炭化竹新利用の研究 その1

八女バンブーバレー実証研究センター


たまたま訪問させて頂く事になった竹の研究機関があるがです。九州工業大学と協力して竹の実用化を目指されている、八女バンブーバレー実証研究センターさんぜよ。


敷地内には沢山の孟宗竹が運び込まれちょりました。昨今、あまり利用価値が無くなったものの、その生命力の強さから杉や桧など他の森林地帯や、そして近くの耕作地までも浸食していく、あまり有り難くない植物のように言われている孟宗竹(もうそうだけ)。日本にある竹の中では最大級の品種であり、普通、皆様が竹と呼ばれる物は孟宗竹である事が多いと思うがです。


けんど、まず皆様に一度知っていただきたいのは、そもそも孟宗竹が日本に渡ったきたのは諸説ありますが、300年足らず前の事ですぞね!そうながです、つまり外来種ながぜよ!まず、ここで皆様ビックリされませんろうか?と言いますのも、これだけ日本の山深い里山に行っても、何処に行ってもある竹が日本に元々あった真竹のような在来種ではなく、実は海外から、遙々運ばれて来られた品種なのです。そんな竹が、先ほど竹と言うたら孟宗竹である事が多いとお話したように、今や全国各地どこの里山にも生えている、一番目に触れる機会の多い竹となっていると言う事ですぞね。


今年のはじめに山形にお伺いした事がありますが、庄内では素晴らしい孟宗の竹林が広がり産地となっちょります。もともとは温かい地方の竹が北の寒い地方にも移植されちゅうがです。「モウソウ」と言えば竹の事を指すほど食文化にも浸透しちょります。遠く中国から渡ってきた孟宗竹が、まず食料として大きな筍が採れる事、そして太く長い竹稈が建材として、竹細工として使われる、植林などせずとも毎年どんどん新しい命を生み出す孟宗竹には、感謝しても感謝しきれない存在だったはずながです。日本人にどれだけ愛され必要とされ、ずっと役に立ち続けてきた事か、それが山形は庄内の竹林に入るだけで分かるがですぞね。


そんな生活の中に欠かせなかったはずの竹が今、安価な筍の輸入や日本の生活様式の変化などで使われる事なく放置竹林などと、ちっくと不名誉な呼ばれ方をして、神秘的なほどの成長パワーが今度は反対に仇となり、まるで竹が悪いかのような印象を持たれる事もあるようですが。それは大きな、大きな間違いながですぜよ。


だから孟宗竹を、これからの時代に有効活用していく事は、竹業界の方のみならず多くの方が考えちゅう事ですろう。いろいろな試行錯誤があり、解決の難しい問題も多々あって、まだまだ決め手のない竹の有効利用ですけんど、このような若い専門の研究員の方が頑張りゆうのを拝見させて頂くと、自分も負けられんと勇気をもらうがですぞね。


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