ直ぐの柱の「角袖垣」この二つに分かれちょります。


さて、虎竹玉袖垣をご存じない方が見られたら太い虎竹をそのまま使うて造られちゅうように思われますけんど、実は、孟宗竹で袖垣の芯になる部分を作ってその上を細く割った虎竹で芯を隠すように巻いているのです。ただの一本の竹を使っているワケではないのでとても丈夫。庭で太陽や雨風に当たっても少々の事ではへこたれないタフな作りとなっています。


玉袖垣は片方が丸く曲がっちゅうと言いましたが、中の芯の部分の孟宗竹を、どう曲げているかと言うと竹に三角形の切り込みを入れ、このように自然なカーブが出るようにしちょります。何という事ではないけんど製品に仕上げてしまったら外からは見ることの出来ないこれも、竹屋のちっくとした技の一つですちや。


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