竹ブローチの妙

竹ブローチ


表皮を剥いだ清々しい竹ヒゴで編まれた花。優しく、温かく、軽やかな雰囲気をブローチにして身につける。一昔前は、そんな心のゆとりがあったのかも知れませんちや。自分の小さい頃には、このような竹ブローチが、それこそ色々な形で、色々な色合いで種類にしたら数十種もあったろうか?ズラリと並べられちょった事を思いだすがです。


その当時はブローチだけではありません。イヤリングですとか、ネックレス、ベルト、髪飾りなど、女性の身を飾るアクセサリー類はもとより、ハンドバックやショルダー等の持ち物まで何でも竹製のものがあり、それが、こじゃんと人気やったがです。


竹アクセサリー


竹は細く割って美しいラインを表現することができます。染色もできるので職人さんのイメージで様々なデザインが生まれます。改めて沢山並んだブローチを見よりまたら、近くの自然からモチーフを得て、それを竹の限界まで挑戦しながら、試行錯誤されて一つ一つ形にしていたった事が伝わってきますぞね。


竹福郎


フクロウは「福郎」とも当て字にされちょりますが、幸福を呼ぶ鳥として好きな方の多い動物の一つですろう。竹ブローチが創作された歴史は実は古く何と60年前の事ながです。最初の製作は、この福郎や魚など愛らしい動物から始まったと言います。


身近な竹を使い、周りの自然を形づくっていく。そして、そうやって編み上がった竹ブローチを沢山の方が求めて身につける。人と自然はずっと近い関係やった、そんな気がするがです。今の時代に忘れられちゅう大切な事を、この竹ブローチは教えてくれるがかも知れませんぜよ。


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