二度目の光岡自動車さん

光岡自動車で修理される日本唯一の虎竹自動車


電気系統の故障で引き取られていった日本唯一の虎竹自動車。そもそもこの本体となったLike-T3は、まだまだ生産台数が少なく契約している整備工場さんも、ほとんど無いのです。そこで今回の修理も高知から遠く富山県の光岡自動車さんまでトラックで運ばれて行きましたぞね。まっこと、往復の運送費用だけでも目玉が飛び出るような金額...。


自分達が全く手を触れていない部分の不具合やったので何とか、この辺りはできないろうか?と思うちゅうところながですけんど、お金もかかる、時間もかかる、改めて竹虎がしていることが誰でもやっている事ではなく、かなり特別なチャレンジなのだと思いゆうのです。


光岡自動車


まあ、けんど、遠くまで運ばれていった虎竹自動車が一体どんな風になっちゅうろうか?どうしても気になりますので、とうとう今日は二度目の光岡自動車さん訪問となったがです。東京から北陸は新幹線が開通して本当に便利になったと思うのですが、やはり高知からだと飛行機で伊丹空港まで飛んで、それから新大阪までバスで移動、サンダーバードで金沢と北陸はやはり距離がありますぞね。ただ、金沢からは新幹線がありますので20数分で富山に到着、これは驚くほど早いのです。


富山駅からタクシーで辿りついた光岡自動車さんの広い構内では新車の展示もされちょります。前にお伺いさせてもらった時には工場内で創られる様々な車を見学させてもらいましたけんど、やっぱりこちらには魅力的な車が揃うちゅうぜよ。


光岡自動車でLike-T3と並んだ日本唯一の虎竹自動車


敷地内のLike-T3の整備工場に近づいていくと数日見ていないだけなのに、やけに懐かしく新鮮な姿の虎竹自動車が見えましたぞね!見え方が違うのは精神的なものかにゃあと思いよりましたが、いやいや違いました。この日本唯一の虎竹自動車は、竹虎ではいつも工場内に置かれちょります。昨年、竹虎に納車された日は雨でした、そしてそれ以来、外に一歩も出たことがありませんので太陽の光を浴びた屋外での勇姿を見るのは実は初めてやったがです。


Like-T3と並んだ日本唯一の虎竹自動車


前から見ても別段どうという所もなくホッと安心しちょりますぞね。隣に見える白い車体が製造途中Like-T3、こうして見たら同じ車には見えないですにゃあ。けんど、車体の長さ、幅、高さ、それからテールランプの高さ、位置、反射板、前に戻ってきてヘッドライト、サイドミラーなど決められたサイズであり、特殊車両三輪車としての所定の位置を守っちょりますので、ちっくと変わった形ですが公道を走ることが認められているのです。


Like-T3


作りかけのLike-T3の脇には更にその前の形のフレームだけが置かれています。この電気自動車は開発されたばっかりなのですが、本当に少ない人数でコツコツと手作りで仕上げてきた愛情のこもった車であり、大きな自動車メーカーさんで大量に生産される車とは又違う形で、担当の方からしたら思い入れタップリな一台であると聞いちょります。


ですから、このようなフレームからエンジンを載せ、タイヤを付け、ボディを付けて実際に道を走れるような形に真心こめて創り上げた車を、今度は自分達が全く違う竹の車にしてしまった事に実は少し申し訳ないような気持ちも少しあったがです。


一人乗り自動車初号期


この整備場所の近くには、今の電気自動車を製造することになったキッカケを作った車が安置されちょりました。確かイタリアからの輸入か何かと言われていましたが、このような乗り物に夢をもって取り組み追い続けてきた結果が今のLike-T3なのだと思います。


光岡章夫社長、竹虎四代目、光岡自動車(Like-T3)


しかし担当の方は、すっかり変わってしまった車については何も言わず、虎竹の車を、こじゃんと(とても)褒めてくれるのです。ずっとモノ作りに関わり続けて来られた方やきですうろか、素材は違っても形にしていく大変さを身体にしみて良く分かっておられるように感じたがです。


光岡自動車さんが創りだした新しい時代の乗り物は、これからまだまだ広がっていかねばならないと思いますし自分達が虎竹の車を作ったことが、そんなお役に少しでも立つことができればこんな嬉しい事はありません。


今回は日本唯一の虎竹自動車が心配で思わず足が向いた北陸路でしたけんど、こうやって動いたら何かしらエイ事もあるがですぞね。なんと、日頃は富山の本社におらず国内外を飛びまわる光岡自動車の社長様に初めてお会いできたがぜよ!ずっと昔、社会人になって間もない頃やったろうか?光岡自動車の車を知って個性的で格好エイなあと思うてパンフレットを取り寄せた事もある、その会社の社長様が隣におると思うと、まっこと嬉しくなってきますちや。虎竹自動車が取り持つ縁かと思いますが、これから、こんな縁がもっともっと繋がっていくことを願うちょります。


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