美しいアケビ丸籠

アケビ丸籠


アケビ細工も丈夫な籠で、こじゃんとエイもんです。ずっと昔から竹虎のお店でも取り扱いがありましたきに、実は、かなり馴染みの深い商品のひとつながです。竹編みと同じようにアケビのツルを使い編み込んでいきますきに、ひとつ、ひとつが職人さんの手作り。昔から続いてきた伝統的な工芸品ながぜよ。編まれるのは、ほとんどが東北地方ながです。竹は南方系の植物ですきに寒い所や高い山々には、大きな竹はあまり育つ事はないがです。そこで、日本でも北の方に行くと樹木の皮や山葡萄、マタタビといった、身近な山の素材が使われる事が多いようですぞね。竹は真竹などの代わりに根曲竹やスズ竹といった細い竹が中心です。


雪や寒さに鍛えられたるせいですろうか?これらの竹にしろ、樹皮や山葡萄にしろ素朴な風合いながら、とにかく一番の特徴は、その堅牢さなががです。母から譲られたり、気に入って自分で手に入れたりした手提げ籠など、数点使いよりますが既に数十年愛用した籠も、使うたら使うほど光沢が増し黒光りする風合いは抜群ですが、何より感心するがはやっぱりその強さ。まっこと自然素材の強さを、これほど感じる事はないがぜよ。凄い山の恵みやと思いますがアケビのツルも、そんな素材のひとつ。


あけび丸かご


けんど、この丸籠の美しさと言うたら何やろうか?竹細工でも自分がずっと手元に置いちょきたいと思うような、どこか心惹かれる籠が時々あるがですが、このアケビ細工も、ちっくとそんな感じがするがです。飾り気のないシンプルな趣、凛とした存在感、ホッと心落ち着くような優しさ、自然素材ならではの安心感、職人の手の温もりさえ伝わってくるような丁寧な作り。いろいろな事を思うてしもうて、いつまで経っても、どこにも行かずに此処におる。そんな不思議な竹籠達の仲間入りをしちゅうがです。


コメント(2)

タロ 返信

アケビの実は知っていますが、
蔓はあまり記憶がなく・・

しかし、綺麗で緻密な編み込みですね。

ほんと技あり。
ですねー

子供の頃、まだわらじを作れる人が
近所にいたことをフト思い出しました。

竹虎四代目 返信

タロ様

自分も最初はアケビと聞きますと
子供の頃に皆で山に取りに行った美味しいアケビを
まず思い出しよりました

こちらのアケビ丸籠は普通の形に見えるがですが
シンプルで完成された形が何とも言えず
気に入っちょります。

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