シダ編み籠の記憶

シダ編み籠


シダは、ご存じのように日本中どこの山にいっても沢山見ることのできる植物ですけんど、このシダを使うて編み込んだ籠があると言いますと結構驚かれることがあるがです。ご存じない方は是非見とうせよ。竹虎に籠は多いですけんど、この籠は、びっくと特別、それがシダ編み食器籠ですきに。


たまにお話する事がありますが、実は、かって虎竹の里には良質のシダがあったそうで、近くの町からも茎の長いシダを求めて集めに来られる方がおったそうです。遠い昔、小学校の頃に小遣い稼ぎに、このシダ屋さんにシダを持って行かれていた方によると、虎竹の里の隣、漁師町久礼にはシダを集荷する業者さんが2社もあったと言います。それだけ大量の材料が流通してシダを使った製品も沢山作られ、販売されていたのはやはりシダが身近な素材であり、耐水性にすぐれ、毎日の生活用品として欠かせないものやったからだと思うちょります。


先日、倉庫を片付けしよりましたら、一つの古いシダ編み籠が出てきましたぞね。一本一本のシダのヒゴは丁寧に加工され、網代編みは、まっこと(本当に)しっかり編み込まれ丸みを帯びた形は、見とれるばあ美しいがです。


ホコリをかぶった籠を水洗いして陰干ししちょりました。その脇に座って、ずっとシダ籠を眺めちょりました。一体どんな職人さんが、こんな素晴らしい仕事をしよったがやろうか?この優美な籠を、どんな人が使いよったがやろうか?乾きの早い籠を手にしてみると、何という弾力、しなやかさ、軽さ、先人の技のすごさを思いながらこんな籠を生み出す日本の自然や風土、文化を改めて好きにならずにおれんがです。


コメント(2)

ha-na 返信

この籠に、ふかしたお芋とか、焼きたてのパンとかのせたら
いっそう食欲そそられるかも!!
さっそく購入予定リストに入れま~す(*^^)v

竹虎四代目 返信

ha-na 様

コメントありがとうございます!

まっこと(本当に)自然素材の籠にのせたら
なんでも美味しく見えますぞね
ちょうど食欲の秋ですきにピッタリです。

こちらのシダ編み籠は昔のもので今は作られよりませんが
コチラにご購入いただける竹籠など沢山ありますきに
また、何卒よろしくお願いいたします。
https://www.taketora.co.jp/c/takekago

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