ステファン(Stefan Diez)さんの竹

竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)、Stefan Diez、Wataru Kumano、大谷宗平


今年は韓国、台湾、ニューヨークと海外に行かせて頂く機会があり、それぞれの国での竹に携わる皆様にお会いさせてもらい、まっこと感動、また感動の連続やったがです。竹でアジアは繋がっちゅうと改めて思いましたけんど、この竹文化を、どうやって展開していくのか、世界の中の日本の竹の素晴らしさや美しさを沢山の方に知って頂ける時代になってきたのだと、竹は、ますます面白くなってくると楽しみに思うちょります。


竹虎、Stefan Diez、Wataru Kumano、大谷宗平


たまたま海外を訪問する機会がありましたけんど、反対に海外から虎竹の里にお越しになられる方も多かった一年やったです。そんな中はじめてドイツのデザイナーの方とのコラボがありましたぞね。デザイナーのステファンさんは2回に渡って来日され、竹虎の工場で職人と共にあれこれ竹と格闘していただきました。


竹と言う素材を知らない方の作る竹、短い時間で製作できる事は限られちょります。今回は来年2月にストックホルムで開催される展示会までに、形を仕上げるという時間制限もありましたぜよ。会社に負荷がかかる事を承知でやらせてもろうたのは、「よそ者、若者、ばか者」の発想ぞね。


竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)、Stefan Diez、Wataru Kumano


一流のデザイナーの方に、こんな言う方は、こじゃんと失礼ですけんど、地域興しであるとか、昔からの慣習があって、なかなか変化がなかったり、風通しの悪い組織を変えていくには、このような考え方は多いに役立つろうと思います。竹の世界も長い伝統と歴史があって、何につけても今までの事を考えながら、過去の実績ありきの思考やき新しい動きが出来にくいがです。技術や竹の特性など知らない方の方が、自由に竹と向き合い面白い作品が出来上がると思いよりますし、作品もさることながら、竹との関わり合い自体、日本の竹職人とは全く違うちょって楽しい機会を頂いたがです。


竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)、ステファンStefan Diez、Wataru Kumano、大谷宗平


さて、仕事納めも終わり静かな竹虎には、今は試行錯誤された残骸のような竹が残るだけとなっちょります。静かな工場での一時は自分の大好きな時間でもあるがです。祖父もこうやって薄暗い工場をゆっくりと歩きよりました。


竹が話しかけてくる、人が聞いたら笑うかも知れんにゃあ。けんど、面白い。来年の向けて自分達はもう走りだしちょりますぞね。


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