空から見る、竹トラッカー「チャレンジラン横浜」天下の険、箱根旧街道

上空から見る富士山


さて、東海道最後の難所中の難所は天下の険とも言われる箱根峠でした。これは何度かお話しさせていただいた事があったのですが、実は箱根を甘く見ていたのが失敗の原因でした。その朝の出発地点の三島から小田原までは約36キロ、竹トラッカーでも平地ならば1時間の距離しかありません。


いくら急な勾配といえども自分もこのチャレンジラン横浜にむけて虎竹の里近くの七子峠で訓練していました。訓練と言えば大袈裟ですが曲がりくねった遍路道の難所と言われる287メートルの峠、竹トラッカーはここの曲がりくねった坂道を難なく登り下りできるだけの性能を持っていますので少し自信はあったのです。


箱根地図


ところが、上空から伊豆半島の付け根にある箱根峠を見ても、これは明らかに高い、そして険しいのが分かるのです。調べてみますと箱根の山は1438メートル、箱根峠も標高846メートルもあります。七子峠の3倍近い高さ!なるほど距離は航続可能範囲ながら、その高さは全く未知の領域であったわけです。


竹トラッカー


異常は箱根の山道に入ってすぐに分かりました。とにかく電池の減り方が激しいのです。竹トラッカーのボディ部分は光岡自動車のLike-T3という電気自動車ですが、電池目盛りが一目盛り減るごとに告知音が数回なります。この音がさっき鳴ったばかりなのに、又鳴った...又、鳴った...。


見る見る減っていく電池、辺りには人家はなく電源など皆無です。横浜まで1000キロ目指して来て、最後の難関でストップしてしまうのかっ!?


竹トラッカーテレビ放映


顔面蒼白になった所で助けてくれたのはレストランを経営されているご主人さんでした。道ばたで困って居る竹トラッカーをしげしげと眺めながら「あっ、これテレビで観たやつだ」と止まってくれたのです。実は浜松で静岡のテレビ局さんに取材していただき放映してもらったニュースをご覧になられていたようでした。


フジミヤさん


急いで後を追いかけていき、成り行きをお話しさせていただくと遠く高知から走って来た事も知ってくださっていて快くコンセントを貸してもらう事ができました。


栗原、戸松さん


しかし、何より三島在住の友人お二人に竹トラッカーの前後を走行いただいてましたので助かりました。ナビでは距離が出ているので、おおよその事は分かるものの、あれだけ電池の消耗が激しいと先に進む事はできず、かと言って戻ることは更にできず立ち往生していたことは間違いありません。


箱根


それにてしも、箱根は凄いです。登った時も凄いと思いましたが、下りも凄かったです。急勾配と急カーブの連続で竹トラッカーは危なくて人の歩くくらいの速度しか出せません。


ずっとエンジンブレーキをかけての走行だったので何と坂を下りきってみたら峠の時よりも電気メーターが上がっています。Like-T3は、エンジンブレーキ時に発電しながら走るのですが、減っているはずの蓄電が反対に増えてるのを見ても、どれくらい急な道だったかというのが良く分かります。


箱根の竹トラッカー


あの山道を実際走ってみたいとずっと思っていました。もう2週間足らずで正月恒例の箱根駅伝が始まりますが、あの学生さんたちが駆け抜ける同じ道を走りたかったのです。予想を遙かに上回る迫力の坂道、今年からは箱根駅伝を観る目が全く違います。


本当に箱根は天下の険なのでした。


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