竹ワインクーラーの加工工程

孟宗竹竹林


日本狭いようで、やっぱり広いですにゃあ。孟宗竹の竹林にしても、これだけ平坦で手入れされちょって出入りが簡単、しかも、ここは道路がすぐ横にあって搬出に、こじゃんと便利そう、こんな夢のような竹林は、まずありませんぜよ。けんど、もしかしたら一般の皆様はこれが普通の竹林と思うちゅうがやろうか?だいたいテレビや雑誌などに掲載される竹というのは、特別に整備された綺麗な竹林ばかりなので、恐らくそうですろう。


けんど、実は日本の竹林というのは、そんなに美しい所ばかりではありません。特に竹ワインクーラーの材料となる孟宗竹という日本最大級の竹などは、もともと、筍を取るために管理され竹林の景観が守られてきた一面があります。ところが安価な輸入筍がある現在では、わざわざ苦労して孟宗竹の林に来て、筍を掘っていこうなどという方はおられないのです。


そこで、放置竹林などという言葉がありますように、次第に人の足が遠のいた竹林が全国各地に増えてしもうちゅうのです。普通にある孟宗竹の竹林と言えば急斜面で登るのも大変な苦労で、いざ竹林に入ろうとすれば、日頃手入れもしちょりませんので、生命力の強い竹は次から次への生えて密集し、中には立ち枯れの竹などもあって既に竹林とは呼べない竹藪状態ながです。


竹ワインクーラー


そんな場所での伐り出しは、手入れされた竹林に比べて何倍も大変で、竹が沢山生えすぎて竹を伐り出しても倒れる事すらなかったりするがぞね。今現在日本に流通する孟宗竹は、そんな手間暇かかる竹林から、大変な労力をかけて山から運びだされて来ているのです。だから竹虎の竹ワインクーラーは更に更に大変です。そうやって伐り出される孟宗竹でも、特別に太い竹しか使えないからぜよ。竹なら何でも良いという事なら...いえいえ、それでも苦労しますけんど、極太の竹だけ厳選するなど本当に気の遠くなるようなお話しでもあるがです。


だいたい10%くらいしか適材がありません。そんな大切な素材です、加工される時には、もちろん一本、一本を無駄にしないように大切に湯抜きされます。最初のハツリ加工では竹表皮の上下部分を機械にて粗削りしたあと、職人が手削りしてワインクーラーの表情を決めていくがです。


竹ワインクーラー製造


山の材料から、ここまでの工程では竹ワインクーラーの形など、全く何も出来てもいませんけんど、太さだけではなく、竹の歪な形や節の穴など選別してから、ナタで竹表皮を削り出していく事を考えますと、竹材料から下ごしらえの、この部分までだけでも結構大変な工程で、ひとつの製品が生み出されるのがお分かりいただけるのではないかと思うがです。


コメントする