第6回環境省グッドライフアワード受賞式にて

第6回環境省グッドライフアワード環境地域ブランディング賞、高橋俊宏、竹虎四代目(山岸義浩)


作っても作っても売れない自社製品に業を煮やして飛び込み営業をした。誰に言われたわけでもないが40名もいた職人やら、社員やらの口に出さないプレッシャーだったと思う。忙しいからと言って怒る職人など一人もいない、ただ自分の作ったものが毎日倉庫に積み上げられていくだけと言うのは誰にも耐えられないのだ。


道


慣れないネクタイを巻き時にはスーツで、時には竹虎のジャンパーを着て何とか販売出来ないかと担当の方に話をするが全く相手にされない。電話一本繋いでもらうだけに、こんなに苦労するのかとこの時初めて知った。空回りばかり、肩を落とした惨めな男が歩いた道。最近ではあまり来る事はなくなったが今でも車で通りかかると思い出す、もう30年近くも前の事になる。


第6回環境省グッドライフアワード


竹など一体誰に必要とれさているのか?


「こんな竹なんか...!こんな竹なんか...!」


何万回、何十万回、いや何百万回思ったことか。腹いせまぎれに蹴った竹が自分に倒れて来る、額から流れる血に我にかえって竹を抱いた。


第6回環境省グッドライフアワード環境地域ブランディング賞、高橋俊宏、竹虎四代目(山岸義浩)


虎竹は土佐藩政時代には年貢として献上されていた虎模様の浮かびあがる特産の竹であり、竹虎には創業124年という歴史がある。知らない方からしたら順風満帆に見えてるのかも知れない。


第6回環境省グッドライフアワード、竹虎四代目


日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」の活動を前々からご覧になっていただいている方も多い。しかし、竹虎が変わりはじめたのは数えきれないほどの多くの恩人の皆様のお陰である、そして自分達にしかない虎竹の本当の価値を知ってからだと思う。


今回の受賞式には、そんな地域資源を大切にされている方々が来られている。同じ四国から、全国各地から自分の全く知らない素晴らしい活動が続く。それぞれの明るい笑顔を拝見しながら虎竹の里の事を一日中ずっと考えていた。


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