シダ籠、二重編みの秘密

シダ編み籠


シダ編み籠と言うと温泉場の脱衣場で見かけるようなザックリ粗目に編まれた脱衣籠がほとんどです。自然素材でこれほど高い耐水性のある素材はそうありません、編組細工に使うとなるとシダ以上のものは見当たりませんのでお風呂場や台所など水回りでは昔から愛用されてきました。


しかし、この卵型のシダ籠の素晴らしさの秘密は持った時にズシリと感じる重量感に隠されていました。実は何と二重編みになっていて尖った素材の端部分が外側はもちろん、内側にもどこにも出てはません。


シダ編み手付き籠


シダは撥水性のある硬さと丈夫さを持つ反面、切断面は指に刺さるくらいですので編み込みの処理は非常に大事なのです。ねじった持ち手付のシダ編み籠など、恐らくご覧になられた事もない方が多いかと思いますが、そのあたりのシダヒゴの仕舞はしっかりされています。


シダ小籠


ワラビ籠とも呼ばれることのあるシダ細工は、素材集めによって編まれる籠の種類やサイズが決まってしまう難しい細工です。大きな籠が編みたくても、その日の山に太いシダがなければ、このような小振りな籠しか編むことができません。


シダ編み足付籠


昔はシダ籠がもっと一般的な製品でしたので染色された物も多く、このように足付のシダ籠も編まれていました。時代は令和へと進んでいますが、手仕事は昭和40年、50年辺りまでのものが今よりずっと多彩で先進的だったのです。


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