JR四国安和駅と虎竹の里

JR四国安和駅


虎竹の里にあるJR四国安和駅は、同じく四国の愛媛県伊予市にある下灘駅と共に海のある絶景の駅として鉄道ファンだけでなく幅広い方に人気になっているようですぞね。週末になると駅前の広場には県外ナンバーの車が停車していることも珍しくなく、先日は遠く千葉から来られた若い方々がおられて少しお話しもさせていただきましたが安和駅は少し小高い位置にあって、そこからの須崎湾から土佐湾の雄大な眺めは素晴らしいのです。


小さい頃から見慣れた自分などでも、思わず写真を撮りたくなってスマホに手が伸びる事があるくらいですから、都会から来られた方達には本当に驚くような美しい海の景色ではないかと思います。小学校の頃には駅員さんが数名いた駅舎は、とうの昔になくなり今は無人駅としてホームには小さなベンチがあるだけですが、ここに座って頬張るオニギリは最高ぜよ。自分は勝手に「安和駅食堂」と呼んで昼食にはよく使っていました。元々、汽車の本数が少ないのですが急行は停車しません、昼の時間帯は1時間に一本くらい通っていましたでしょうか?とにかく、ひとりでベンチに座って静かに海の音を聞けるのも気に入っているところなのです。


JR四国安和駅を望む


国道56号線が出来るまでは、この駅を見下ろす車がすれ違いできないほどの細い曲がりくねった山道が須崎に行く唯一の生活道でした。虎竹の里の竹を満載した10tトラックで大阪に向かって運ぶ大事な道路であったのです。小学校の低学年の頃だったか、今の国道が開通し通行する車の量が一気に増えました。そして、今では高速道路が向こうに見える焼坂の山をトンネルで貫いています。藩政時代には安和駅から見える砂浜から虎竹は船で運ばれていたのですが、そう思えば虎竹の里も随分と交通の便がよくなったものですちや。


安和トンネル


須崎から国道を走ってくると安和トンネルがあります。分かりやすいように、このトンネルから焼坂のトンネルまでの間でしか虎竹が成育しないと皆様には説明させてもらっています。「トンネルを抜けると、そこは雪国...」みたいな有名な小説がありますが、トンネルを抜けた正面の山には虎竹の林があり、そこは虎竹の里なのです。


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