神秘の筍

筍


竹は生活に必要な様々な竹細工から始まり建材、そして食用など、日本の暮らしになくてはならない貴重な資源やったと思いますが、そういう実用的な部分とは別に全国各地の神事に多用されちゅう事が注目される所ですぞね。


今でも新しい家を建てる前の宅地などの地鎮祭に、葉のついた竹を立てているのを見かける事があります。竹には清浄のシンボル、結界の役割があると何かで読んだことがあるがですが、昔の人々が竹に神秘的なものを感じた理由の一つは、現代の竹林でも何となく知る事ができると思うがです。


それが毎年どんどん生えてくる筍ぜよ。一年中、青々とした生命力あふれる竹から季節になったらどんどん伸びてくる筍。特に大きな孟宗竹の竹林などに入ると、ビックリするような太さの筍が緑の竹林の中で黒光りしながら天を目指し、あっと言う間に竹皮を脱ぎ捨てて竹になっていく。その成長力は、まさに驚愕の的、神秘的と言うほかはなかったと思うがぞね。


筍や竹の稈はもちろん、竹の葉、竹の小枝、竹の根、そして、この剥がれ落ちる竹の皮まであますところなく生活の中で利用できる自然の恵み。昔から人は竹に対して神秘的な畏敬の念を抱くととともに、驚くべき成長力の中で享受できる、この竹の恵みに深く感謝してきたがですろう。自分も、この竹皮を見ていたら毎日愛用しゆう竹皮草履の他では絶対にない、最高の履き心地を思い「ありがとう」の気持ちで一杯になるがです。


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