年期の入った二つ折れの虎竹財布

虎竹財布


この二つ折れの虎竹財布、現在は販売されていないタイプなので恐らく7~8年以上はご愛用いただいているのではないかと思います。修理のために竹虎に戻ってきたのですが長年ご愛用いただいて風格が増しちょりました。はじめて見た時には色々な竹製品を毎日触り、見慣れているはずの社員も驚いて声があがるほどだったのです。


虎竹財布修理


折れ曲がりの箇所は柔軟性があるように細い虎竹で製作されていますが、この竹が擦れて長年の使用で端の部分が剥がれかけていました。綺麗に修理できる事は一目見て分かりました、ただ使い込まれた虎竹の色合いというのは一朝一夕に出せるものではなく、その部分だけ竹を取り替えた時の違和感が少し心配しちょったのです。


虎竹財布


他の箇所の竹は出来るだけ交換したくはありません。車の鍵か何か分かりませんが硬いものが竹表皮に当たってキズになっています。そのキズも長年の使用の中で、まるで虎模様と同じような景色となり、ご本人様愛用の証のように虎竹財布に何ともいえない渋さを醸し出しているように感じます。


丈夫な竹表皮にキズが付くくらいなので、このお客様は恐らくお尻のポケットなどにキーホルダーと一緒に財布を入れて、お使いではないかと思われました。新しく交換した竹材もできるだけ色合いに不自然さのないものを選んで修理したお陰で、どうですろうか?さすが職人技、かなり自然な仕上がりになっていると思うのです。


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