竹職人のダブル-X

十字割棒


「ダブル-X」などと言えば何やら格好がエイですが別に竹職人さんの工房になら普通にある十字割棒ぞね。本当は「+」ですけんど斜めになって「X」になっちゃあるがぜよ(笑)


そう言えば随分と前にもお話させていただいた事があったかと思いますが、この十文字とも呼ばれて使われている十字型の木製の道具ですが一体に何に使うかというと竹割りの工程で使うのです。


竹割


真竹や淡竹など普通の竹は小さい十文字で、孟宗竹など太く厚みのある竹を割る時には大きな十文字を使うのです。竹細工では「竹ヒゴ8割、編み2割」と言われ、名人ほどヒゴ取りが早く、上手で、この工程を見れば腕前が分かるがです。熟練の職人になれば、指先の感覚は下手な物差しよりも余程正確ですので触っただけで厚み幅の違いを見分けられちょります。


竹編み(Bamboo craftsman)


これは竹細工だけには限らず、どんな仕事にでも当てはまる事かも知れません。例えばレストラン、竹ヒゴという素材が良くなかったら、また下ごしらえが上手くいかなかったとしたら、いくら職人(料理人)の腕があったとしても最高の一皿にはなりませんろう。華麗に宙を舞う竹編みの技は、実は工房の隅の方に地味に置かれている十文字から始まる...。


竹籠


そして、しっかりした編み込みは美しさであり、使いやすさであり、丈夫さになるのです。そう思うたら「ダブル-X」くらいの洒落た呼び名を付けてあげても良いように思えてきますぜよ(笑)。


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