竹虎四代目の健康法、愛用の青竹踏み

竹虎四代目の青竹踏み


竹虎四代目愛用の青竹踏みは市販されていません。なぜなら、販売できないB級品を使っているからなのです。しかし、無理に仕方なく使いゆうワケではありませんぞね、わざわざコレが好きで愛用しています。もっと言うなら沢山の中から厳選してさえいるのです。


竹虎では、もう何年も前から竹虎社員のアイデアで通常の青竹踏みだけではなく、細身で竹のカーブが急な上級者用の強力青竹踏み「踏王(ふみお)」くんを皆様にご愛用いただいていますが、竹は生きています。特に踏王くんは、細さが肝心ですので孟宗竹ではなく真竹を素材として使うちゅうのです。孟宗竹に比べると真竹は身が薄く沢山竹林から伐り出して製造する中には乾燥具合等によって作った後で縮んだり、反対に広がってしまう物も出てきます。


竹って小学校の時の物差しに使われていたのに...?
狂いのない素材ではないのですか?


そんなご質問をいただきそうですが、それは竹の上下の長さのお話しですぞね。長さについては全く変化はありませんが、やはり反ったりしますし今回の青竹踏みのように半割に近い状態で使う場合には竹の個性によって変化が起こります。ところが、その縮んで細い青竹踏みが更に細く丸まった形のものが足裏のツボにピンポンイトの指圧効果があり、たまらなく気持ちがよいのです。


縮まってしまったものはB級品として販売される事はありません。しかし、実は一度この気持ち良さを知ってしまうと反対にこれで無くては物足りなくなってしまいます。


足は第二の心臓と言われるほど体中の血管が集中しているのですが東洋医学では内臓の異常が土踏まずの反射区という所に表れると考えられているそうですぞね。だから、身体の悪いところがあれば、その箇所を青竹踏みで刺激すると痛みを感じるとも言われます。


青竹踏みを使い慣れない方は、普通のものでは足裏が「イタタタタタっ!」と言うくらい痛がる方もおられますので、そういう方は普通のものから慣らしていただかねばなりません。慣らし方も最初は壁に手をついたり、椅子に座ったりされて徐々にお使いいただくようにしています。まあ、さすが竹に囲まれて昔から使い慣れている竹虎の強者の間ならではの秘かな究極の青竹踏みなのです。


ミラクルな筍、ミラクルな竹

筍、タケノコ


それにしても驚異的な筍のパワーには何度みても圧倒されるのです。このように手入れされた美しい孟宗竹の竹林は多少人の手が入り管理されてはいますが、それでも人は竹手助けをちょっとするだけで植えるワケでもなく、種をまくワケでもなく、それなのにこんなに大きく立派な筍がニョキニョキと生えてくるのです。


しかも、その成長スピードと言うたら1日に120センチも伸びた記録があるほどで、数日竹林を見なかったら、まっこと(本当に)景色が変わるほどです。竹にも個体差があって同じ竹種類でも太いもの、細目のものがありますが太い竹は筍の時から太く、見る見るうちに親竹と同じ高さまでなった後は大きさは変わりません。だから、太い竹だから生まれてから何年も経った竹という事もでもないし、細いから今年生えたばかりの竹でもないのです。


考えれば考えるほどにミラクルぜよ。かってイギリスBBC放送が虎竹の里にやってきて、虎竹模様をみてミラクルと連発されていましたが日本唯一の虎竹に限らず、元々竹はミラクルながぞね。


竹茶碗に筍ごはん


そんな筍は、旬の味として皆様の食卓に上がることもあるではないかと思います。大きく、美味な孟宗竹が初めて中国から渡って来たのは京都とも鹿児島とも言われていますが、いずれにせよ1700年代の事で300年足らずの間に日本国中に広がり愛されてきた竹なのです。


職人さんからいただいた筍を筍ご飯に炊きました。ほかほかの筍ご飯を盛る器は20数年来愛用している竹根のお茶碗。こうしてみると、竹は食品にもなり、器にもなり、色々な形に姿を変えて日本人の暮らしに溶け込み役立ってきました。筍もミラクルですが、竹に成長しても、やはりミラクルぞね。


官兵衛うどんの竹炭麺

官兵衛うどんの竹炭麺


炭を食べる猿、アフリカのザンジバルアカコロブスの話をしましたので本日は自分が竹炭を食させて頂いた話をしたいと思っているのです。場所は福岡県にある官兵衛うどんさん、この地に店を構えて40年になる饂飩一筋に歩んでこられた地域に愛される名店です。うどんと言えば、うどん県とも名付けられた香川がまず思い浮かびますが最近は福岡もうどんが盛り上がっているとの事、飲み歩いた最後のシメにはラーメンではなくて、うどんと聞いているのです。


さて、官兵衛うどんですが、なかなかユニークなお店でもあります。店主の人柄かと思いますが看板の「うどん」の文字が逆さまになっていて、どうしてですか?と聞くと「ひっくり返るくらい美味しいから!」と答えがかえってきます。麺を打つのは、職人歴10年のアメリカ人のロブさん、ひたむきに麺と向き合う姿が人気で看板スターになっていると言います。


竹炭うどん


そんな店で竹虎の竹炭パウダーを使った竹炭うどんを出されているのですが、くろだビックリうどんが最高のインパクトがあり真っ黒竹炭うどんにイカスミのつゆを使った、まさに見たこともないような驚愕のうどんです。


黒いスイーツを作りたいというパティシエの方が、竹炭パウダーは無味無臭なのが使い勝手がよいと言われていました。竹炭は、このように食品の着色という形で少しづつ広まってきましたが、先のアフリカの猿に教わるように、こちらの官兵衛うどんさんでも体内の不純物を排出してくれるという機能性に着目されています。


官兵衛うどんの竹炭麺とブロッコリー麺


この日は麺をしっかり拝見したくてザルうどんにしていただきました。竹炭入りの黒光りする麺と店主おすすめの緑色との二色麺ぜよ。緑色の麺は、この辺りで多く栽培されて特産でもあるブロッコリーを練り込んだブロッコリーうどん。


黒田官兵衛は軍師として全国に名を馳せた武将です。秀吉を天下人にしたのは官兵衛の力による所が大きかったのです、高松城の水攻めなども官兵衛ならでは最高の策略。その名を冠したうどん店、さすがに普通ではないのです。どちらもツルツルとのど越しが素晴らしく美味しく頂戴して、即軍門にくだりましたぜよ。


「魔法の食べもの」とは!?アフリカの猿に教わる万国共通の知恵

竹炭パウダー(微粉末)


テレビはあまり観ることはないのですが唯一楽しみにしているのがNHKの大河ドラマなのです。日曜日の夜8時からの放送なので自然とその前の時間の番組も観るようになりましたが、これが7時30分からの放映の「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」という世界中の動物にスポットを当てて詳しく紹介してくれる、なかなか面白い番組ぜよ。


先日の放映で登場したのがアフリカのタンザニア、ザンジバル島という東京都くらいの面積の島に住むザンジバルアカコロブスという猿でした。それにしてもテーマが「魔法の食べもので生きるサル」です、普段から楽しんで観ていますが今回は更に特別ですぞね、この猿が一体どんな食べ物を食べているのか?命を繋いでいるという事ですから確かに「魔法」かも知れません。しかし、そんな凄い食べ物かあるのだろうか?ご存じのように猿は人間と同じ霊長類です、もしかしたら自分達にも「魔法」となる食べものではないのか?本当に興味津々でした。そしたら番組の途中から「あれ?もしや」と思いだします。


ポーラス竹炭


確信したのは畑の横の焚き火でした、アフリカでも作物を育てる畑の土壌改良には炭が使われているのです。日本でもポーラス竹炭というのがあり竹林整備の切り札のひとつと思っていますが、土壌改良にはこのような柔らかい炭が適しちょります。もちろん竹虎で竹炭パウダーとして微粉末にしているものは専用窯で高温で焼き上げたもの、しかし、やはりでした!何とザンジバルアカコロブスたちは、その焚き火跡にやってきては口が真っ黒くなるくらい炭を食べていました。


この猿たちの主食は木の葉ですが、実は植物の葉には自己防衛のためにそれぞれ毒素があるそうです。50種類もの木の葉を食べているジャングル深くの猿は、そのような事がないそうですが木の種類が少なく同じ毒素がたまりやすい地域に暮らす猿は、その毒素を炭の吸着力を利用して体外に排出するために炭を食べているとの事なのです。


これには正直驚きましたぞね!毒消しのために昔の忍者が炭粉を携帯していたのは、よく知られた有名な話ですが同じように猿が炭の力を使っていたとは...!?しかも遠くアフリカのお猿たち...、炭の効能は万国共通という事ですろうか。




孝行竹

蓬莱竹ミニ磯籠


蓬莱竹(ホウライチク)を使った卓上使いしてもらいたい手の平サイズの可愛らしい小物籠ができましたぞね。節間が長く、しなやかな性質を活かして普通サイズと比べるとビックリするくらい小さい竹籠に編み上げられています。


自分はずっと目がよくて視力検査の時など一番下までハッキリ見えていたものが、最近では手元が見づらくなってきましたので眼鏡置きなどにしたいと思いよります。しかし、何に使うという事ではなく皆様のアイデア次第で色々な小物入れとして楽しんでもらえたらと思います。


松下村塾


ところで、蓬莱竹の事を高知の古老の職人たちは「シンニョウチク」と呼びますが、さらに別の呼び方があるのを、あの松下村塾で知ったがぜよ。ご存じのとおり幕末の志士に大きな影響を与えた吉田松陰の私塾の横には、松陰が竹を愛したという記録が「移竹記」に書かれているという事で蓬莱竹が植えられているのです。


孝行竹(蓬莱竹、シンニョウチク、沈竹)


しかし、どうして蓬莱竹なのだろうか?松下村塾のある萩の辺りですと昔から良質の真竹の産地で知られた所です。中国山地から日本海側の一帯は石灰岩が多く、アルカリ性の土壌で粘りのある竹に育つため、北海道の雪かき用のササラ電車に取り付けられるササラには丈夫な竹が必要ですが山口県産の竹が多用されているほどなのです。


孝行竹


「孝行竹」と書かれた看板の文字を読んで納得しましたぜよ。株立ちの蓬莱竹は親竹の周りに竹の子が生えて、まるで親竹を守っているようです。「親思う心に勝る親心今日のおとずれなんと聞くらん」と辞世の句をよんだ親思いの吉田松陰にちなんで植えられたのでした。


親不孝ばかりの自分は見習わねばなりませんが、熱帯産の竹が日本に渡って来てこうして名前まで付けられて親しまれ日本の生活に深く根ざしていく面白さを感じるのです。


5月はANAの空の旅に竹虎が登場!機内放映のテレビを観とうせよ。

ANA機内放映に竹虎が登場


いよいよ今週末からゴールデンウィークぜよ!待ちこがれている方もおられませんでしょうか?5月最初の月曜、火曜をお休みすれば最長9連休となりますので、日頃行きたくても行くことのできない遠出のチャンスかも知れませんぜよ。旅は良いものですが、さて、遠くに行くのに乗り物は何で行かれますか?


自分は大学の時には1ヶ月間北海道を行くのに自転車で周りました。さすがに社会人になってからは、そんな長期間の旅行などできるはずもありませんし又、あの頃のような体力勝負の旅はできないかと思いますが気ままに自家用車やバイクなどで走るのにも最高の季節です。のんびり列車の旅、あるいは船旅なども良いかもしれません。しかし、やはり限られた時間の中で遠くの土地に出かける旅行の場合は飛行機ですろう。


ANA機内テレビ


さて、飛行機に乗ったら皆様は何をされますか?窓側だったら外の景色をながめるのも良し、静かに読書や、音楽など聴かれるのも良いのですが来月5月の空旅で、もしANAの国内線に乗る機会がありしまたら是非、機内で放映されているビデオをご覧いただきたいのです!


実は何を隠そう5月の全日空機内放送は高知特集です!南国らしい素晴らしい景色と明るい太陽がバカンス気分を更に盛り上げてくれそうですが、そのビデオの中で竹虎が取り上げられちょりますぜよ!


竹トラッカー


先日には竹虎フェイスブックページで何と30万人の方に「いいね!」を頂いた竹トラッカーの走る勇姿?もご覧いただけますし、高知のシンガーソングライター江口美香さんに作詞作曲いただいた竹虎創業120周年記念のテーマソング「まっすぐ」もガンガンかかって、まっこと(本当に)テンションはマックス!空の上だけに元気が上昇気流に乗ったような気分になります。


竹虎全社会議


前回の全社会議では完成した機内放映の動画を社員一同にだけに共有させてもらいました。まだ内容については詳しくお話できませんが、高知に暮らす自分達でさえ知らなかった高知の横顔を改めて教えてもらえるような充実した内容に仕上がっています。


上り線、下り線で動画の内容は違うようですが、どちらにも竹虎が紹介いただけるようです。ANAの空の上でお会いできるのを楽しみにしちょりますぜよ!


「加齢臭!?」この一言で作ることにした竹炭敷きパッド

竹炭敷きパッド、竹虎四代目(山岸義浩)


竹炭枕をずっと愛用していますが、これがなかなかエイのです。元々寝付きも良く、気がついたら朝という体質ですがこの枕を使うようになって更に眠りが深くなったと感じちょります。


自分は睡眠時間がそれほど長くはないのですが、1日は24時間そのうちの3分の1近くを布団の中で過ごすとしたら枕選びは、まっこと(本当に)大事だと思います。そして、布団もおなじように毎日長い時間お世話になるものなので少しでも快適なものにしたいと常々考えてはいました。ところが、そんなある日自分とは全く無関係であると思っていた「加齢臭」なる言葉を家族から聞きます。


竹炭敷きパッド


これが竹炭敷きパッドを作るキッカケとなりました。竹炭の消臭能力の高さは実感しています、ただ竹炭選びがひとつのポイントとなっていました。


最高級竹炭粒


竹炭には800度以上の高温で焼かれた竹炭と400度程度の低温で焼かれた竹炭があります。高温の竹炭は管理が難しくより熟練した職人の技術が求められるので価格的には高くなりがちですが、値段だけでは竹炭の品質は決まりません。


どのような用途に使うかが実は一番大切なことながです。今回の場合には寝汗の臭いや加齢臭など消臭対策を考えていました。


竹炭敷きパッド


アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナールの四大悪臭と呼ばれていて、加齢臭の原因でもあります。最初の試作では高温で焼いた竹炭パウダーを使った樹脂綿を作って、関東の分析機関でテストしてもらったのです。


竹炭敷きパッド


しかし、その結果は自分が期待したようなものではありませんでした。高温で焼かれた竹炭は酸化物質と、より結合しやすくシックハウスの原因といわれるホルムアルデヒドなど有害物質の吸着が得意ですのででシックハウス対策には高温で焼かれた竹炭をお使いいただきます。


だから、ある程度の予想はしていましたが高温の竹炭で作った試作品は、やはりアンモニアの吸着が弱かったのです。そこで、今度は時間はかかりますものの低温の竹炭微粉末を一から作って樹脂綿も作り直す事にしました。そしたら何と3倍以上のガス濃度減少率で、正直竹炭の温度帯でここまで違うのかと驚きました。


竹炭敷きパッド、愛犬


動物は自分の身体に良いモノを本能的に見分ける力があるといいます。自宅に持ち帰ると愛犬は、さっそく喜んで使ってくれているのです。


海のギャングを捕まえろっ!?

ウツボ漁の罠と竹製エギ


海のギャングと聞いたら色々と思い浮かべられるかと思います。鮫なんかも恐ろしいですが、それより最強なのはあの大きな鯨も襲うというシャチなどかも知れません。けんど、高知で海のギャングと言うとそれはウツボの事ながですぞね。


ご存じない方は少ないと思うているのですが、大蛇のような身体に鋭い牙がズラリと並んだ顔は凶暴そのもの。見た目も凄いですが、獲物を襲う時のスピード、パワーは大迫力です。


ところが、そんなウツボを高知ではタタキにして食べてしまいますので更に恐ろしいのは人間でしょうか?地元では「お客」と呼ばれる宴席などでも大皿いっぱいにウツボのタタキが盛られて大人気です。


竹製エギの付いたウツボ漁の罠


あのどう猛なウツボを一体どうやって捕獲しているかといいますと、漁師さんの使っている道具はこのような大きな筒状の罠です。さすがに鰻を捕るウケのように細くはありません、中でウツボが暴れてもビクともしないような硬質ゴムはサイズに切り揃えるだけで半日かかるほどの強さです。


おっと、しかし、それでもどうですろうか?筒の両サイドの入り口にウツボが一度入ったら二度と出ることはできないエギが取り付けられていますが、この部分だけは昔も今も竹製です。これだけ新素材はじめ色々なものが出回る時代でも竹の機能性を上回るモノがないという証。


海で、山で、田畑で、民家で、竹はずっと人に愛され、育まれて来ました。そう思うたら、このエギひとつ、何と味わい深いモノかと思うのです。


テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」放映後について

 
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」放映後、虎竹の里


先日、放映いただきましたテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」放映後についてという事ですが、実は高知では放映のない番組でした。地方では見られない局の番組がある事は当たり前の事なのですが都会の方の中には当然日本国中で同じ放映が見られていると思われちゅう方もいると思いますので一応言うておきます。同じ放映が同日同時間に始まるのはNHKだけではないですろうか。


まあ、それはさておき、高知でもケーブルテレビを引かれているご家庭ではリアルタイムでご覧いただきましたので色々お知らせいただいて流石に朝の情報番組は沢山の方がご覧になられている事を実感したのです。


「虎」を探してレポーターの方が虎竹の里に来られ、虎斑竹に出会うというストーリーでしたので虎の謎は解けましたが、どうしてこの竹にだけ虎模様が浮かびあがるのかは、やはり謎に包まれたままながです。


テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」虎竹


虎竹の製竹工程をご覧いただき虎竹の模様が高温のガスバーナーの窯で炙りだされる事を知ってもらいました。


テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」竹トラッカー


この虎竹で製作した電気自動車、竹トラッカーを二人乗りにしているのには、ちゃんと理由があるがぜよ。


テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」竹トラッカーの夢


つまり、こうやってお客様を横に乗せて走る事ができるのです。ただ、見たり、触ったりするだけでなく、虎竹に包まれて走る爽快感を味わって欲しいと思うたからこそ、こだわった二人乗りだったのです。


最後に「パリのなんじゃら通り...」と自分が話しています。これは今後の竹トラッカーの夢についてなのです。パリにはシャンゼリゼ通りという世界が憧れるような街があります、虎竹の里から横浜まで1000キロの道を走りましたが次のステージには海外での走行を視野に入れているがぜよ。


竹筬と日本唯一の虎斑竹

虎竹、Tiger Bamboo


日本竹筬技術保存研究会では良質の真竹確保のため数年かけて全国の竹林や産地を調査されているようです。虎竹など特別な竹ならいざ知らず、真竹であれば各地の山々にいくらでもありそうにも思われるかも知れませんがこうして探しても、これという素材に出会っていないと言われますので竹山の管理がいかに大切かという事を改めて感じるのです。


竹筬には竹繊維の緻密さが問われます。だから、ただ太く立派で伸びが良いという事ではなく直径が6センチ程度の真竹が良いと伝承されているとも聞きます。良い竹材を確保するためには、適度に伐採しながら荒れた竹林を手入れして健康的な竹が生えてくるようにしなければなりませんが細工に使える適材の竹は3年~4年生なので少なくとも5年間程度は竹の出荷ができないという事になります。


虎竹、Tiger Bamboo


そんな事を考えながら虎竹の里の山道を登っていきます。曲がりくねった未舗装ながら、頂上までトラックが通ることのできる道が続き、その途中には何本もの細い山道が竹林目指して毛細血管のように伸びています。


伐り子さんの高齢化で広い竹林は手入れできていない所も多くなりましたが、それでも100年間こうして竹虎が守ってきた虎竹の竹林の美しさは、世界一良質な竹資源のある国日本でも貴重な存在であることを改めて痛感します。ここに来ると、いつも感じる温もりがあり、安らぎがあります。自分が一番自分らしくいられる場所という事かも知れません。


竹筬(たけおさ)の課題

竹筬(たけおさ)製造


竹筬は大正10年頃(1921年)に金属製の筬である金筬羽が使われるようになると、朝鮮動乱(1950年~1953年)あたりまでがピークでそのあと徐々に需要が少なっていき竹筬を製造する会社も高齢化等が進み平成13年(2001年)に廃業されています。


日本竹筬技術保存研究会、竹虎四代目


この製造できなくなってしまった竹筬を復活させようと活動されているグルーブが日本竹筬技術保存研究会です。竹筬は、軽く扱いやすく、竹のしなり弾力があり歪みや湿気に強く経糸にもやさしいという特徴があり、竹筬でないといけない織物があるそうなのです。


日本竹筬技術保存研究会


竹虎に竹の視察に来られていた皆様の他にも多くの賛同者がおられ、若い方も入りながら積極的に取り組まれ成果をあげられています。無くなりかけた伝統の道具がこうして多くの方の力によって復活しつつあるというのはあまり他には例がないことではないかと思います。


竹筬(たけおさ)竹材


竹筬製作においては、数年間の研究と努力によって技術的な面ではすでに及第点のような製品ができるようになっておられるようです。


筬羽作りには、竹編み、竹割り、荒引き、幅取り、二番引き、皮取り、上引き、羽揃え、羽切りと工程があり、続く仕上げと組上げにも傍(わき)仕上げ、焼き入れ、縁仕上げ、面取り、筬編み、仕上げと長い工程があります。このような手間のかかる工程を再現し昔と同じような製品を手がけられようとする関係者の皆様の熱意には頭が下がる思いなのです。しかし、やはり一番の問題は良質な真竹の確保という問題です。


竹筬(たけおさ)竹材


良い真竹材の育つ条件というのがあります。風当たりが少ない、陽当たりがよい、程度な水分量、弱酸性の粘土質などがあります。淡竹の仲間であり、特有の虎模様の付く虎竹の成育する虎竹の里とは少し違う部分もありますが成育条件が悪いと節間の伸びは悪く、節が高くなるなどします。竹が身近でなくなっている現代では、しっかり管理されて真竹の竹林などは皆無に等しく竹筬に適した材料確保が課題だと代表の方はお話しされていました。


竹筬(たけおさ)とは、一体何か?

竹筬(たけおさ)


竹は古来、日本人の衣食住に深く関わってきましたので色々な所に竹が使われています。本日お話させてもらいたい竹は「衣」に関わる道具のひとつで竹筬(たけおさ)と言うものです。恐らく「筬」を「おさ」と読めない方も多いかと思いますが、当然の事かも知れません。ほとんど知られていない道具であり、竹が使われていると言ってもあまりに専門的にすぎて竹材を扱う方や竹職人の方でもほとんどの方は読み方はおろか、何なのかさえ分らないのではないですろうか。


自分も最初は何なのか?と思っていましたが実は竹筬は機織りをする際に使う道具のひとつなのです。簡単に言えば薄く剥いだ竹ヒゴを40数センチ幅の木枠にはめた物なのですが、この木枠にズラリとならぶ竹ヒゴの数は多いもので1400本と言いますのでかなり密に並んでいる事がお分かりいただけるかと思います。機織りの際には経糸(たていと)と緯糸(よこいと)がありますが、筬に細い経糸を通すことにより織物の密度を一定にし、また幅が決められるという事で無くてはならない大事な道具なのです。


竹筬(たけおさ)製造


今でも、その地方ならではの織物というのが残っていたりしますが、かっては機織りでの生産は全国各地で盛んに行われていました。岐阜県穗積町祖父江地区(現在の瑞穂市)には、何とこの竹筬組合があり竹筬に使われる筬羽製造が行われていました。長良川がすぐ横を流れるこの辺りは、歴史の好きな方でしたら良くご存じの太閤秀吉の出世物語に必ず登場する、あの有名な墨俣一夜城の舞台となった場所が近くにあります。


実は、そんな事もあってそれまでも何度か訪れた事がある地域です。ちなみに、墨俣には当時の砦とは違い天守を備えた墨俣一夜城(歴史資料館)が建てられています。そこに秀吉の馬印である千成瓢箪が展示されていましたが、そこに虎竹が使われいて嬉しく思ったことがあるのです。


地元の方に聞くと、竹筬製造が盛んな頃には伐り出して運ばれてきた大量の竹材が、この長良川の土手に所狭しと並べられ乾燥させていたともお聞きしています。さて、そんな竹筬の歴史を、ちっくと(少し)紐解いていくと、日本の竹産業が直面している同じ問題が見えてきますぞね。


竹職人と時間職人、美しく機能的な感動の飯籠

飯籠


一目見ただけで、ただならぬ雰囲気の醸し出している竹籠がひとつ。これは飯籠として編まれたもので、この飴色に輝く色つやは別に誰かが染めたワケでも、塗ったワケでもありません。時間の経過と共に自然とこのような美しい彩りを放つようになってくるのです。


言うなれば「時間職人」の匠の技ぜよ。側に置いておくだけで心が落ちついてくるようで、こうなってくると、この竹籠は手放せませんにゃあ。


飯籠


底のあしらいの美しさ、縁巻きの丁寧さ、まっことかなりの腕前の職人さんのものと言うことが伝わります。竹の硬さ、竹の柔らかさ、竹とは、つくづく凄い素材です。


見た目の華麗さに心を奪われていましたが、この竹籠の本領はこれからなので本当に参ってしまいます。竹のツマミをもって上蓋を閉じる...「ザッ。」乾いた心地よい音。色合いが変わるほどの時間が経ったとしても、まるで計算されつくした精密機械のようにピタリと締まって微動だにしません。


この動画で自分の感動が伝わったらエイのですが。




続々・蓬莱竹(ホウライチク)の竹ざる

ミニ米研ぎ竹ざる


お仕事をされる皆様のデスク周りは、どんな感じですろうか?当然ではありますものの自分の机の上は竹の小物類がアレコレ一杯なのです。米研ぎザルを手のひらサイズにしたミニ笊などお気に入りの竹細工などもあって細々したものを収納するのに役立っています。


実はこのように竹編みをスケールダウンするのは腕の良い職人でないと出来ない高等な技なのです。日頃編んでいる籠を、手のひらサイズに小さくしたミニ飯籠などもありますが、これなど典型的な、その技を極めてこそ初めて到達できる遊び心の境地であろうかと思います。


磯籠


自分達が磯籠と呼ぶ四ツ目編みの竹籠があります。この籠にも小さい頃からの思い出がいっぱい詰まっています。日本唯一の虎竹の虎模様は、どうしてそのような色づきになるのか大学の研究者の方が何度か来られて調査された事もあって土質にいる特殊な細菌の作用というのが一番の大きな理由とされています。ところが、その色づきの原因はひとつではなく、様々な作用が重なって奇跡のような色合いが生まれているのです。


地元大学の先生は、そのひとつが潮風だと言いました。竹林が広がる虎竹の里は、実は山の中にあるワケではなく、すぐ前に太平洋が広がっています。虎竹の里の旧道は磯釣りの方も訪れる岩場が続き、大潮の頃には職人さんも磯遊びによく行かれていたのですが、カラスの口や、カメノテなど集めた貝をいっぱい詰めていただくのが決まったこの磯籠でした。


蓬莱竹(ホウライチク)、シンニョウチクの竹編み


なので自分などは貝と磯籠がひとつのセットのようにすら思うほどぜよ。そんな磯籠を身近に置けるように何とか出来ないだろうか?柔軟さが持ち味の蓬莱竹なら何か面白いものができそうです。只今、職人と考案中なのです。


明日放映予定、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」

山本雪乃アナ、竹虎四代目、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」


先月、レポーターとして山本雪乃アナが虎竹の里に取材に来られていたものの延期となっていましたテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」は、もしかしたらボツになってしまったのか!?などと憶測をよんで、こじゃんと(とても)残念に思っていましたが何と、いよいよ明日の朝、放映予定となったと連絡が入りましたぜよ!


実は高知県ではテレビ朝日は映りませんので、ご覧いただけない方も多いのではないかとも心配しちょりました。そもそも自宅でも観られないのだろうと諦めていたのですが、最近は何でも便利になっているものです。ケーブルテレビ経由で観ることができるとの事なのです。当社社員や内職さんのお宅なども結構、テレビを楽しみにご覧になられる方が多くてケーブルテレビも思ったよりも普及している感じで、ちっくと(少し)ホッとしちょります。


山本雪乃アナ、竹虎四代目、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」


朝は8時からの放映の番組ですが、竹虎が登場するのは9時過ぎのコーナーとの事。お母様方にとりましては、あわただしい朝の時間が終わってから後の少し落ちついた頃ではないかと思いますので、ゆっくりご覧いただけるかも知れません。撮影当日は天気に恵まれていました、美しい虎竹の里の景色のなか竹トラッカーが颯爽と走っていくのではないかと思います。


虎竹バック、ニューヨーカー


虎竹の製竹作業や、その虎竹で製作された竹細工等もかなり時間をさいて撮影いただいておりました。放映では一体どれくらい写るか分かりませんが何が写っても虎竹の里には、この竹しかありません。何も足せないし、何も引けない、ただ虎竹があるだけなのです。




続・蓬莱竹(ホウライチク)の竹ざる

蓬莱竹(ホウライチク)の竹ざる


昨日とは編み方が違って全て磨きの細い竹ヒゴで仕上げた蓬莱竹のざるぜよ。しかし、前回も同じことを言いましたけんど、こうして普通に見ていたら何とも思わない竹ざるが、実は日本で他に見ることのできないレアな竹細工であり、高知ならではの竹文化を表している一枚だと聞けば、ちっくと(少し)は見る目も変わってくるのではないでしょうか。


蓬莱竹(ホウライチク)の竹ざる


薄く表皮を剥いだ磨きの竹ヒゴで、しっかりと編まれた青々とした色合いが美しい竹ざる。高知ではシンニョウチクと呼ばれる南方系の竹ですが、真竹などと同じように時間の経過と供に飴色の渋い風合いが深まっていきます。


火縄銃の火縄に使われた竹と昨日もお話ししましたが、まず最初に竹が使われるとしたら日本では一番手に入りやすかった真竹であったろうと思いますが、真竹製の縄が硬くて使うことができなかったと言われます。色々と探した竹素材の中から最適だったのが蓬莱竹という事らしいので、この竹の柔軟性、しなやかな特性が伺い知れるのです。


蓬莱竹(ホウライチク)の竹弁当箱


四ツ目編みしてこのような箱形の竹細工にしても面白いのですが、今ちょうど自分が欲しいと思っているデスク周りで使える小さな籠など出来るのではと、結構ワクワクしちゅうのです。


蓬莱竹(ホウライチク)の竹ざる

竹虎四代目、蓬莱竹(ホウライチク)の竹ざる


何の変哲もない竹ざるのように見えますけんど、これが蓬莱竹(ホウライチク)で編まれたものとなると、どうですろうか?蓬莱竹は元々は熱帯系竹で火縄銃の火縄部分を作るのに日本に移植された竹と言われちょります。竹は、ご存じのように中が空洞になっていて水に浮きやすいのですが、この竹は熱帯特有の肉厚の性質を持ち水に沈むから沈竹(チンチク)とも呼ばれています。ただ、高知の竹職人はこのような名称を使わずシンニョウチクと言うてます。


蓬莱竹(ホウライチク)、シンニョウチク


地元では主に暖かい海沿い地域の河川などで多く見られる竹です。雨の多い土地柄であり河川の氾濫が頻繁にありましたので株立ちで、気候風土もあって比較的大きく育つこのシンニョウチクは護岸のためにも重宝されてきたのだと思います。


蓬莱竹(ホウライチク)、シンニョウチクの箕


そして、その身近に沢山ある竹素材という事で自然と竹細工にも利用される事になったのですが、全国でもこの竹が細工に使われていることはほんど皆無ぜよ。唯一この桜皮を使ったには昔から使われてきた竹材です。


蓬莱竹(ホウライチク)、シンニョウチク


真竹や孟宗竹を見慣れている方にしたら、かなり違和感のある竹だと思います。まるで、東南アジアかどこかに生えているかのような竹に見えます。まさか、これで昔ながらの日本の技が活かされる竹ざるや籠が編まれているなど誰が想像できるでしょうか。


蓬莱竹(ホウライチク)、シンニョウチクの竹笊


シンニョウチクは青々とした伐りたての時には非常に柔軟性に富み、とても使いやすい素材です。この性質を利用して少し面白い竹細工も考えているのですが、時間が経過してきて乾燥し色合いも肌色のように落ちついてくると今度は堅く締まった感じになってきます。


決して太い竹ではないのですが、何とも興味深い竹であり、貴重な竹細工であります。日本唯一の虎竹、そしてこのような竹を育む高知の偉大なる自然に感謝、まっこと(本当に)素晴らしいがぜよ。


虎竹の里、新しい四月

竹虎社員(山岸竹材店)


竹虎で長く働いていただきました社員の一人がこの春退職されました。色々と苦労をかけた一人であり、小さな田舎の竹屋である竹虎を支えてくれた一人であり、まっこと感謝の気持ちでいっぱいです。


同じ職場の仲間からお祝いの品々を手渡しされていましたが、竹虎の包装紙を使って包んでくれていたのがこれまた嬉しく思ったのです。


竹虎新社員


入れ替わるように今月より高校を卒業されてお越しいただく事になった若々しい社員がいます。先日の全社会議では全員が揃ったところで元気に挨拶をしてくれ、これからの社会人としての抱負を語ってくれたがぜよ。


虎竹林


は真っ直ぐに天を目指してスクスクと伸びていきます。そして暑い夏も、寒い冬も変わることなく青々とした葉をゆらし立ち続けます。時には強い風に吹かれたり、重い雪に耐えて頭をたれることもありますが、決して折れることなくしなやかです。


この強さは竹の節であり、地面の下でそれぞれの竹達としっかり手を握り合い、助け合う地下茎によるものです。竹虎に入社されたら周りは竹ばかり、見習うには事欠きませんので竹のように伸びてもらいたいと願うちょります。


国産竹皮草履の材料である竹皮をご存じですか?

国産竹皮草履


竹皮草履と一言でいいましても、もしかしたらハッキリと竹皮が竹の一体どこの部分なのか?分かっておられない方も少なからずおられるように感じることがあります。竹皮は正確には筍の皮とお話しする方が分かりやすいかもしれませんが、竹林で遊び場にしてきた田舎育ちの自分達からしたら、当たり前の事すぎて当然ご存じと思っている筍の成長のことなども、以外と知られていなかったりするのです。


孟宗竹、竹皮


竹の素晴らしさの一つには、その神秘的な成長力がありますぞね。木のように人が苗木を植えなくても毎年のように筍が生えてアッという間に大きくなり、わずか3年で製品利用が可能!こんな凄い自然素材は他にはありません。


孟宗竹という日本最大級の竹になると、その筍の立派さは圧巻です。地下茎が張り巡らされているとは言え、このような大きなものが地面からドンドン生えてくるとは、よくよく考えたらまっこと(本当に)不思議だとは思いませんろうか?


孟宗竹、竹皮


竹皮に包まれて伸びていく筍ですが、筍から竹になっていく過程で包まれていた竹皮はポロリポロリと剥がれ落ちていきます。一日に120センチも伸びることのある筍ですから数日たてば竹林の景色は全く違うものになっていたりします。


竹皮草履に使う竹皮はこの剥がれ落ちた竹皮だけを集めて乾燥させ、保管して使用しているのです。長く竹林にあると抗菌作用があって腐りにくい竹皮ではありますが、やはり傷みますので収穫の時期になると職人は毎日のように竹林に入り竹皮素材を集めるのです。


国産竹皮下駄


竹皮下駄の表に使われている竹皮編みも同じ筍の皮で製作します。下駄の場合には同じ長さ、幅、形の木型ですので、その形に合わせて手業だけで竹皮編みをせねばなりません。竹皮草履職人の中でも特に熟練した職人でなければ作るこのとできない一級品の技ながぜよ。


旧伊藤伝右衛門邸、柳原白蓮の間にて

旧伊藤伝右衛門邸、柳原白蓮の間、竹障子


伊藤伝右衛門という人物を実は知りませんでしたが、福岡県飯塚市では炭坑王として今でも非常に有名で旧宅は市の有形文化財となって一般に公開されているほどの歴史的な価値のある、贅を尽くした豪邸です。


2014年に放映されたNHK連続テレビ小説「花子とアン」に登場する炭坑王は、この伊藤伝右衛門をモデルにしていたとの事で、近年この方が見直されて休日ともなると大型バスにのった見学の方が沢山来場される観光地になっちょります。


さて、この大邸宅は平屋なのですが一カ所のみ柳原白蓮さんという伝右衛門の奥様になられた方専用のお部屋だけが二階に設えられています。白蓮さんは歌人であった方ですが大正天皇の従妹にあたる高貴な身分であり、輿入れの際に特別にこの居間が作られたそうです。


旧伊藤伝右衛門邸、柳原白蓮の間、竹障子


当時の伊藤家の繁栄をうかがい知ることができるような数寄屋作りの凝った室内には、当時は白蓮さん以外の人は誰一人として入室できなかったそうです。


丁寧に手入れされた広々とした庭を一望できる縁側、開放的にとったガラス窓からは明るい陽射しが差し込むようになっていますが障子ごしに朧気に写る竹節の影に目がとまりましたぞね。その日の天候により、時刻により様々な美しい見え方がしていた事ですろう。


干し筍、筍の塩漬け、筍ご飯

孟宗竹の筍


春は筍の季節でもあるがですぞね。孟宗竹は早掘りの筍が11月頃からあると言われますけんど、一般的には3月から4月にかけて出てきますので皆様のご家庭の食卓でも、すでに並んでいる事かと思います。


虎竹は淡竹(はちく)の仲間ですが、孟宗竹に比べると少し遅く4月から5月中頃までが筍のシーズンで、まだあまり目立って生えてはいません。もっとも、虎竹は大きくして虎模様の竹として価値のある竹ですので今まで筍は一度も食べた事はないのです。


干し大根、干し野菜、えびら籠


さて、そんな季節になると沢山いただく事もある筍ですが一年中食べたいという保存食として用途もあって、その一つが干し筍。これは、一度茹でた筍を薄くスライスして竹ざるで天日に干して作りますが比較的簡単ですので是非トライしてもらいたいですぞね。


最近は、あまり見かける事は少なくなりましたが、前に台湾に行った時に大きな丸竹笊で干し筍を作られていて懐かしく見た事がありました。竹ざるでも良いのですが、このような時こそ竹虎のエビラ籠など使うと便利なのです。


筍塩漬け


茹ででアク抜きした筍の塩漬けというのも教えて頂いた事がありますぜよ。まさしく塩をまぶして保存用の容器に漬け込んでいくだけでしたが、こうして長期間保存できる食料としても役だってきたからこそ孟宗竹は中国から渡ってきて全国各地に移植され広がり、北海道や東北の一部を除けば日本中どこでもみられる代表的な竹となったのです。


筍ごはん


この時の筍ご飯は美味しかったちや!孟宗竹のお茶碗にモリモリよそっていただいて、モチモチのご飯にコリコリ食感の筍をお腹いっぱい頂きましたぜよ。


雑誌「フローリスト」、「Premium」

雑誌「フローリスト」


最近取り上げて頂きました雑誌に誠文堂新光社発行の「フローリスト」という格好の良い花屋さんが沢山でてくる本があり
ました。花屋さんと言うのは花に囲まれた楽しいお仕事だと見ていて感じます、もちろん生ものですから
苦労は色々あるかと思うのですが毎日このような美しい中にいられるのは幸せぜよ。


雑誌「フローリスト」、飯籠


しかし、このような雑誌に竹虎の何が掲載されているのかと言いますと実は飯籠なのです。そもそも飯籠と花屋さんとが、どのように繋がるのか少し不思議にも思っていました、自分達では飯籠に花を飾るという意識が全くなかったからですぞね。


ところが、出来あがって来た写真を拝見するとこれが素晴らしく似合っています。竹の細かい編み込みまでもより綺麗に際立つようなのです。


雑誌「Premium」


マガジンハウス「プレミアム」という雑誌は、高級ではあるものの、ただ高価という事ではなくてしっかりした理由があり、こだわりが伝わる息の長い商品の数々が紹介されている本のように思いましたが、その中に嬉しいことに竹虎の商品も掲載されちゅうのです。


雑誌「Premium」虎竹耳かき


掲載されているのは名人作虎竹耳かきぜよ。竹のしなり、肌ざわり、繊細さ、耳かきの素材として竹ほどのものは見あたらないといつも思っています。そんな竹耳かきの中でも名人作の耳かきはかなり特別で太い持ち手、細く伸びる首、実は虎竹は淡竹(はちく)の仲間で真竹などに比べて身部分が薄いため素材も結構厳選せねばならないのです。


今回、隣に掲載されているのが同じ高知県にある望月製紙さんの高級トイレットペーパーうさぎ。1個500円と割高のようですが、ギフトなどにも需要が高い人気商品やそうです。このような逸品と同列に掲載いただけるとは、まっこと感謝ながです。


青竹踏みの竹節の割れや曲がりについて

青竹踏み


青竹踏みを健康のために活用される方が増えています。手軽で、簡単、どこでも出来るので毎日のちょっとした空き時間を使えるのが良いようです。いくら健康に良さそうな事でも面倒な事は長続きしないものですが、その点、青竹踏みが習慣化するのにはこのような利点があるからだと思っています。


古来ずっと生活の中に取り入れられてきた「健康器具」と言うには少し大袈裟かもしれませんが、様々な効果も近年言われるようになっていて、そのひとつに血圧を下げる効果なのです。ご存じのように足裏は第二の心臓とも言われるくらい細かい血管が集中してますので、そこを刺激することで血圧が下がる事もあるようです。


しかし、このような健康効果うんぬんの前に土踏まずへの刺激は本当に気持ちが良いですし、フミフミした後のスッキリ感!足の疲れ、むくみが取れる事には驚かれる方も多いのてす。国際線の機内で働かれていたキャビンアテンダントの方が休憩時間に青竹踏みを使った後にパンプスを履くと足のむくみが取れて、まるで他の人の靴のように感じたという経験談をいつも思いだします。


立ちづくめの仕事では足の疲れは大変です。そういえば今月のパリのPremiere Classeの展示会でも、10時間立ったままでしたので持参した携帯用青竹踏みに、どれだけ助けられたか知れません。だから、日本の皆様に一人でも多くの方に、この自分達の周りある竹の良さを知っていただきたいのです。


青竹踏みの曲がり


竹を身近に感じられ無い皆様にとっても、まず手にとりやすい竹製品ですろう。竹を半割にしただけのモノと思われがちですが、実は自然の竹をそのまま使う難しさもあります。少しでも無駄なく竹を使いきりたいという思い、お求めやすい価格にもしたい思いがありますので天然素材のならでのは多少の曲がりや竹表皮のキズやシミ等もあるのです。


そして、それが日本人がずっと愛してきた自然の竹であり、恵みぜよ。決して人工的に大量生産されるものでない温もりのある生活の道具なのです。


青竹踏み、節の割れ


すべての竹がプラスチック製品のように同じ形、色、風合いではありません。しかし、機能的には同じですし、強度や耐久性にも変わりはないのです。自然の竹そのままに使うという事は竹が生きています、乾燥やご使用の環境などによって半割した竹が縮まったり反対に広がったりすることもあり裏側の薄い竹節が割れてしまいます。


青竹踏み、節の処理加工


加工中に割れているモノについては、工場で竹節を全て削り取ることもありますが、お手元に届いた後ご使用中に割れてしまう事があります。しかし、そのような場合でも全く問題ありません、強度などは変わりませんので、どうぞ安心してお使いいただきたいと思います。


青竹踏み節割れ


小さな竹節ですが割れの入る時の音は「ピキッ」と心地良くもあるのですが耳に残りやすいためか、ご質問いただく事もあります。本体が割れているワケではないのですが、気になります場合にはトンカチやペンチなどでも結構です何か硬いもので軽く叩くと内側の竹節は薄いので簡単に取り除くこともできますぞね。


年期の入った二つ折れの虎竹財布

虎竹財布


この二つ折れの虎竹財布、現在は販売されていないタイプなので恐らく7~8年以上はご愛用いただいているのではないかと思います。修理のために竹虎に戻ってきたのですが長年ご愛用いただいて風格が増しちょりました。はじめて見た時には色々な竹製品を毎日触り、見慣れているはずの社員も驚いて声があがるほどだったのです。


虎竹財布修理


折れ曲がりの箇所は柔軟性があるように細い虎竹で製作されていますが、この竹が擦れて長年の使用で端の部分が剥がれかけていました。綺麗に修理できる事は一目見て分かりました、ただ使い込まれた虎竹の色合いというのは一朝一夕に出せるものではなく、その部分だけ竹を取り替えた時の違和感が少し心配しちょったのです。


虎竹財布


他の箇所の竹は出来るだけ交換したくはありません。車の鍵か何か分かりませんが硬いものが竹表皮に当たってキズになっています。そのキズも長年の使用の中で、まるで虎模様と同じような景色となり、ご本人様愛用の証のように虎竹財布に何ともいえない渋さを醸し出しているように感じます。


丈夫な竹表皮にキズが付くくらいなので、このお客様は恐らくお尻のポケットなどにキーホルダーと一緒に財布を入れて、お使いではないかと思われました。新しく交換した竹材もできるだけ色合いに不自然さのないものを選んで修理したお陰で、どうですろうか?さすが職人技、かなり自然な仕上がりになっていると思うのです。


自然竹の特性

孟宗竹の蛇口


先日とても面白い蛇口に出会うたがぜよ。古い竹寸胴に穴をくりぬいて水道の蛇口の飾りに使われちょりました。竹の表面には飾り彫りがほどこされていましたが、それより自分などが関心をひかれるのは、丸竹そのままで使われているのに全く割れもヒビも入っていない竹材そのものの性質です。


竹は丸く、中が空洞になっていて、節があるので簡単に考えれば色々な細工が可能でありそうです。ところが竹は素材そのままだと長持ちしないので余分な油分を取り除くための油抜き加工をせねばならないし、丸竹をそのままで使うと割れる事もあります。また、虫か喰うこともあり結構やっかいな素材なのです。


竹を初めて扱う方がデザインする製品は、そのような竹の難しい特性が考慮されておらず反対に変なリミッターがかからない分、斬新な物のあり楽しく興味を引かれます。ただ、それを流通させねばならない事を考えたら大きな問題でもあります。


今回の蛇口に使われた孟宗竹のように割れない竹は何年たっても、室内の乾燥が少しくらい強くても割れません。また、旬のよい時期に伐った竹でも虫が喰うし、反対に悪くても喰わない事もあります。竹の割れと虫害については、加工法や薬剤処理などの方法もありますが、自然そのままという事であれば、竹はとても人のコントロールできるものではないのです。