干し野菜のススメ

干し野菜


有り難い事に小さい頃から野菜や果物も、竹職人さんや、農家の方から頂く事が多かったがです。内職さんの所に材料の竹を届けにいくたびに家のすぐ横の畑から、新鮮な採り立てを持たせてくれよりました。自家製のお茶やトコロテンまで頂戴する事もありましたので、高知県は、やはり海も山も自然に恵まれた素晴らしい土地柄でもあるがです。


そうやって頂戴してきた野菜を鍋料理などに使いますが、沢山あって使い切れずに残ってしまった物を、母が有効に活用していたのが干し野菜やったがです。けんど、それは我が家だけの事ではなく、虎竹の里はじめ高知県などでは天気の良い日にはアチラコチラの庭先で、竹ざるに大根やニンジン、椎茸など季節の野菜を干している光景は珍しくも何ともなく、ごく当たり前の事であり、干し野菜用としても竹ざるや竹籠などを普通にお求めいただいてきました。


干し野菜かご


ところが先日、たまたま入った本屋さんで干し野菜の雑誌が目につきました。それは入門書的なものであり作り方はもちろんですけんど、その美味しさや栄養価の事まで書かれちょって、ちっくと驚きましたぞね。昔からの経験として干し大根の美味しさや、野菜が長持ちするので保存に便利だろうという漠然としか知らなかった。干し野菜についての認識を新にするキッカケとなったがです。


乾燥野菜


竹虎には昔から広く使われきたエビラ籠を今でも製造しよります。主に土用干しの梅干し用としてご愛用いただく事が多く、近年では都会のベランダ用として通常の3分の2のサイズにして、小ぶりな使い勝手の良い物が人気となっちょりますが、この竹編みの平かごを使って干し野菜を作られる方も増えちょります。


干し野菜の煮物


干し野菜は陽当たりが良く乾燥しちゅう今時なら誰でも簡単に作る事ができるかと思います。野菜の水気がきれて野菜本来の味がギュと凝縮されますきに、もともと野菜好きな自分などには堪えられん美味さ。定番の煮物なども歯ごたえが良くなる上に、なんと栄養価があがり、食物繊維も十数倍になったりすると言われます。これは、まっこと少しの手間で食卓が変わりますぞね!


干し野菜オムレツ


オムレツに入れても野菜の存在感がしっかりあり、まっこと美味しいが違う!こんな卵料理で朝のスタートを切れるなら、こじゃんと充実した一日になる事は間違いなしやにゃあ。


昔から言われてきた暮らしの知恵には先人の思いが、いっぱい入っちょりますが、健康に直結して一番大事とも言える食文化ですので、自分達は安心して干す事のできる国産の竹ざるや竹籠を通して、後世に伝えるお手伝いをせんとイカンと思うちょります。


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