川越仁恵氏×竹虎四代目のトークセッション

川越仁恵氏×竹虎四代目のトークセッション


トークセッションと言うものの、一体それが如何なるものか?実は田舎者ですきに良く分かってはいないのです。けんど、せっかくお声をかけて頂いたものは、それが何であれ積極的にやらせていただくことを方針としちょります(笑)。来月10月24日(土)西武渋谷店B館地下一階リビングエデイションフロア内、時間は午後4時から5時30分までの90分間との事ですぜよ。お時間のある方は是非今から予定を開けて来とうせよ!ご期待に添える自信は全くありませんけんど、お待ちしちょりますぞね。


実は、ご一緒させていただく川越仁恵さんは、お聞きしましたら、何と日本経済大学の教授との事ですぞね。東京都美術館学芸員であられた時にはTokyo Crafts & Design 2012という、デザイナーと工芸職人とのコラボで新しい工芸を創り出すという、斬新な企画をされてきた経歴もお持ちの凄い方なのです。まっこと、こんな偉い先生と田舎者の自分が何かお話しなどできるろうか?


「どうして、日本のものづくりは優れているのか?」
「どうして、日本のものづくりは元気がないのか?」


全体のテーマは、このような事ですぞね。一見、答のハッキリ出ている簡単そうなテーマのようであって、じっと考えよったら奥の深い、難しい問題なのです。1時間30分もの時間があって、どのような展開になるのか、今はサッパリ分かりませんけんど、121年続いてきた竹虎の竹への考え方や、モノ作りは、そのまま竹のように真っ直ぐですきに。竹の事しか知らない自分は、その事をお話しさせていただくだけぜよ。


定員が50名とあって、整理券も30分前から配布されるそうちや。ご高名な川越仁恵さんとあって結構大袈裟な事になっちょりますにゃあ。まだまだ日があるとは言え、自分もこじゃんと(とても)楽しみにしちゅうがです。一体、竹虎四代目が、どんなトークセッションをするがやろうか?今年、虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された中小機構ECフェス2015でのしゃべくりが動画に残っちょりますぜよ!



本気か。本物か。

 
竹虎四代目、本気か、本物か。


本気という詩をご存じですろうか?


本気でやれば、たいがいの事はできる。本気でやれば、なんでも面白い。本気でやっていれば、誰かが助けてくれる。


はじめて、この詩を教えていただいた時には、会社の経営が行き詰まった、どん底の状態だったので衝撃でした。やる事、やる事、何をやっても上手くいかず、真っ暗な閉塞感の中で、ただ一人きりのような気がして、今にも押しつぶされそうになっちょりました。確かに本気になれば、何でもできるというのは分かります。本気でやれば何でも面白いというのも、あれだけ嫌だった竹の仕事でさえ曲がりなりにも出来るようになったので、これも自分の経験から、その通りだと納得できました。


けんど、誰かが助けてくれる...?


そんな都合の良いことが起こるなど、とうてい信じる事はできません。また、そんな誰かを待っている時間的な余裕もありませんでした。けんど、皆様、どうぞ笑ってください。この頭の悪い田舎者の自分が、借金と経営不振のどうしようもない最悪の状態で、本気の詩を知って実行したこと。それは...、


「この詩を毎朝50回唱えること」


まっこと、信じられますろうか?ビックリされた方も多いのではないでしょうか?この詩の話を聞いたのは忘れもしない早朝の会でした。会場を出たのが朝7時過ぎ、その帰り道から車の中で唱えだしたのです。1回唱えるごとにハンドルを握る指を折っていきます。どうして、そのような事を始めたかは覚えちょりません。けんど、とにかくその当時の自分の出来ることは、もうそれくらいしか残されてなかったのかも知れません。この習慣は、その後十数年続きました。そうしている内に、ひとり、又ひとりと恩人に出会わせて頂き、それぞれの皆様に助けられて今があるがです。こうして文章に書いてしまうと、何やら出来すぎちょりますにゃあ。けんど、本当の事なのです。そして、実は、現在も声に出す言葉は変わり、回数も50回が100回に変わりしているものの、あの時からずっと同じように毎朝続きよります。


ところが、今改めて思うがです。「誰が助けてくれるぜよ...」と泣きそうになって、もがいて、もがいて、這いずり回っていたあの日。既に自分は多くの方に助けられちょりました。あんなダメな自分を許してくれた家族。黙って仕事をしてくれよった社員。いつも笑顔で迎えてくれた山の職人さんや内職さん。小さい頃から声をかけ続けてくれた近所のおばちゃん。まっこと、少し考えただけでも数えきれない皆様に助けられちょった。


自分は、本当に多くの恩をうけて生かされちゅう。いただいた分は、その恩を他の誰かに返す「恩送り」をしたい。人生の時間をその事に使えることに心から感謝しちょります。日本唯一の虎竹自動車を創る話したら人に笑われたりしましたけんど、それも有り難い事ですちや、考えたら大いなる応援ぜよ。ちっくと前の自分やったら、馬鹿にすらしてもらえんかった。誰も竹の事など、竹虎の事など相手にもしてくれんかった。だから、やっちゃる。絶対、やっちゃる。こんなに美しく、素晴らしい日本の竹は、もっと、もっと沢山の人の笑顔を作れるはずなのです。


創業明治27年老舗竹屋の挑戦!日本唯一の虎竹自動車を創って竹の美しさ、強さをお伝えし、伝統文化の素晴らしさを全国発信するプロジェクト。


高知新聞に掲載!日本唯一の虎竹自動車

高知新聞に掲載!日本唯一の虎竹自動車


高知新聞さんに日本唯一の虎竹自動車を掲載いただきましたぜよ!竹虎では荷物の梱包材として高知新聞の古新聞を使わせて頂きゆう事もあり、それでなくとも、いつもお世話になっちゅうがですが、事ある度に色々と地元のニュースを掲載いただき応援いただく心強くもあり愛着のある地元紙ながです。


さて、掲載いただいた記事内容をご覧いただいた方も、まさか、竹で車ができると思う人は、あまりおりませんろう。ところが、よくよく考えたら鉄で出来た車のボディも軽く当てるだけで派手にへこみますし、世界一安全な車と言われよりますボルボという北欧のメーカーの車などは、正面衝突の衝撃を、グシャリとつえることで吸収するのです。鉄だから、竹だからという人の先入観を取り除けば、竹も十二分に車体に使用できるだけの強度があるがぜよ。むしろ、駐車の時など塀に少し当てたりする場合には、金属はキズが付いて塗装が剥げてしまいますけんど、竹はショックを吸収するし、柔軟性があり復元力もあって、当たったことさえ分らなくなるくらいなのです。


香港の高層ビルは100万ドルの夜景などとして知られちょりますが、あの数十回建ての高いビルの足場に竹が使われているのは有名な話です。足場は建設作業される方の命がかかっているので、丈夫さが非常に重要なのは言うまでもないことですが、昔ならいざ知らず、これだけ色々な新建材が出回る現代にあっても竹が使われ続けているというのは、それだけ竹が豊富という事もありながら、機能的に優れている事に他なりません。


日本でも戦中の鉄不足の時には鉄筋の代替品として竹が骨組みに使用され、鉄筋ならぬ竹筋コンクリートして普通に建築現場で使われよったがです。実は今でも、世界を見渡せばビルや橋に使われている国もありますし、竹だけで巨大な体育館のような建築物を建造される国もあります。これは、まさに竹の強さのひとつの表れかも知れませんにゃあ。竹集成材という竹に圧力をかけて貼り付けた素材は、家具やフローリング材として皆様が思われる以上にあちこちに普及していて、東京ミッドタウンの床や壁、設置されちゅうベンチなどに多用されちょります。


まあ、こうして山で風にゆられてしなやかにサラサラと揺れる竹や、昔から馴染みのある竹籠や笊など今までの竹のイメージとは、ちっくと違う竹の姿をご紹介してきましたが、時速50キロというスピードで走る自動車となれば、やはり特別ぜよ。多くの方の目にとまる事もありますし、竹への関心や理解が高まる事もあるかと思うちゅうのです。そこで、今回の日本唯一の虎竹自動車プロジェクトを思うたのですが、見た事も、自分の想像もできないモノをクラウドファンディングという更に聞いたことのない、一見怪しいインターネットのサービスを使う。そこに、もうひとつの壁があったように思うちょります。


「竹で車など出来るのか?できても公道走れるの?」
「クラウドファンデングとは一体何なのか?...騙されるのでは?」


このような分らない物に対する警戒は当然ながです。いくら今年で創業121年の老舗竹屋やと言うても、怪しい事にハマってしもうちゅうのではないか?自分でも、誰かがやっていたらそんな風に思ってしまうかも知れませんぜよ(笑)。最初はそれが分らず、こんな素晴らしい車を作るのだから人様には必ずご理解いただける。そんな風に少し簡単にも考えていたのです。けんど、竹の事は十分知っていただき、分ってもらえる方々にも、「クラウドファンデング」とは、どういうものなのか?ここが、分からないかったようなのです。自分には、その分らない点が分らなかったという、少し、ややこしい事情がありました。そこで、その説明を分かりやすくページやチラシに制作したがです。


お客様への、ご説明に、このクラウドファンデングという方法が、皆様にとって全くリスクのない方法であること、自分達のような小さな会社の夢のお手伝いをしていただけること等、できるだけ分りやすい言葉で書かせていただきました。そうしたら、お一人、またお一人、ご支援を表明いただける方が少しづつ増えてきて、ついに目標金額の80%近くにまでなってきたがです。


今回の竹虎のチャレンジは、まず毎日新聞さんに掲載いただきました。地元のRKCラジオさんにも出演させてもろうたし、テレビ高知さんのニュース番組では「高知家の力」という特集として、何と7分間もの時間を割いて紹介いただいたがです。そして、今度は高知新聞さんの昨日の記事。こうやって地元の皆様あげての協力に応えないワケにはいきません。


最終日は約1週間後の10月6日、この日は竹虎二代目が苦労して苦労した末に、竹虎を会社に設立した記念すべき日なのです。64年まえの、この日に竹虎は株式会社として走りだしました。この記念日までに目標を必ず達成して、皆様と一緒になって日本唯一の虎竹自動車を走らせたいがです。虎竹の里でも誰もできるとは言わなかった、無謀とも思える挑戦。


けんど、自分は最初から思いよりました。思うた瞬間から見えちょりました。竹の国と言われる日本でも、ここにしか成育しない虎模様の不思議な竹。竹虎初代宇三郎を魅了してやまなかった竹で作られた車は、二代目義治が命をかけて「無」から築いてきた竹で作られ車は、三代目義継が黙々と繋いできた竹で作られ車は、四代目の自分の目で、前を風をきって颯爽と走り出しちょったのです。


創業明治27年老舗竹屋の挑戦!日本唯一の虎竹自動車を創って竹の美しさ、強さをお伝えし、伝統文化の素晴らしさを全国発信するプロジェクト。


2015世界竹博覧会(World Bamboo Fair)会場にて

 
世界竹博覧会(World Bamboo Fair)


今日で、いよいよ世界竹博覧会(World Bamboo Fair)の話題も最後ですけんど、まっこと、今回のイベントは天候に恵まれちょりました。ホテルは街を見下ろす山の中腹にありましたけんど、カーテンをあけると眩しい朝日が差し込んできます。どこまでも広がる青空が竹博覧会を祝福しているかのようでもあり、世界の竹の未来が、是非この天気のように晴れやかであれと願うがです。


世界竹博覧会(World Bamboo Fair)竹の車止め


もともと竹にこだわり、毎年竹祭りなども開催されている土地柄で、今回は画像に写っていない建物なども竹籠をモチーフにしたり、壁面には竹編みのような模様や柱が入っちょったりする、とにかく、竹を大切にする潭陽の皆様です。会場入り口へのゲートが竹だったりするのは当然の事ながぜよ。


世界竹博覧会(World Bamboo Fair)竹鉢植え


通りには鉢植えがズラリと並んで置かれちょります。青々とした美しい葉が目にも心地よいのですが、この鉢植えも全て竹やったちや。稈の曲がりが面白い変竹などもあって鉢植えだけでも楽しめます。


世界竹博覧会(World Bamboo Fair)


平日は近くの幼稚園や小学校くらいの子供達が沢山やって来てました。このような小さな頃から山々で竹に親しむだけでなく、竹博覧会のような設備の整った中で竹との体験ができることは、本当に幸せやし羨ましいにゃあと思うたのです。そして、そんな子供達が休む日陰をつくるのも、やはり竹の傘。


世界竹博覧会(World Bamboo Fair)


山出しの季節になったら数本の竹を束ねて積み込んだ上に腰をおろすこともありますけんど、薄い金属のテープでガッチリと固定された竹束が、そのままベンチになっちゅうとは、これも凄い。


世界竹博覧会(World Bamboo Fair)竹ベンチ


さらに凄いのは丸く束ねた竹束の途中に切り込みを入れて平らな座面を作ったようなベンチ。このような竹にお年寄りや若い方などが座り、楽しそうに話しをしているのを見ると、竹も、こじゃんと嬉しそうにしているかのようですちや。


竹の家


竹のシーズンになったら虎竹の里の土場には、高さが数メートルもあるような竹の小山がいくつも出来よりました。そんな最盛期を思い起こさせるような竹の造形が大型テントにあります。一体なにかと思って近寄ってみたら、中は空洞になっていて、竹の照明がつられた竹の部屋になっていましたぜよ。丸竹をこうやって自由に使い、楽しむ心が潭陽にはありますにゃあ。これらの竹は期間限定のものに違いないのですが、しっかりと人の笑顔を作り出しているのが素晴らしいのです。


2015世界竹博覧会、世界の竹製品

 
竹自転車


世界竹博覧会(World Bamboo Fair)には世界の国々から竹に関する飲食類含めて色々な面白い竹製品が集まっていました。ちょうど裏側のブースにあった竹ビールなどは、もしかしたら日本でも製造できるのではないかと思いながら見よりました。


前のブースには最近ボツボツと見るようになってきて、わずかではありますが話題にも登場する事もある、竹フレームの自転車が展示されちょりましたぞね。はじめて見たのは、もう何年も前の事、どこで作られたものだったかも定かではありませんが確か東南アジアの国のものでした。当時のモノとは見違えるような品質が上がっていて、実用にも十分に耐えられそうな本当にしっかりした竹自転車です。


2015世界竹博覧会、竹玩具


シンプルな竹の玩具にも足が止まります。透明なロバが背負っているカラフルな薪は竹の切りっぱなし。丸竹を切って色づけしただけのものを背中に積み上げています。このような竹の使い方を考えた事もないので、まっこと、驚いてしまいますにゃあ。


2015世界竹博覧会、竹玩具


これも丸竹を削りタイヤを付けただけの竹自動車。緑色の他にも赤や青など3色ぐらいの色合いの違いと、車の他に飛行機などのバリエーションがありましたが、基本的にロバーの玩具と同じで丸竹をそのまま使うたシンプルさ。けんど、そう言えば自分の小さい頃の竹玩具には、このような竹そのままの形状を活かした製品があったように思います。


2015世界竹博覧会、竹テント


玩具の他にも多種多様なものがあったのですが、自分が「これは」と思うたものはテント用のジョイント金具。テントといっても、もちろんフレームは竹そのもの。太い竹、小さい竹、サイズの違う竹をしっかり固定して、さらにテントの形もジョイント部分の角度を調節することにより、自由に変えられる金具はまっこと(本当に)面白いちや。


2015世界竹博覧会、竹テント金具


ベルギーのOPRINS社さんで同じような金具を使ったバンブードームを拝見したことがありますが、こちらの金具の優れている所は、竹の太さが違うても対応できること。これなら、竹林整備して、そこで伐採された竹をそのままテントにして休むこともできそうながです。


竹容器


地元韓国の製品を集めたコーナーもありましたぜよ。竹由来の肌に優しい液体ソープは美しい緑色の容器に入っています。日本ではまず見かける事のない竹の稈を形どった容器。竹節まで再現された作りに、韓国の方の竹への親しみを感じるがです。


竹製ゴミ箱


この潭陽という土地は竹林の生育に適した温暖な気候があり、人口が5万人という小さな街ではありますが、車で30分のところに大都市光州(クワンジュ)があるのが地の利ですろうか?ここからお客様も沢山来られるし、会場内にはボラティの学生さんの姿も多く言葉が分からずに困っていると、日本語のできる学生ボランティアの方が駆けつけてくれて不自由ないがです。


快適で綺麗な会場内にはゴミ箱も完備されちょりましたが、これも当然竹編みで作られたものぜよ。日本では運動会の玉入れ競技に使うか、背負い籠くらいしか目にされる事はなくなっていると思われるかも知れませんが、実は、公園などからの注文でゴミ箱として納品する事もあるのです。なので、ここの景色だけ見たら韓国やら日本やら分かりません。竹に国境など無いがです。


高知から日本の竹復活へ その2

クラウドファンディング竹虎四代目


さて、テレビ高知のイブニング高知と言えば、高知県の方なら知らない人は絶対にいないだろうと思うような、昔からある定番のニュース番組であり、長寿番組でもあるのです。調べたら、まっこと驚きましたぜよ。ローカルワイドニュース番組としては全国でも最古!?1971年の4月から放送が開始されちょりますので何と44年もやっています。自分の小さい頃からありますきに馴染みがあるはずですちや。


クラウドファンディング虎竹自動車


そんなニュース番組の中での特集「高知家の力」。新しい事に取り組む事が大事たど昨日の30年ブログでもお話ししましたが、只今、竹虎がやりよりますのは何と自動車ぜよ!自動車というても竹虎ですから、やはり竹。日本唯一の虎竹自動車プロジェクトなのです。


クラウドファンディング虎竹自動車


クラウドファンディングという、あまり聞き慣れない手法を使うて皆様から製作費用を集めて創りたいと思うちょります。日本の竹は皆様から忘れられかたちゅう。そんな今を変えたいと思うて走らせる虎竹自動車ですもの。普通の事ではイカンと考えちゅうがぞね。クラウドファンディングなどと聞くと横文字だし、お金も必要とあれば、何か怪しいと思われる方もいます。もちろん、疑うのは今の時代は必要ですろう。けんど、開催するのは自分達ですちや。騙されることはあっても、人を騙すだけの知恵はないがやきに(笑)。お陰様で全国から温かい沢山の応援をいただけて、220万円もの金額が集まっちゃあるがです。目標のとしている340万円までは、まだまだですけんど、とにかくアクセルは全開になっちゅうぜよ。


虎竹バックニューヨーカーpg


今回の特集では時間が結構ありましたので、来年のニューヨークでの展示会出展の話題も放送してもろうたがです。海外に出るというような事は実はあまり考えてもないのですが、やはり、世界は広いですし、日本の竹を見直してもらうのには、世界での日本という事も大事ですろう。


竹虎四代目


取材いただいた竹バックはニューヨーカーという名前ぞね。これには50年前からの竹に関わる方の物語があり、現代に蘇る伝説のようなものです。またの機会に詳しくお話しさせてもらいたいですが、このような素晴らしい竹細工を知り、竹が身近であった日本を思い出し、今の暮らしには、今の暮らしなりの竹の活かし方があることを言いたいと思うちゅうのです。


竹虎職人


今回のテレビでは若い職人にスポットを当てていただきましたぜよ。これが本当に嬉しい事でもあり、本人にとっても良い機会になりました。高齢化する竹業界にあって若い方の力がこれから、ますます求められるように思いよります。


竹虎工場


まだまだ職人の道のりは先が長いですが、技術の完成はない...これは竹に限らず、モノ作りの先人からずっと続く永遠のテーマでありますろう。


竹虎四代目(山岸義浩)


竹はおもしろく、楽しい。自分も入社当時は全く分からず、こんな時代遅れの仕事と、イヤでイヤで仕方なかったがですが、竹が、どうしようもなく面白い、楽しい瞬間があって、それは、やはり自分以外の誰かのためになる事やと思うのです。自分達では小さい頃から当たり前と思ってやってきた虎竹が、もし、誰かのお役に、ほんの少しでも立てるとしたら、こんな素晴らしい事は他にありますろうか?いやいや、どこにもない。世界中、飛行機に乗って探しにいってもない。一番最高に楽しい事はここにあるがです。


高知から日本の竹復活へ

イブニング高知テレビ放映「高知家の力」竹虎


先日にテレビ高知さんに取材いただきました放映があったがです。午後6時15分から始まるイブニング高知というニュース番組の中で、特集「高知家の力」として放送いただきましたけんど、たまたま自分が出張でいなかった時やったのです。帰って来てからビデオで見たら、こじゃんと映してくれちゅう!


イブニング高知テレビ放映「高知家の力」竹虎


竹虎は今年で創業121年になりますけんど、元々は大阪天王寺に会社と工場があって、虎竹は船に積んで遠く大阪まで運ばれてきよりました。その竹を運んで来て積み込んでいた安和の浜辺での50年前の一枚の写真。ここは高知の方なら学校の遠足やキャンプなどでも、もしかしたら来られた事があるかも知れませんにゃあ。


イブニング高知テレビ放映「高知家の力」竹虎


そして、40数年前にできた実店舗の事。日本中の竹製品、竹細工を集めた当時としては画期的なお店で、自分は、竹虎の工場で職人さんの仕事を見るたけでなく、この店で全国から集められた様々な竹に触れ育つ事ができたがぜよ。まっこと何があるか分からない宝箱のような店内を、今も目を閉じたらハッキリと思い浮かんでくる懐かしい写真まで掲載いただいちょります。


イブニング高知テレビ放映「高知家の力」竹虎


けんど、このせっかくの放映も高知県内の皆様はご覧いただけたようですが、自分のように出張に行っていたり、県外にお住まいの皆様は観る事ができませんろう。これは、もったいない...!そこで今回は、この放映をできるだけ写真で追いながらご説明できるだけしてみようかと思っているのです。


高知テレビ放映「高知家の力」竹虎工場


皆様には懐かしい香りはありますろうか?小さかった子供の頃に一瞬で帰ることのできる幸せな香り...。糖質の多い竹を高温のガスバーナーで油抜き加工をし始めると、竹から油分が吹き出してきて工場中に甘い香りが漂うがぜよ。


高知テレビ放映「高知家の力」竹虎工場


美しく生まれ変わったようになった日本唯一の虎斑竹を眺めながら、遠い昔のあの賑やかだった竹工場の竹どうしの当たる音、機械の回る音、ガヤガヤする大きな職人さんたちの笑い声、そんな音まで聞こえてきそですちや。


高知テレビ放映「高知家の力」竹虎工場


こうやって油抜きしたら、隠れていた虎模様が浮き上がり、ベッピンさんが更に化粧したように美しい虎竹になるがですぞね。そして、こうやってここから全国の虎竹ユーザーの元に送くられていくのです。まさに、「嫁入りの化粧」ながです。


高知テレビ放映「高知家の力」お客様の声


このような虎竹を中心に使うた竹製品、竹細工には、お客様からの嬉しいお声を毎日のように聞かせてもらいよります。メールでのお便りには感謝の気持ちで一杯ですけんど、さらに手書きでいただく感想には社員一同、本当に感激ぜよ。


高知テレビ放映「高知家の力」お客様の声


このような沢山の嬉しいご感想は、毎朝の朝礼で全員が声を出して一通づつ読ませていただき、喜びを共有すると共に、もっと改善できる事の気づきにしたり、自分達の自身の知識や見識を広げる良い機会にもなっちゅうのです。まっこと、このような都会から遠く離れた虎竹の里にいながら、「まるで、目の前のあなたから商品を手渡ししただいたような...」等というお便りがいただけるのもインターネットのお陰ですぞね。このモニターの向こうに、沢山の皆様がお待ちいただきゆう事をいつも忘れずにいたいと思うちょります。


高知テレビ放映「高知家の力」竹虎工場長


竹虎の現場の仕事は、まさに山の竹林からの山出しから。つまり、竹素材そのものから、お客様にお届けする製品まで、こじゃんとラインの長いものがあります。だから竹工場の現場では、いろいろな仕事がありますが、「チャレンジ」という言葉は伝統を重んじる会社ほど実は大事にせねばならない事ですろう。長く竹を守り続けるのには、常に革新。変わり続けるしかないと思うがです。


高知テレビ放映「高知家の力」竹虎四代目


「竹虎が文化をつくる気概」まっこと井の中の蛙ですぞね。世間知らずの田舎者が大きい事を言いよりますが、人様は笑いよりますろう。けんど、思うことは勝手やし、それぞれの人が、それぞれの思いで、熱うならんと世の中は、ひとつも良くならんのではないですろうか。自分は、そう思うちょります。


第10回世界竹会議(World Bamboo Congress)

潭陽の竹人形


さて、本日は世界竹博覧会で知り合った新しい友達を紹介しますぜよ(笑)。この竹人形君たちは会場脇に流れる河にかかった橋の上に、所々に、まるで会場への案内をしながら話しかけてくれるかのように立っているのです。まっこと潭陽(Damyang)の街の竹イベントはこのように楽しい竹で溢れています。そして、とにかく行政も市民も一緒になって、竹にこだわって街ぐるみでお客様をお迎えして下さる気持ちが伝わるのです。


第10回世界竹会議(World Bamboo Congress)


昨日から始まった世界竹博覧会(World Bamboo Fair)と同時開催されちょります。第10回世界竹会議(World Bamboo Congress)に出席させていただくために、街の中心地にあるDamYang Culture Centerにやって来ましたぜよ。


第10回世界竹会議(World Bamboo Congress)竹虎四代目


オープニングセレモニーの後には、世界各地から集まった講演者によって竹に関わる様々な事例報告や問題提起、研究成果などの発表が朝から夕方まで4日間ぶっ通しで行われるがぞね。最終日の見学ツアーまで入れると5日間もの間、どっぷりと竹に浸ることのできる、まさに世界の竹会議なのです。


第10回世界竹会議(WBC)


残念なことに同時通訳してもらえるのは英語と韓国語だけですけんど、参加させていただいた初日の講演も何を言われているのか分からないものの、パワーポンイトの画像やグラフを見ていたら何となく伝わってくるものがあり、竹への想いは同じと感じたがです。


賓道林さんと竹虎四代目


世界竹博覧会では昨年の潭陽竹祭りでお会いしてから久しぶりに再会させて頂く竹人達がおられますが、その中のお一人竹博覧会の開催地推進委員会々長の賓道林さん。相変わらずエネルギッシュでお元気そうですぞね。


金官錫さんと竹虎四代目


昨年の潭陽(Damyang)での竹祭りの時に通訳としてお世話になり、その後、日本で開催される竹の大会にも参加いただき、潭陽の大会担当の皆様と一緒に虎竹の里にまでお越しになられた金官錫さん。いつも通訳としてお忙しくされちょりますが、元々は地元新聞の記者さんですので、この日はカメラ片手に更に忙しく取材をされちゅうのです。


Jan Oprinsさんと竹虎四代目(山岸義浩)


そして今年、自分がベルギーのOPRINS本社にお伺いした時には、海外出張のため不在だったOPRINS社長のJan Oprinsさん。感動するくらい広大なビニールハウスで竹種苗をバイオ技術を駆使して育てられていた、あの凄い会社を率いられる方かと思うと緊張して挨拶くらいしかできません。いや、緊張して無くても英語が話せないので、まっこと、このような時には語学力がないのは困るのです。


世界竹博覧会のコンセプトは「屋根の無い竹展示場」


潭陽(タミャン)での世界竹博覧会のコンセプトは「屋根の無い竹展示場」そのように聞いた記憶がありますぞね。そういえば元々6月に開催予定だった会期を9月にしたのも、天候の事が理由のひとつだったとも聞きます。けんど、それが正解やったのではないですろうか?連日、本当に素晴らしいような晴天に恵まれちょりました。これも、大会をずっと準備されてきた潭陽の皆様の祈りが天に通じたのではないかと思うたのです。


世界竹会議、Welcoming dinnerg


屋外で開催されたWelcoming dinnerでは、潭陽の竹林の夕暮れが、何とも言えないほど美しく、涼しく心地よい風が吹き抜ける会場は最高の雰囲気やったぜよ。


世界竹会議、歓迎レセプション


さて、今回はツアー幹事を務めて頂きました。渡邊政俊先生が300本もの竹トンボを用意されちょりました。一体何に使うのかと思いよりましたが、歓迎レセプションに参加されました皆様と一緒に、「We are bambo friends!」というかけ声と共に空高く飛ばすという趣向やったのです。日本なら、子供の頃は誰でもやったことのある遊びですが、海外の方ばかりの会場では、どう飛ばすのか知らない方も多いのです。急遽ステージに上げさせてもらって、渡邊先生の竹トンボ飛ばし方レクチャーの助手となったのです。


徐信貞さんと竹虎四代目


そうそう、昨年お伺いさせて頂いちょました。徐信貞さんの工房にも時間を見つけてお伺いしていました。あの日と同じように網代編みをされていて、お変わりない様子に嬉しくなったのです。日本で言うなら人間国宝のような立場であられる徐さん。お仕事の手を止めて入れていただいたコーヒーは、忘れられない味となりましたぜよ、本当にありがとうございました。


2015世界竹博覧会(World Bamboo Fair)

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竹に国境は無いがぜよ。人の役に立ち、笑顔を作っていくことは万国共通の事ですきに。韓国の潭陽(タミャン)は、わずか5万人程度しかいない小さな街ですが、辺りの山々には美しい竹林が広がり、昔から竹文化の根付いた土地。30年前までには竹籠や竹ざるを初めとする様々な竹製品が立ち並ぶ国内随一の竹の市場が開かれちょった竹どころなのです。


全日本竹産業連合会、竹文化振興協会から参加者


今回、全日本竹産業連合会と竹文化振興協会から参加させてもらった2015世界竹博覧会、そして世界竹会議は「世界」と名前がつくように、様々な国や地域から、それぞれの形で竹と関わる多くの皆様が集い、まっこと気持ちの良い、そこにいるだけで何やら元気が沸き上がり、ワクワクしてくるような、大きな大きな一大イベントながぜよ。


世界竹博覧会(World Bamboo Fair)


実は、潭陽では毎年、竹祭りというイベントが盛大に開かれています。昨年は今回の世界竹博覧会、世界竹会議を控えた大事なイベントという事で、主催者側からの呼びかけに応じる形で一人お伺いさせてもらっていました。その時に感じたのは、ここに暮らす市民の方、ひとりひとりの竹への愛情であったり、竹への親しみ、あるいは竹への誇りやったがです。


世界竹博覧会(WBF)崔亨植郡長様


かっては竹と人とが親密な関係にあったものの、今では竹が忘れられかけている日本からしたら、ちっくと羨ましくもあり、竹と人の距離感に懐かしさを覚えることもあり、本当に素晴らしい街だと思うたのですが、今年の世界竹博覧会は、さらにその竹への思いを一つにして、世界からの竹人をお迎えし、竹の未来を考えたいという潭陽の人達の意気込みが伝わるようなのです。


2015世界竹博覧会、崔亨植郡長様


これだけの博覧会を用意し、実現されるのは、トップであられる崔亨植郡長様の強力なリーダーシップが当然ありますろう。昨年もそうやった、今年もそうでした。言葉は分りませんが、熱い思いがヒシヒシとうかがえるがです。数十年前まではあった竹の市場が今では無くなっている事を考えたら、韓国でも竹は人から遠くなりつつあるのかも知れませんぞね。けんど、そんな昔の竹を知り、竹の良さを見直してもらいたいという竹への深い愛情が、このこの方をも突き動かしている、そんな風に思えて仕方ないがぜよ。


2015世界竹博覧会へ台湾からの訪問団


だから、これだけの人が動き、こんな盛大な竹博覧会になってちゅうなど、それほど単純な事ではないと言われるかも知れませんちや。けんど、


「一人では何もできない」

「一人でないと何も始まらない」


2015World Bamboo Fair


会場近くには信じられないような広大な駐車スペースが何カ所も用意されちょりました。たった一人の思いから、こんな竹の世界が広がり、遠くから、海外から、地域で生活される何倍、何十倍もの人が集い、竹と親しむ機会が創れちゅうとしたら、これは、潭陽だけの奇跡や成功ではないですろう。


2015世界竹博覧会


竹は東南アジア一帯にあって、日本でもそうであったように、人の生活と密着し、大いに活用されちょります。台湾もそんな竹の国のひとつであり、今回の竹博覧会にも沢山の方がお越しになられています。昨年、台湾の竹産地である南投県にお伺いした際には、竹林での竹生態から、地元で製造されている竹細工、竹工芸家、そして、大学、研究機関まで見学させて頂いて、まだまだ竹の事は何も知らないという事を感じたのですが、台湾の竹造形の面白さにも感じ入りましたぜよ。


2015世界竹博覧会


そんな竹作家のお一人、林美如さんからお土産にと竹のイヤリングを頂戴しましたぞね。訪問した時にはお会いした事はなかったと思いますが、手の平にのせてみた作品の中央部分には何かの木の実が付いています。この小さな実から交流の大樹が育つと良いなあ。そんな事も思ったりしたがです。


2015世界竹博覧会


「ヤマギシさん」片言の日本語で話しかけていただいたのは、フィリピンからの訪問団の方でした。竹はアジアに広く分布しちょますが、やはり日本の竹文化というのは各国から注目を頂いているように感じます。いつもお話しするように竹はイネ科の植物ですぞね。美味しいお米の穫れる国、日本の竹の品質は素晴らしいのです。そして、その品質の良さを日本の細やかな感性で育んできた竹文化。これは世界の中でも誇れるものだと確信しちゅうのです。このような海外の方が又必ず日本に来られるという話し等を聞くにつれ、疲弊する一方の日本の竹とは言われてはいますが、世界という広がりの中で考えても竹は重要で、これから、ますます、しっかりやっていかねばと思うのです。


2015World Bamboo Fair


やはり、インターネットを通じてですろうか?インドからの来られた方にも竹虎の事を知って頂いている方がおられました。あまり縁がなく、遠いとばかり思っているインドも、考えてみれば竹が資源的にも非常に多く、これからの活用を大いに期待できる国ぜよ。デザイナーさんと共に開発を進められている竹製品は、さすがに洗練された雰囲気で、これからが楽しみなのです。こうして世界の舞台でも、いえいえ、世界だからこそ、自分達のできること、自分たちのやりたいこと、交流を重ねるちに更に明確に鮮明になるのを覚えるがぜよ。


「不可能」なんて、ない。

日本唯一の虎竹自動車プロジェクト


340万円!?笑わせるな!そんな大金が竹に集まる訳がないぜよ。毎月一回開く全社会議で、皆の前で初めて話した時の事やった。


「日本唯一の虎竹自動車プロジェクト」


この時は社員も、職人も本気にしていなかった。竹の車?何を夢みたいな事を又言い出して...。田舎の20人しかいない小さな竹屋に、とうてい無理だと相手にせんかったけんど、


本当にそうやろうか?


ここにしかない虎竹の里の事を、120年続いてきた竹虎の文化を蔑ろにして、一番知ろうとしていないのは、もしかしたら自分たちではないろうか?


只今220万円突破。あと35%で目標達成ぜよ。


挑戦は竹虎だけのものではないと思うちゅう。竹産業をはじめとした日本のモノ作りやったり。伝統産業やったり。地方の活性化やったり。


この竹の車が走り出すと同時に、忘れられかけた「志」が走り出す。


クラウドファンディングは二代目祖父が不慣れな土地で、苦労して会社設立を果たした記念日の10月6日まで。


「不可能」とは可能性だ。
「不可能」なんて、ない。


日本唯一の虎竹自動車プロジェクト


新潟の夢

新潟の夢


タクシーで走っていると「ややっ...オームかっ!?」川辺の広場に何やら不思議な塊が見えるのです。しかも、かなりの大きさながぜよ。遠目に見ると宮崎駿監督作品「風の谷のナウシカ」に出てくる巨大な昆虫オームのように思えますぞね。


新潟の夢


これは、王文志(ワン・ウェンヂー)氏の作品「新潟の夢」全て竹で創られた大きな大きなオブジェやったのです。新潟では2009年から水と土の芸術祭というイベントが開催されています。これは、国内外から様々なアーティストが参加され、地域全体を使ったアート表現するという大掛かりな催しですが、この独創的な竹編みもその一環の作品ながです。


そうそう思い出しましたちや。確か以前にも、このような大きな竹組が創られたはず。写真で拝見して、ああ、見ていたいけんど、新潟はちっくと遠いにゃあ...。その時にはそう思うていたので、巨大竹オブジェの事は、すっかり頭から消え去っちょりましたが、こうして道を走っていてチラリと見かけて出会う事ができるとは、やっぱり竹の神様に導かれちゅうのかも知れませんぜよ(笑)。


王文志(ワン・ウェンヂー)氏「新潟の夢」


中に歩いて進んでみましたら、足元にもズラリのと丸竹が敷き詰められちょって、歩くたびに竹がきしむ音がしますぞね。この音が少しも不快ではなく、むしろ懐かしいような、居心地の良さを感じてしまうのです。


竹オブジェ


オブジェの内側に吹き抜けのような空洞が空に向かってポッカリ空いちょります。ここに空の上から気が集まってきているようでもあり、反対に放出されているようでもあり。


竹虎四代目と新潟の夢


中のスペースには吊り下げられた貝殻の暖簾をくぐって入ります。ギシッギシッと竹の音をさせながら、あっちに、こっちに歩いてみます、空を見上げてみます。日頃、竹林で竹に囲まれる事は多々あるのですが、これだけの広い空間で竹編みに囲まれる経験は、そうそう、ある事ではありません。風の吹き抜ける「新潟の夢」の中で、竹虎の夢をみよりましたぜよ。


王文志(ワン・ウェンヂー)氏「新潟の夢」


日本唯一の虎竹自動車設計会議 その2

日本唯一の虎竹自動車設計会議


桒垣先生が数年前に竹編みで製作されたボディを何度も、何度も触ったり、押したりして確かめられよります。少し古くなった竹は、自分などからすると落ち着いた雰囲気となり、更に味わいが深まって新しい竹だった時よりも魅力的に見えますぜよ。


日本唯一の虎竹自動車設計会議


今回は、せっかく二人乗りで、しかも日本唯一の虎竹にこだわりますので、同じ竹の電気自動車としても、まったく違う形にして、竹の持つ素晴らしい特性を、もっともっと大きくアピールしたいと思うちゅうがです。


日本唯一の虎竹自動車作り


現場の整備工場の方に聞いても詳しく分からない事は光岡自動車さんの担当に電話をしながら、さっそく何やら専門的な数字を書かれよります。一体何を考えられゆうがやろうか...?話かけるのを少しためらってしまう程の迫力、さすが凄いちや。


日本唯一の虎竹自動車設計会議


竹自動車の製作を実際に指揮しながら進める事になる専務と、今回はじめて竹自動車をご覧なられた、桒垣先生が、真剣な表情で何やら打ち合わせをされよります。車体イメージは簡単ではないかとは思いますが、さわりの意見交換だけからでも斬新な形の事や、竹虎ならではの竹のあしらいに、職人ならではのこだわりがヒシヒシと伝わるぜよ。これは、虎竹の表情を活かして、かなり面白いものができると確信したがです。


日本唯一の虎竹自動車設計会議


日本唯一の虎竹自動車の本体となる電気自動車Like-T3は、まだ全国にもそれほど沢山走っている車ではありません。ただ、住宅密集地などでの宅配便さんや郵便配達などには、沢山の荷物が積めながらも音も静かですし、排気ガスも出ない。スムーズな走りは本当に絶大な威力を発揮しそうです。


現在、運送会社様や、牛乳配達、市場などでも少しだけ導入され毎日走っているのですが、そのような試験期間をおいてから本格的に導入を検討されゆうのかも知れませんぞね。たまにクロネコヤマト便さんが自転車で配達されゆうのを拝見しますが、あのようなシーンこそLike-T3の出番ではないかと思うがです。今回のプロジェクトを通じて、この電気自動車の認知もひろまって、使い道によっては用途が広がる事もあれば、こじゃんと嬉しく思うのです。


日本唯一の虎竹自動車設計会議


以前製作された竹自動車、新しく本体となる電気自動車。それぞれの職人さんやデザイナーさん、整備担当の方が勢揃いして、日本唯一の虎竹自動車設計会議は、すでに数時間が経過。なかなか終わりませんけんど、まっこと、ああしよう、こうしよう...。考えるだけでワクワク出来る事は楽しいですちや。


日本唯一の虎竹自動車設計会議


プロジェクトには直接関わる方だけでなく、この竹自動車の周りに沢山の応援いただく方の声援があります。この応援のを自分達の力として、自分達だけでなくて、多くのモノ作りの方や、新しいチャレンジを試みたい全ての方への元気の源になれるように、とにかく目標はただひとつ。来年の春には、心地良い風を感じながら、きっと走り出したい。いや、自分の中ではすでに走り出してはいるのですが、ただ、ただ、それだけの事ながです。


創業明治27年老舗竹屋の挑戦!日本唯一の虎竹自動車を創って竹の美しさ、強さをお伝えし、伝統文化の素晴らしさを全国発信するプロジェクト


日本唯一の虎竹自動車設計会議

竹虎四代目


日本唯一の虎竹自動車プロジェクト設計会議を開催しましたぜよ。はぁ?それは一体何ですか...?もちろん、お分かりいただけない方がほとんどですぞね。只今取り組み真っ最中の虎竹自動車を創る計画で、クラウドファンディングという方法を使うて何とか実現させるべく、頑張っちょります。


東洋竹工、大塚正洋さん


まだ、出来るか、どうか全く未定にもかかわらず、竹製の電気自動車が大都会の大通りを疾走する姿を想像すると、ワクワクが止まらず(^^;)あまりに創りたいという思いが強くて、ついに、製作をお願いしたい皆様に集結いただく事になったがです。


東洋竹工、職人さん


祖父の代からお付き合いのある東洋竹工さんには、竹自動車製作の経験から、ベースとなる車体そのものからはじまり、幅広く色々とアドバイスを頂戴しちょります。


桒垣洋子先生


せっかく創るのであれば格好のよいものではないといけません。デザインにご意見いただくのは、自動車メーカーのデザインにも関わった事があり、現在では京都の老舗料亭での素晴らしいお仕事をされる、桒垣洋子先生。


山岸龍二


光岡自動車さんからはデモカーをお借し出しいただきましたので、竹虎の製作責任者の専務も同席させてもらいましたぜよ。おそらく、これだけの専門家が全て揃うのは、これで最初で最後かも知れませんにゃあ。屋外での日本唯一の虎竹自動車プロジェクト設計会議ですので、今日はどうしも天気になって欲しかったのですが、台風も上手いこと前日には通過していきました。「竹の神様」まっこと、ありがとうございます!雨もなく、カンカン照りでもなく、ちょうどの最高の天気やったのです。


日本唯一の虎竹自動車打ち合わせ


やはり、画像などではイメージが付きにくかったものが、実車を見比べながらの打ち合わせでは、色々なアイデアが出て、車の形が現実味を帯びてきます。問題は、まだまだあるのですが、それは本当に細かいことですろう。後は、このプロジェクトが成功しさえすれば来年の春には日本唯一の不思議な「虎斑竹」自動車が走りだしますぜよ!


竹虎四代目


ところで「クラウドファンディング」はご存知ですろうか?あまり聞き慣れない、新しい言葉ですが、要するに予約販売のようなものなのです。通常のご購入に比べてお手元に届くのが、ちっくとだけ遅くなりますが、例えば、これからの季節、鍋などにも大活躍する鬼おろしには虎竹自動車ロゴマーク入りとなっちょります。これは今回だけの限定刻印ですので記念になりますぞね。


普通の金額+刻印代金を頂いちょりますから、その刻印分だけが高額になっているのです。ブログをご購読の皆様、どうかお願いいたします。日本唯一の虎竹自動車の刻印をつけてお届けする竹の鬼おろしをお求めいただけませんでしょうか?こじゃんと(とても)お役に立てる人気者の鬼おろしを


ご購入いただける事=竹虎のプロジェクト支援


と、なるのです。


創業明治27年老舗竹屋の挑戦!日本唯一の虎竹自動車を創って竹の美しさ、強さをお伝えし、伝統文化の素晴らしさを全国発信するプロジェクト


本日テレビ放映、イブニング高知の特集「高知家の力」

日本唯一、虎竹の里にてテレビ取材


いよいよ今日の夕方6時15分より放映ですぞね。高知ではお馴染み、テレビ高知さんのイブニング高知というニュース番組ぜよ。続利用可能な唯一の天然資源である竹×電気自動車で銀座の大通りを疾走するという話しを聞きつけてくれたがやろうかっ!?最近は30年ブログでも、しょっちゅうお話しさせていただいて、まっこと竹虎四代目は竹自動車の事しか考えてないがかえ?そう言われそうですけんど。


日本唯一の虎竹自動車テレビ取材


それは、違うぜよっ!!!ただの「竹自動車」ではなく、「日本唯一の虎竹自動車」やきに!!!


虎竹枝折り戸製造


まあ、それはさておき本日夕方の特集「高知家の力」は、ご都合のエイ方は是非ご覧いただきたいと思うちょりますぞね。なんせ、高知でしかご覧いただけませんので、高知県民の皆様への虎竹の里からの思いを込めました。


竹虎本店


自分達は、高知の中でも田舎で、人も居りません。竹の他には何ちゃあない所ですぞね。なんせ数年前まではコンビニでさえも深夜0時には閉まって真っ暗やった。そんな人通りもなく、交通の便も悪いところやけんど、今の時代は、日本と、いやいや世界としっかり繋がっちゃある。そして、今の皆様は、そにしかない地域資源を、しっかり見てくれちゅう。


虎竹の里


今日のテレビ高知さんの放映は7分間と聞いちょります。この数分間は、もちろん虎斑竹専門店 竹虎の事を取り上げていただき、放映いただく時間には違いないのですが、それだけでは無いと思うちょります。高知県の、もっと言うたら今まで忘れられてきた地方の時間じゃローカル中ののローカルの話題ですぞね。もしかしたら、今このブログをご購読頂きゆう、そう、あなたの話題かも知れません。


虎竹油抜き加工


取材にお越しいただいた日は久しぶりの日本晴れ。雲ひとつないような空には夏が戻ってきたかのように眩しかった。けんど、工場に入ったち、どういう訳かまだ更に眩しいがです。何が光りゆうかと言えば、それは、若い職人の輝きやったがぜよ。


日本唯一の虎竹林


テレビ番組自体は高知でしかご覧頂くことはできませんけんど、竹の伝統文化を、どのように守っていけるのか?大きな曲がり角に来ちゅう虎竹の里の事は、きっと届きますろう。自分達と同じように小さく、弱く、忘れられそうになっている地方のモノ作りをする全ての人に、回り道して時間はかかっても、元気を届けられると信じちゅうがです。創業明治27年老舗竹屋の挑戦は、日本唯一の虎竹自動車を創って竹の美しさ、強さをお伝えする、伝統文化の素晴らしさを全国発信するプロジェクトながやきに。


心意気、特大飯籠

飯籠


若い皆様、と言うても自分やち、まだまだ若いのですが(笑)、飯籠をご存じない世代が随分と増えているようなのです。小さい頃、軒先に持ち手の長い竹籠が吊られちゅうのをよく見かける事がありました。炊いたご飯を長持ちさせるために通気性の抜群の竹籠に入れて、風通しの良いところに吊っておいたのです。井戸のあるご家庭などでは、やはり涼しいという事で、その井戸に吊したりもしていたようですちや。


ところが現在になって保温できる炊飯ジャーが一般的になって、このような飯籠が不要になったかと言えば、やはり、今でも少しづつお問い合わせいただく事もあるのです。昔ながらの竹職人さんの中には、今だに炊いたご飯を飯籠に移す方がおられます。理由はやはり美味しいからとの事ですが、同じように昔の飯籠に入れて冷やしたご飯の味が忘れられない方がボツボツとおられるようなのです。


別注特大飯籠


お客様からのご要望で特大の飯籠を作らせてもらいましたぞね。ずっと前なら、このようなサイズで普通サイズだったかも知れません。当時は家族の人数も多かったですし、薪でご飯を炊くような場合には、面倒なのでその都度ご飯を炊くというような事はせず、何回かの食事の分をまとめて炊くのが一般的やったようです。しかも、白米だけを炊くのは年に数回のこと。そのほとんどは麦飯などだったそうです。麦飯は白米などに比べて傷みやすいので、涼しい所での保管できる飯籠は、どこのご家庭でも必需品やったがです。


特大の飯籠は直径が25.5センチのものを35センチにして欲しいとのお客様のご要望でした。違いは直径にすると10センチ程度ですので、人によれば、大きさの違いをあまり思われない方もおられます。ところが、実際に丸い竹籠に編むと、どうなるか?見た目だけでも、これだけ違います!直径にして1.4倍くらいなのですが、出来上がった竹籠の容量、大きさ感は数倍となります。竹ヒゴの長さも数倍必要ですので、手間や時間を考えると、このような別誂えの竹籠は安価すぎます。けんど、腕をふるえる職人さんがまだまだ健在である限り喜んでいただけるのなら心意気で作っていきたい、そんな竹籠のひとつなのです。


薬用竹炭の開発

竹炭石鹸


薬用竹炭を使って竹炭石けんをリニューアルしています。お陰様で想像以上の人気で、これからの寒くなり乾燥する季節には、さらに、もっとスキンケアに気をつける皆様のお役に立てるのではないかと思うちょります。


薬用竹炭の開発


薬用竹炭の開発などと聞きますと、どこかの研究機関などにお任せしそうでもありますが、最終的な試験等に関しましては専門機関にお願いさせていただくものの、最初の工程や実験などには自分達が直接関わらせてもらいました。別の方法もあったのかも知れませんが、高知県工業試験センターさんの全面的なバックアップもありますし、何よりやってみることで又何か見つかる事もあるかと思うたのです。


薬用竹炭


けんど、自分は根っからの文系。ビーカーだの何だの、取り扱い方から手とり足とり教わって、まっこと皆様にはご面倒をおかけしたがです。


薬用竹炭


最初はまったく要領を得なかったのですが、そう言えば、以前は炭の消臭効果実験や吸着力の試験をさせてもらった事を思い出してきましたぜよ。まっこと学生時代には考えもしなかった化学の実験みたいですが、少し分かりかけてくると何やら楽しくもなってくるのです。


薬用竹炭


しかし、それも自分が触ることの出来る極わずかな範囲だけ。後は、知らない器機や薬品などが並ぶ室内にこもりっきりですぞね。誰か言いよりましたにゃあ、学生時代に勉強していない分は社会に出てからしなければならない...。まっこと、その通りと納得しながら、それでも、この竹炭にはこじゃんと(とても)こだわりがありますきに、必ず皆様に喜んでもらえる商品になると信じてやりよりましたぜよ。


尾崎高知県知事、ネッツトヨタ南国横田英毅さんの笑顔

尾崎正直高知県知事、横田英毅氏


先の高知e商人養成塾が毎年開催する1泊2日の合宿に、尾崎正直高知県知事にお越し頂いちょりました。広い高知県を西へ東へ移動されて、こじゃんと忙しい知事に来てもろうて、こんなに嬉しい事はなかったです。まっこと、ありがとうございました!!!尾崎知事が来られる事によって、あの二日間がビシッと引き締まった。自分達の学びが、自分達を、周りを、地域を、高知を、地方を変えていく、ひとり、ひとりにその使命感を改めて感じてもらえたと思うちゅうがです。


実は高知e商人養成塾の勉強会にお越しいただくのは二回目の事やった。はじめてお越し頂いたのは2012年の事、この時には尾崎知事の挨拶の前に、自分がちっくとお話しさせて頂こうと思うちょりました。インターネットの活用こそが高知の命綱であり、地産外商には絶対に欠かす事のできないと聴いてもらいたかったがです。


2012年e商人養成塾新春大講演会 竹虎四代目挨拶


さて、今回はどうやったかと言うと、今度の合宿にもお越しいただけると決まった時から、お集まりいただく皆様には当然なのですが、一番心して聴いてもらいたいと思いよったのは、やはり知事やった。


竹虎四代目


テーマは「クラウドファンディング」。いやいや、別にこんな流行のような仕組みはどうでもエイ。けんど、小さく、弱く、何も持っていない自分達のような田舎の竹屋が、それでも日本に誇れる志ひとつあれば、何ちゃあ、おじる(怖がる)事はない、東京も高知も何ひとつ変わらない時代になっちゅう言う事を、日本で経済力が一番低いと言われる県のトップの方にお伝えしたかった、ただ、それだけの事ながです。


高知e商人養成塾合宿


竹の自動車を創りたいと、いくら考えたとしても、こんな仕組みがなかったら、お伝えする術がなかったら、もっと、もっと苦労したり、結局あきらめたり。


けんど、今は思う、無限ぜよ。


毎年どんどん生えて、たった3ヶ月で真っ直ぐに天を目指して20数メートルにも成長する竹みたいに無限の広がりがあるのではないですろうか?


竹虎四代目


そういう意味で自分達は、こじゃんと(とても)幸せな時代に生かされちゅう。もう少し時代が前やったら、こんな事は考えられなかったかも知れません。都会を目指して行かねばならなかったかも知れません。


竹虎四代目


前日に、たまたま竹虎を応援してくださるお客様より大きな支援をいただいて、感涙が乾かないうちに更に信じられないような嬉しいご提案を頂戴した所でした。こんな、ちょうどのタイミングで事が動くとは、やはり運がエイ。「竹の神様」と、いつも冗談半分で言うけんど、本当に、導かれているとしか思えない事が多々ありますぞね。


高知県知事、竹虎四代目


まあ、そうは言うても道はまだまだ中半。これから、先は長いですし、とやらねばならない事ばっかりぜよ。課題は山積されちゅう。失敗もありますろう。けんど、こんな小さな歩みの積み重ねのその先に、高知県行政トップの方と、高知経済界トップの方と、揃うた笑顔が見られる事があるとしたならば、自分の力の限りはやらせて頂きたいにゃあ...。そんな風に思いゆうがです。


知事にも力説したクラウドファンディング。お金を集めるのではない、心を集めるものぜよ。本気で変わると思わんと、何ひとつ変わらない。日本唯一の虎竹自動車プロジェクト


高知放送「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」収録

高知放送「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」


高知放送「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」という1時間番組があるがです。毎回、高知県ゆかりの方がゲストが来られて、パーソナリティの井津葉子さんと、たっぷり、ゆっくりお話する番組ですぞね。井津葉子さんというたら高知でラジオを聴かれる方でしたら本当にお馴染みで、自分もたまに車から声が流れてきますと、何ともホッとした安心感に包まれた気持ちになる「高知のいつものお声」そんな方の番組なのです。


井津葉子さん


けんど、番組に出演させていただける事になって、1時間も二人だけで話をするなど、そんな話題があるろうかにゃあ?一体どんな事を話したらエイろうかにゃあと心配しよったがです。ところが、終わってみたら驚くほど短い時間に感じましたぜよ。まっこと、アッという間やったぜよ。パーソナリティの井津さんの流れるようなリードは流石です。


高知放送「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」収録


最近出来た竹製品や、ウンチクのある竹細工などを、思いつくまま持参しちょりましたが、欲張って持って行き過ぎちょりましたので、全てをご紹介させていただく間は無かったがですが、竹製品といえば殆どの方が竹笊や竹籠など昔ながらのモノが思い浮かべる事が多いと思います。


高知放送「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」収録


けんど、そんな竹細工ひとつとっても時代の変化や新しい取り組みで、それぞれ違うものが出来てきちょります。たとえば一枚の竹皮を持って行ってましたが、水に濡らして使うと柔らかくオニギリなど包む包材として、これほど優れたものはありません。抗菌性が昔から知られていて多用されてきたものですが、知らない若い世代にとってはまさに新素材というてもエイですろう。その竹皮も現在流通している竹皮は、そのほとんどが外国産です。ところが、少量ではありますものの今でも国内で竹皮を集め、まさに神業のような選別技術で生産されゆう職人さんたちがおられるのです。竹製品自体が素晴らしいのですが、それを生み出す人の手の凄さをお伝えしたくて持ってきちょりました。


高知放送「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」


今回、そんな事も含めてお話させてもらいたかったのは、今までの竹のイメージとは、ちっくと違う商品の事ですぞね。たとえば竹炭から作られる、竹炭の洗い水などと言う名前の洗剤。炭から洗剤とは考えつかないと思いますが、ご年配の方なら、大きなタライにカマドの灰を入れて、ゴシゴシお洗濯をされていたおばあちゃんを思い出してください。原理は全く同じ事、アルカリ水溶液で汚れを落とすがです。


竹は稈の部分だけでなくて枝や根の部分、竹葉、竹皮まで、いろいろと活用されてきた無駄のない素材です。現代では竹葉は虎竹茶として飲用にしたり、虎竹染めの材料にしたりしています。


竹踏み


ストレートネック用として、だんだんとご愛用される方の増えてきた竹首枕なども持って来ちょりましたが、この素材の孟宗竹は大きな竹を使いますが、小ぶりな竹で作るのが青竹踏みなのです。実は井津さんにもお試しいただこうと持ってきていたモノがありました。


これは自分の愛用する特別仕様?の踏み竹。普通の方はアールのゆるやかな青竹踏みでも、痛いと言われる事もありますが、自分のように毎日のように使っていますと慣れてきて、アールのキツイものの方が刺激があって気持ちよくなっているのです。足裏のツボにピンポイントで当たる感覚が何とも言えません!お試しいただきましたが割と痛くなくご愛用いただけよりました。これは、個人差が大きいのですが体調もあって、自分でも、足裏のある部分がもの凄く痛い事もあるのです。


高知放送「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」収録


さて、こうやって収録していただきました。高知放送「ぐっど騎士(ナイト)RADIO」放映は来月10月3日(土)午後9時から。翌木曜日には再放送もあるとの事ながです。パーソナリティの井津さんのブログでも紹介されます。是非、聴いとうせよ。そうそう、只今進行中の日本唯一の虎竹自動車の事は一言もいう間がなく、すっかり忘れちょりましたぞね。


100万円虎竹の里ツアー

日本唯一虎竹の里にて竹虎四代目


虎竹の里に来て1泊2日で100万円ですが、購入されますろうか?世界一周旅行でも出来そうやにゃあ...。呆れた声が聞こえて来そうですが、これは、自分が考える田舎の可能性のお話しながです。


皆様は、クラウドファンディングをご存じですろうか?ある目的を持ったプロジェクトに対して不特定多数の皆様に支援(資金提供)いただき、その見返りとしてサービスや商品を提供する仕組みなのです。実は、新しい仕組みでも何でもなくて欧米では普通にあったものが、インターネットを活用できるようになって、最近は日本でも急速に広まりつつあるのです。資金提供と言うと、こじゃんと(とても)大袈裟に聞こえますけんど、たとえば竹虎の今回のプロジェクトですと、わずか、1500円からご参加(支援)いただけます。


そして、目標金額達成した場合にのみプロジェクト成立で、ご支援いただきました皆様には後から竹虎商品をお届けいたします。目標金額達成しなかった場合はプロジェクト不成立で、支援金額は返金となり、商品のお届けもないがです。竹虎で只今進行しちょりますのは、「日本唯一の虎竹自動車プロジェクト」。自分達の虎竹で自動車を創って、お客様と一緒に走りたいのです。


そんな馬鹿な夢に誰が...?


無関心の方もおられれば、少し興味を持ってくださる方もおられる。当然、いろいろな反応があってしかるべきなのですが、大事なのは、この「変化」ですぞね。少し前だったら自分勝手な思いを誰に知ってもらえる?高知の田舎にいて、どう発信できる?竹みたいな斜陽産業で何をする?


ところが、今、このようなクラウドファンディングという支援の形を使い、地方の会社が、世の中になかった全く新しい商品開発をしたり、資金力の乏しくとも、多くの方に喜ばれる新事業に挑戦したり、全国各地で沢山の成功事例が生まれつつあるのです。先に言うた虎竹の里にお越し頂き1泊2日で100万円ツアーは、本当にありがたい事に完売いたしました。もしかしたら、何かの間違いではないろうか?最初は信じられなくて何度も何度も見直しました。けんど、間違いではないと知った時、涙が出た...!四代目の、自分のひとりよがりな思いに、100万円ツアー購入という形で応援してくださる、支持してくださる、素晴らしいお客様に大きな大きな勇気をいただいて奮い立ったがです。


この大きな変化は知っちゅうだけでは本当に知った事にはならないと思います。まず、ご自身が共感の輪の中に飛び込んでみることかも知れません。確かに高知に来るだけで、この金額は破格と思われますろう。けんど、世界一周旅行は誰でも出来る。日本唯一虎竹の里ツアーの値打ちは、どうですろうか?自分達のような地方が...田舎が...ここにしかない価値が本当にないろうか?


いやいや、なんちゃあ、おじる(怖がる)事はないがです。高知も東京も、世界からみたら同じJAPANやき。「天は自ら助くる者を助く」という言葉もあるますぞね。まず自分が動いてみないと分りませんろう。地方の時代と言われ続けてきましたが、本当の意味で地方の時代が到来したと改めて思いよります。


日本唯一の虎竹自動車プロジェクト


やすらぎ竹灯り

竹照明


秋の深まりを感じるようになりますと、ホッと心安らぐ温かな竹灯りが恋しくなってくるがです。粗めの繊維の入った和紙は、それだけでも風情がありますが、やはり竹ひごが和紙に作る影模様は素晴らしいぞね。見ていると時を忘れてしまいそうになることがあるがぜよ。


昔は竹の照明器具というのも一般のご家庭用としても広く普及しちょりましたので、専門に製作する職人さんもおられて、大手家電メーカーさんなどからの注文が来た時には、それこそ夜明けと共に仕事をはじめて夜遅くまで工房では競い合うようにして毎日のように製造に追われちょたのです。


虎竹スタンドライト


大型の竹照明というのは、職人さんも少なくなり、その後、既製品と言いますか定番の形などというものは、ほとんど無くなりつつありますぞね。竹虎には丸筒ライトや丸傘ライトのご用意がありますけんど、これらのライトが最後の現役ではないかと思うほどながです。


先日、古くなった昔の大きな照明を見る機会がありました。その整った端正な出来映えに驚きましたけんど、やはり、同じ竹編みを毎日、毎日続けてこそ、到達する製品の域というものがあるのだと改めて思いました。よくぞ、このような竹素材を、これだけ効率よく使って質の高い仕事をされちゅうにゃあ...。そして、その当時の価格の手頃さもビックリします。これは、専門の職人さんの手が早かった証ぜよ。沢山作っていたから流れ作業のような工程がしっかり出来ていたのです。


竹灯り


最近、スタンドライトのような小型の竹照明が注目されちょります。和室など今のご家庭には少ないかと思いますが、フローリングの洋間にも竹というのは不思議と似合うがです。いやいや、むしろ落ち着いた洋間などの方がお洒落なくらいですかにゃあ。そんなにワイワイと騒ぐような事もありませんけんど、控えめに周りを照らす虎竹スタンドライトのように、静かな、静かなブームといように感じちゅうがです。


国産ひのき蒸籠

国産ひのき蒸籠


高知も朝は気持ちの良い涼しい風が吹き抜けるようになってきましたぜよ。早朝、ドアを開けて外に出たとき、ちっくとヒヤリとして、空気が美味しく感じる今時分は一年でも本当に心地よい最高の季節ぞね。まだまだ日中はエアコンが欠かせないくらいの暑さですが、こうやって秋は深まっていくがですぞね。


さて、秋と言えば、やはり食欲の秋ですぜよ。色々な食べ物が美味しくなってきますが、人気の蒸し料理で秋の味覚を楽しまれよりますろうか?蒸籠を使ったメニューは本当に簡単で、今まで料理などしたことがないというような方にもオススメちや。食材を切って入れて蒸すだけなので、手間いらずでありながら、熱々を食することができ、素材の味を、まるごと堪能できて何とも美味しいがです。


簡単で、美味しいだけでなく、油を使わないのでヘルシー!自分のようにダイエットされている方には最適。絶対にオススメの調理法ながです。高知は野菜が美味しいせいか、自分もとにかく野菜を良く食べますぜよ。馬路村のゆずポンもいいし、胡麻ドレッシングでも。またまた、ちっくとこだわった塩などでも、お好みで色々頂けるのです。


日本製蒸籠


そんな蒸籠に国産ひのき蒸籠が新しく仲間入りしたがです。20数年の実績のある日本メーカー企画の中国工場製品のものは、お手頃な価格帯で、蒸し料理の広がりにも大いに貢献してきました。これからの本格的な鍋シーズンには沢山のご家庭でお役立ちできそうです。けんど、さらにワンランク上の品質を求められる日本製の蒸籠は、その丈夫さや作りにおいて、格段の差があるのです。


蒸籠の縁の木製部分の厚みが、その堅牢さを主張しているようぞね。ステンレスの留め金具も丁寧にこれでもかと言うくらい打たれちゅう。ご家庭用としては、もちろんながですが、これなら中華料理店やレストランなど毎日フル稼働させる業務用としても十二分に活躍できるのできることは間違いないがです。本当にタフな蒸籠が登場したものですぞね。


第9回高知e商人9月合宿開催!

e商人養成塾合宿


毎年9月の第一土曜、日曜日は高知で合宿が行われちょります。何の合宿かと言いますとe商人養成塾というて、インターネット活用を考える経営者の勉強会があるのですが、通常の定例会の他に年に一度だけ一泊研修のような形で集まるのです。高知県だけでなく今回も北は宮城県から南は沖縄まで。全国各地から志しを同じにする皆様に集まっていただき、楽しく、刺激いっぱいの2日間を過ごさせてもろうたがですぞね。けんど、今回で9回目と長く続く合宿です。まっこと忙しい中お越しいただく講師の皆様、遠くから参加いただく参加者の皆様、そして裏方でご尽力いただく皆様、沢山のお力によって、お陰様で毎年続いてきちゅうがです。


尾崎高知県知事


今回は尾崎高知県知事にもお越しいただく事ができちょりましたぜよ。自分は、一年前から知事にお会いする機会があるたび、あるいはメールや手紙で「合宿、合宿...」言うてきましたので、この男は合宿屋か?と思われちょったかも知れませんにゃあ(笑)。けんど、一円の儲けにもならない合宿にこだわるのは、自分こそが合宿で人に出会い、変わり、繋がりつづちゅう事で、このような吹けば飛ぶような、誰も知らない田舎の小さな竹屋が、何とか今日も大好きな竹を触って仕事ができているからなのです。


ネッツトヨタ南国、横田英毅さん


大ファンであるネッツトヨタ南国、横田英毅さんには、ご講演いただく前から自分が緊張して困ったけんど、半日使うていただいたご講演の中に、まさにこの事が出てきました。中国のある村のお話しでしたが、受けた恩義を、その方に直接返してはいけないそうなのです。その方以外の方に恩義を返していく、これは「恩送り」と教わっちょりますが、恩送りに溢れる世の中を想像したら素晴らしい事ないですろうか!?


竹虎四代目


2日間の合宿は参加される皆様も全てが自分の先生です。知らない事ばかりなので、まっこと色々教えてもろうて助かるがぜよ。やる事が多すぎて頭がパンクしそうですが、あと一つ、心に残った言葉があって、それはゲーテの言葉。


あなたにできること、あるいは夢見ていることがあれば、今すぐ始めなさい。向こう見ずは天才であり、力であり、魔法です。


学生時代には何か聞いたことのある偉人、というくらいの認識しかありませんでしたが、さすが、素晴らしい事を言いてくれちゅうがぞね。


自分の思いだけでスタートした日本唯一の虎竹自動車プロジェクト。340万円もの金額を集めるなど、とうてい無理や言われました。まだまだ目標金額には遠いのですが、只今、達成率は40%まで来ちょりますちや。今回の合宿やクラウドファンディングを通してやはり、自分のやるべきこと、やる。このシンプルで一番大事な事を改めて思いゆうがです。竹に教わったように、まっすぐぜよ。


今日は地元RKCラジオさんで1時間の番組に出して頂けるのです。好きな曲をひとつかけてもらえますきに、選曲したのは、やっぱり虎竹の里のテーマソング「まっすぐ」。この唄は竹虎の工場で社員一同が協力してくれて録音した曲でもあります。竹が地下茎で根をはり、みんなが手と手を握り合うように繋がり、助け合いゆうように大きな壁のような目標を前にして、自分は一人ではないと勇気を奮い起こさせよります。


まっすぐ~虎竹の里~ 竹虎創業120周年記念ソング

飯塚琅玕斎「黄威(きおどし)」

飯塚琅玕斎作品展


飯塚琅玕斎さんの作品が亡くなられて60年近くにもなるのに、今尚、竹芸界で光り輝き続けちゅうのは、どうしてですろうか?当時の竹工芸では古代色拭漆が一般的やったのを、晒竹素地の白錆籃(しらさびかご)という技法に変えたとか。竹刺編、束ね編、氷裂編、ひらき竹編などの編み方も考案されたと言います。けんど、その根底にあるのは作家の誰にも真似のできない感性であり、竹への愛情であると思うのです。


自分が初めて琅かん斎さんの作品に触れた時、竹芸家の技そのものに魅せられたのは当然なのですが、竹そのものにも魅せられる感動をおぼえたのです。日本人と竹編みの歴史は縄文時代にまで遡りますので、実は、ありとあらゆる編み方や技法は、既に試され先人がやり尽くした感があるがです。それなのに今まで見た事も感じた事もない新しさに驚いたのは、まさに竹の使い方、発想そのものにあったがです。


古い竹籠がひとつ飾られちょりました。随分前に名もない竹職人が編んだ、その竹籠の角のあしらいに、細く枝わかれした面白味のある自然竹をそのまま使われています。もしかしたら、たまたま近くにあった竹なのだろうか?生活の籠なので機能的な事が第一に要求されるはずの道具に、しかも、強度を保つ大事な角の部分に、ちょっとした遊び心の竹。本当に取るに足らないような、ささやかな事に見えるかも知れませんが、そうやって竹を使える深い造詣、親しさ、愛情、感性、ゆとり、琅玕斎さんの竹を拝見した時に思い出したのは、その竹籠やったのです。


この方は、きっと竹が好きでたまらんかったのだと思います。自分は田舎の竹屋で難しいことは分かりませんけんど、ただ、100年の竹の血が教えてくれゆう。誰よりも好きやったから、誰も真似のできない作品になっちゃある。


今回の展示は20点あり、そのうち6点は琅玕斎さんが61歳の時の創作。作家として円熟味を増して技の集大成のような風格を備えていますぞね。作品に対して、それぞれ汲み取れる意図や解釈もあるのでしょうが、自分がこれらの竹編みに向き合うて思うことは、同じ志を持ちたい、ただそれだけ。この方が命をかけたように、生きられたら素晴らしい。


1951年の作品の中に「黄威(きおどし)」という圧巻の作品があります。黄色い紐をつかった鎧の意味だそうですけんど、完成された技の上に、緻密さと大胆さと、引きこまれれます。孟宗竹の節のラインがしびれる、しびれる、こんな発想がどうして出来るのか?いくら聞いても答えてくれません。「魚の舞」、「むすび」、「〆(しめ)」、「萬年」、「蝉しぐれ」、同じ年に創作された作品が展示されちゅうだけでも、こんなにあるぜよ。わずか一年の間に、それぞれ、これほどの凄みのある竹を、次々に生みだされる中心は一体何やったがですろうか?誰ひとりいない静かな会場に蝉が鳴いちょりました。


飯塚琅玕斎生誕125周年記念の花籃展

竹虎四代目(山岸義浩),作務衣,さむえ,SAMUE,竹虎四代目


幸いな事に、小さい頃から様々な竹に囲まれて育ったのです。何が自分にとって素晴らしかったかと言うと、今、持っている竹製品が何からできているのか?その素材は、すぐそこの竹林にあった事。山林に遊ぶとき、弓矢を作ろうと手にした刃物で伐った竹が、そんな単純なものだけでなく、信じられないような精巧な形にも姿をかえる事を、店頭にならぶ6000点もの竹細工から知ることができた事。竹林でサラサラと風に揺れる竹と過ごす時間は心地良いものですけんど、それが山から運ばれ、選別され、製竹され、竹細工と変わる。虎竹の里では当たり前に思っていた事は、実は全く普通の事ではなかったと、後になって知るがです。


竹材商だった祖父が、全国の竹製品をあつめた展示場を作った理由は、地元で竹に携わる職人や、虎竹を守り続けてきた地域の方に、竹が様々な形に変わって多くの人の生活に役だったり楽しませたりしている事を、実際の竹細工を通して知ってもらいたかったからと聞きましたけんど、実は、その恩恵を一番受けたのは自分ではなかったか?今になって、そう思うようになっちょります。知らず知らずのうちに沢山の竹と触れ合うことが出来て、竹には色々な顔があることを知るのです。面白いものだなあ、最初は正直全く関心がなかったものの、見ているうちに、魅入られてしもうたのかも知れません。


先日、飯塚琅玕斎生誕125年記念の花籃展が、新潟市の敦井美術館という所で開催されちゅうのを知りました。この方は日本の竹工芸を美術工芸にまで高めた方として、こじゃんと有名です。自分は田舎者ですきに美術かどうかなどは分かりませんけんど、飯塚琅玕斎さんが竹を愛されちょったという事が大好きなのです。そういえば竹虎は、今年で創業121年を迎えさせていただきました。思えばこの偉大な作家と同じ頃に誕生しちょりますにゃあ。頂いたチケットを手に会社を出た時から、心は一足先に新潟に行っちょります。


竹林のカラスとは!?

京都の竹林


先日より、京都の図面竹のお話しを何度かさせていただきましたぜよ。梅雨明けの7月から8月上旬にかけて、お天気を睨みながら竹に薬剤を塗布していく作業は、雨が降ると薬剤が流れてしまうため、まっこと(本当に)その年の天候まかせやったです。また、お盆過ぎになると京都の盆地特有の暑さのため、竹の薬剤塗布部分には汗をかくと言うきに凄いものですちや。


けんど、薬剤塗布の作業が終わったら一段落ぞね。後は、11月まで放置しておくだけやそうなのです。できれば初霜が降りて竹が固まってから伐採するとエイとの事ですが、近年の温暖化では、なかなかその時期に霜は期待薄かも知れませんにゃあ。それにしても、虎竹も霜が降りると虎模様が付くと言われていますので、竹と霜との関係も容易成らざるものがあるようです。


さて、そんな竹林の中で一風変わった一角が所々にあることを、前のお話しの中でさせて頂いた事があったかと思うのです。先端を切り飛ばした上に、枝を全て打ち落とし、裸になったような竹の稈だけが、まるで棒のように突っ立ているがぜよ。


胡麻竹


これは一体何かと言うたら胡麻竹を作っていたのでした。竹林で自然に立ち枯れした竹にアピオスポレルラ・バンブサエ菌という、何度聞いても覚えられない名前の細菌が作用して、自然に胡麻状のツブツブができる場合もあるのですが、京都のこの竹林では人工的に、胡麻竹を銘竹として生産しているのです。


明らかに他とは違う胡麻竹を作っている一角に歩いて行っていると、何やら普通の孟宗竹とも違うし、胡麻竹とも違うような、少し黒っぽくなった竹がありますぞね。不思議に思っていたら職人さんが教えてくれます。


「これはカラスや」


カラス竹


えっ?竹にカラスいう種類があるのかと思いよりましたら、何でも胡麻竹を作っている中で意図せず黒っぽくなる竹があるそうで、このままでは胡麻竹としては売る事は出来ません。そこで、カラス竹という名前をつけたとの事やったのです。自分の学生の頃には前進真っ黒な服装をした人達が、カラス族と呼ばれたりしちょりましたが、黒い竹に、上手な名前を付けられたものですぞね。


ほとんどの竹が胡麻竹に成っていく中で、熟練の竹職人さんでさえ思い通りにできないカラス竹とは、希少価値もあって値打ちがあるがではないろうかと思うがぜよ。黒竹という、黒い竹はありますが、細く背丈も低い竹なのです。孟宗竹のような立派な太さのあって黒く色をした竹など、自分達でも、あまり見る機会はありません。これが一体どんな色艶の竹になっていくのか?落ち着いた渋い感じで自分は好きな感じなのです。


復刻、竹の洗濯籠

 
白竹ランドリーバスケット


昔は普通に、当たり前のように竹が使われていて、今は別のものに変わってしまった、そんな竹細工は沢山あるがです。懐かしさもあるし、機能面もありますが、それよりも生活にうるおいや豊かさを感じさせてくれるので、竹で復活させてたいなあと思う事が度々ですちや。


ところが、手作りのものというのは、まっこと大変ながぜよ。いったん作られなくなったものは、本当に作れなくなってしもうちゅう。加工機械があるワケでもなし、刃物ひとつで作られる竹細工なので、もしかしたら簡単かと思われる方もおりますろうか?いやいや実は全く反対で、考えてもらったら分かるように、すべて職人の手で生み出さねばならないので、その技が失われたら、何ひとつ再現する事はできなくなるのです。


虎竹ランドリーバスケット


白竹ランドリーバスケットとして販売させていただく籠は、もともと昔から洗濯籠として広く愛用されていたもの。上げ底になっていて通気性を考えた素晴らしい暮らしの中の籠。なんとか復刻できて、ひとつの形になっちゅう良い例ですちや。


この竹籠には白竹だけでなく虎竹のものもあるがです。もちろん昔の磨きの竹ヒゴで編まれた熟練職人さんのようにはいきません。手元に大事に置いて毎日のように眺めている伝統の籠には、それ特有の雰囲気と気品のようなものを感じますけんど、復刻した洗濯籠には、どこかモダンな現代風のスマートさがありますし、何より消えていた灯火をこうして、ひとつでも灯し直すことが出来た時には、まっこと嬉しい気持ちで一杯になるがぜよ。


福島千里さんからの、お礼状

福島千里さんからの、お礼状


福島千里さんというたら日本女子短距離レースの選手として、こじゃんと活躍されている方ですぞね。名前を聞いただけではピンとこられない方でも、あの腹筋がビシッと入った精悍な身体付きと、カモシカのような走りをされる映像は一度はご覧になられた事はありますろう。女子100メートル、200メートルの日本記録保持者でもありますし、これから、ますますの活躍を期待されちゅうアスリートでもあります。


そんな凄い方から突然のお礼状をいただいて、まっこと、ビックリするらや、慌てるやら混乱しちょりましたが、何でも青竹踏みをお使いいただいてるようなのです。北海道のお生まれで現在も恵庭市にある北海道ハイテクACというところで、トレーニングをされているようです。北海道には竹が少なくて、北海道のデパート催事では、竹が本当に人気で、とても嬉しかったことを思い出しますけんど、身近にない竹だからこそ、その良さを敏感に感じていただけるがですろうか?


とにかく、まさに足を大事にされるトップランナーの陸上選手の方も、青竹踏みをご利用という事で、やはり日本古来の青竹踏みの効能を改めて思いゆうがです。単純に竹を半割しただけの簡単な構造でもあり、また、お手軽な値段でもありますので、つい見過ごされやすいのかも知れませんが、その実、昔から日本で愛用され続けてきた実績は伊達ではないがぜよ。使い出したら、その良さを実感して手放せなくなります。こんな身近な竹製品から竹を見直してもらいたいがですぞね。