口をすぼめて使う箕について

山岸義浩(竹虎四代目)、箕


は元々農具として広く使われていた道具なので各地にある程度の職人がいたものです。さすがに近年では使う機会は少ないですし、編むことのできる職人が減っていますので別誂えのようなお問い合わせも少なくなっているのですが、それでもやはり竹の箕が使いやすい仕事があって、ボツボツとお話しをいただくのです。


土佐箕


注意せねばならないのが使い方がそれぞれ違いますのでご注文いただく方のお話しを良く聞かねばなりません。土佐箕は伝統的に両手で棕櫚部分をもってそのまま口をすぼめる事なく使いますので前面の縁には女竹まで入れて補強して堅牢な作りを誇ってきました。


土佐箕職人


ところが、今回はじめてお問い合わせいただいた別注箕は室内での使用との事で、畑や野外の作業場で使うような大きさでは使いづらいのでコンパクトにせねばなりません。そして最大の難点は前面部分の曲がり、箕の口をすぼめ使用されたい事なのです。


箕本来の使い方ではなく、いわば片口米ざるのような使い方です。しかも、それを片手で腰に当てて?実は竹細工は、このように使う人にあわせてオーダーメイドしてきた歴史があります。家中に沢山の竹笊や竹籠がありましたが、その家で使われてる笊の直径は、お隣の家とは違いました。同じ米研ぎざるでもそれぞれ体格が違うし、家族構成も違うのでお客様の要望を細かく聞いて編んでいくのです。肩幅に合わせた背負い籠など、まさに自分専用の籠として長く重宝したに違いありません。


しかし、この時代にその方の使い方に合わせた箕など、考えればかなり贅沢なお話しです。


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