江戸前鮨の職人さん その2

虎竹林


けんど、まっこと、たまたまそのお店に行く事になるとは、本当にご縁ぜよ。入ってカウンターに立つ、その職人さんは一目みて、ああ、あの時の修行されよった若い板前さんやと分かったがです。


こんな大都会に来て、お鮨屋さんに行くことなど、ほとんどと言うてエイくらい無いのですが、まっこと偶然というか、しかし、時間の経つの早いですちや、あれから8年です。ついこの間の事やったような気がするのに、不思議な気持ちと、清潔感のある白木のカウンターの慣れない雰囲気で、こじゃんと緊張してしもうてお鮨の味も、最初の頃はあんまり分からんほどやったがです。


さて、時間が経って、ちっくと落ち着いて店内を見回すゆとりもできましたぞね。そしたら、あれっ!?目がとまります。すっかりご主人さんの貫禄になられた若い職人さんの後ろに虎竹...?違い棚の柱に、なんと虎竹が使われちゅうではないですか!?


ええっ!?またこんな所で...!


いやいや、おまんはワシより先に来ちょったかよ。まっこと言うてくれたらエイのに...偶然にも、修行中やったあの時の職人さんに再会した店で、こんどは、またまた偶然にも古里の竹...?


馴染みのない土地で、しかもこんな素晴らしいお店で思いがけずに同郷の知り合いと出会うたような安心感と嬉しさ。ああ、こんな遠くまで来たけんど、こりゃあ偶然に来た訳ではないかも知れんにゃあ。江戸前の魚と一緒にそんな心温まる一時を味わわせてもらいましたぞね。これも日本唯一の虎竹たちのお陰ながです。まっこと、ありがとう!!!


コメントする