竹虎四代目になる

竹虎四代目


自分は誰やろう?竹ばっかりの、ここは一体どこやろう?ずっと思いよった。何のために、この竹の里に生まれ、これからどこへ行ったらエイがやろう?ずっと、ずっと迷いよった。「日本一の竹屋...!」明徳中学の頃から校長にそう呼ばれよった。カツを入れるため自分に言うてくれよったがですろう。けんど、全校生徒の前でそう言われるたび、実は自分はこじゃんと迷惑しちょった。イヤでイヤでたまらんかったがぜよ。


竹ち、おまんらあ一体何ながぜよ?


竹林に行くたび恨めしかった。竹に囲まれた生活に飽き飽きしちょったがちや、逃げだしたかった。けんど、何をやっても中途半端、すぐに諦める自分は情けない事に飛び出す事もできんかったがぜよ。いやいや、それどころか気がついたらいつの間にか竹林に戻っちゃあるがやきに。


おじいちゃん、そんな自分を見るに見かねて空から言葉を届けてくれたがやろう?誰にも相手にされない、不憫な孫を見かねたがやろう?あの時、あのお客様の声をかりて言うてくれた言葉。まっこと、ありがとうちや。思いは、しっかり思いは届いちゅうぜよ。自分が誰か知った日。自分が何をすべきか知った日。自分が何処に行くのかを知った日。これが人生ながやと思うた。自分のような人間でも生きるに値するかも知れん。誰かの役に立つ事ができるかも知れんと思うた。竹を心底愛おしいと思うた。


竹の中におって竹の事を見てなかった。竹のように真っ直ぐに。竹のようにしなやかに。竹のように手を取り合うて。自分は、あなたの孫やきに。あなたの背中を追いかけるだけながです。


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