造り酒屋さんに行く米揚げ笊

米揚げざる


昔は台所でお米を洗うのは全て竹ざるの役目やったのです。米研ぎざると呼ばれる米粒が落ちないほどの細やかな編み込み、そして、お米にも洗う素手にも優しい手触りでないといけませんので丁寧に取られた竹ヒゴで編まれた籠でした。炊飯の度に使う竹ざるでしたので、腕のよい熟練職人さんのものがお母様方から絶大な人気を誇った籠でもありました。


米研ぎざるとは別に少し大きめで、精米したお米を一端入れておいて熱を冷ますのに使われたり、酒屋さんで蒸したお米を運ぶのに使われてきた米揚げざるという竹籠もありますぞね。


飯籠


炊きあがったご飯を入れる飯籠という竹籠も、かってはどこのご家庭でも使われていたものです。大家族から核家族へと人数が少なくなるにつれ、飯籠のサイズも小さくなって現在では竹虎で販売させてもらっている飯籠も直径約25.5センチ程度のものですが、この籠と比べても先の米揚げざるの大きさが良くお分かりいただけるかと思うのです。


米あげざる


日本中、どこの里山に行っても身近に見ることのできる孟宗竹(もうそうだけ)は、竹籠にあまり使われなくなっちょりますが、昔ながらの伝統的な竹細工には身近で太く丈夫な孟宗竹が大活躍ぜよ。籠の芯の部分になる幅広の竹には孟宗竹が使われ、細い竹ヒゴ部分には細く割りやすい淡竹(はちく)で編まれた、まっこと合理的でもある竹籠なのです。


これだけ大きく、強く、美しい竹籠を編むことのできる職人さんは年々少なくなるばかりですけんど、匠と呼ばれる方は籠を小さくしても、大きくしても、同じように綺麗に編み上げる事ができますぞね。遠く北の造り酒屋さんで、これから使われる事になる米揚げ笊ですが、これらな日本全国どこに行っても堂々と胸が張れますろう。


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