虎竹の里の竹伐りについて

虎竹山出し


竹は年がら年中山に入って伐採しているように思われちょりますが、実は伐る時期というのが昔から決まっていて、虎竹の里ではその期間にしか虎竹を伐る事はないがです。そして、ちょうど今日が今年度の竹の伐採最終日になっちょります。だから山の職人さんにしたら、ここ数日は伐採ラストスパートやったがです。品質管理上、このという期日を設けちょりますので、とにかく今日までには竹林に入り竹を伐らねばなりません。山にあがると竹林のある斜面のアチラコチラに竹が伐り倒されちょります。山出ししやすいように伐り株を下にして倒されています。この竹達を枝打ちし、あらかた長さも整えて山道に出して束ねたら竹搬出機械の出番になるのです。


竹出しよう運搬機


先日は虎竹の里で交通事故ぜよ!と、言うても普通の事故ではなくて虎竹の里ならではの特別なトラブル。山道で竹運搬機が曲がり切れなくなって傾いてしまったのです。後ろに長い虎竹を積んで、ゆっくりゆっくり山を下りますが、それぞれの山道に難所のような所があって急カーブになっている所は要注意なのです。歩くだけなら何という事もないのですが、カーブに竹が突っかかり、前の運搬機が曲がれなくなってしまう事があるがです。こうなってしまうと、前に行く事も反対にバックする事もできず、まっこと(本当に)進退窮まった状態になります。いやいや、けんどご心配無用ですぞね。こんなアクシデントは山では当然の事のように起こりよります。確かに大変な事ではありますものの、まだ今回など竹の束が少ないので別に何と言うほどの事はない程ぜよ。


こんな事がありながら虎竹達が山を下り土場に運ばれてくるまでには、まだまだ結構大変な試練が待ちうけている事があるのです。トラックに積み込まれて土場に降り立った後も選別され、工場に運ばれ、切断や油抜き加工されて、更にそれぞれの竹製品、竹細工として生まれ変わり、お客様の手元に運ばれていく。そんな決して平坦ではなく、長い長い道のりを思いよったら、こんな些細な交通事故などは遙かな旅立ちのほんの序章に過ぎないと思うがです。



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