名も知らぬ川の両岸に続く竹林

防災林のしての竹


着陸態勢になった飛行機は、どんどん高度を下げています、いよいよ空港に到着間近となりました。はじめての空港なので窓から見える美しい島々や沖をゆく船を眺めていましたが、ふと真下に目をやりますと一本の川が流れています。大きな川ではありませんし、日本中どこにでもありそうな静かな田園風景の中を通っている一筋の流れです。しかし、刮目すべき点がありましたぜよ。それは、川の両岸に沿ってずっと生い茂っている竹林です。


川岸に竹が生えいる光景を何気にご覧になられる事があるかと思います。自分も小さい頃には、竹は水が好きだから川の近くに生えている事が多いのだと勝手に考えていました。ずっと細長く伸びる竹林を自然に生えたものだと思っていたのです。


ところが、このように川岸に生えている竹林の多くは人の手によって、わざわざ植えて手入れされ守られてきた防災林なのです。天然の鉄筋コンクリートとも呼ばれる竹根が地面の下で縦横無尽に伸びて、それぞれの竹と繋がっている竹は強く、少々の事で流される事はないので昔から護岸用として重宝されてきました。


日本三大暴れ川のひとつ、四国を流れる吉野川等にも竹林が広がりますが、そのような大河でなく初めて見る名も知らぬような川でも、こうして竹が人々の命や財産を守ってきたのを見ると少し嬉しくなってくるのです。


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