竹弁当箱の温故知新について

虎竹ランチボックス


長角という長方形をした細長く使い勝手の良い虎竹ランチボックスが新しく登場したのは昨日のブログでも少しお話しさせてもらった通りです。通気性が良く、蒸れない弁当箱として根強い人気があって竹虎の若い社員の中にも愛用者がいるのです。


風呂敷に包んで持ち運ぶのは他のプラスチックのお弁当箱などと同じですが、結んだ包みをほどいた時の感激が違います。


スズ竹弁当箱


虎竹ランチボックスをハードタイプだとすると、スズ竹弁当箱はソフトタイプと言えます。手触りも優しく弾力がある網代編み、柔らかいと言えども竹の中でも最強と思えるようなしなやかな性質を持つ竹なので本当に丈夫です。ずっと昔から定番として愛されてきたのが納得できるのがこの弁当箱ぜよ。


渡辺竹清作煤竹パーティーバック


さて、ここで登場したのは網代編みの第一人者として活躍されてきた渡辺竹清先生の作品です。ニューヨークの有名宝石店の注文で創りはじめた籠はアメリカではパーティーバックとして販売されて大人気となっていた伝説の逸品ぞね。


このパーティーバックをデザインされたのも世界的に高名な方ですが、創作時にインスピレーションを受けたのは日本でずっと使われてきた竹弁当箱だそうです。その話を先生の工房で伺った後に、ふらりと入った古道具屋さんに同じような形をした昔の弁当箱が吊り下げられていてビックリした事があります。


スラリとしたモデルさんと一緒に写っているお洒落なパーティーバックを見ていると、まさかそのモチーフが暮らしの中で使ってきた弁当箱がヒントとなっているとは思いもよりません。普通ならそのまま見過ごしてしまうところかも知れませんが海外のデザイナーだからこそ日本の良さに気づくことができたのだと思います。まさに温故知新、最高に愉快な話ですが自分たちは元来、合理的で素晴らしく美しいモノに囲まれているのだと改めて感じるのです。


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