笠の骨

笠の骨


竹皮と言うのは筍の皮の事で、一日に1メートル以上も伸びる事もある。驚異的な筍の成長スピードの中で剥がれ落ちたものを集めて使うがです。この竹皮を使う竹虎で代表的な竹製品というたら竹皮の草履ですけんど、実は、昔やったら竹皮の抗菌性を利用して全国各地どこででも、オニギリなど食品の包材として使いよったものながです。今でもお肉屋さんで竹皮を使いゆうのを見かける事がありますぞね。


竹皮が、あまり使われなくなった現在では国産の竹皮いうたら、ほとんど見ることはできませんろう。人の手入れを必要とせず、毎年ドンドン生える竹ですきに、この竹皮が活用される事なく朽ちていく事はまっこともったいない話しなかぜよ。そう言うたら竹皮を使うた、まんじゅう笠と言われる丸いおまんじゅうの様な昔から高知で作られる笠がありましたぞね。その丸い形の笠は竹皮で形作られちょりますが、その形に沿って細く細くヒゴ取りした竹を、何周も何周もグルグルまわりながら留めていきます。坂本龍馬が被って脱藩したので脱藩笠とも言われる事もある笠ですけんど、ひとつ仕上げるのにも、こじゃんと手間暇のかかる細工ながです。


竹の笠などは作られる職人さんもご高齢になられてちょりますので、高知で見る他はないかと思いよりましたけんど、ありゃあ?この形は笠しかないみたいなけんど...。意外な職人さんの工房で見かけて聞いてみたら、おおの嬉しいちや、やっぱり笠でしたぞね。時代劇に使うなど、本当に特別な用途しか無くなったと言う笠ですが、たまには、製作される事などあるがですろうか?けんど、別に笠にならなくても既にこの笠の骨だけでも、立派に自分の主張をしゆう一人前の竹のように思えてくるがです。


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