鰻は家庭料理だった

鰻うけ、竹虎四代目(山岸義浩)


鰻は最近では稚魚が捕れなくなって価格が上がり庶民の食べ物とは言い難くなっていますけれど自分の子供の頃は川にいくらでもいました。だから鰻屋が近くになかったせいもありますが店で食べるというよりも家庭料理として味わう物だった記憶があります。


早朝、空気の澄み切った川原の香りをご存知でしょうか?ちょうど今頃の季節、毎朝早起きして鰻ウケを上げにいくのは楽しくて仕方ありませんでした。ピッタリの画像がなかったので誤解のないように言っておきますと、竹虎四代目が背負っているのは山芋籠で、その中に入れているのが鰻を捕るための鰻ウケです。実際は山芋籠にウケを入れて持ち歩くワケではありません。




その鰻ウケはこのようにして編まれています、熟練の職人の手にかかればいとも簡単に出来あがってしまいます。しかし、実際にはこうは簡単には作れません。


鰻うけ


そこで竹編みでない鰻ウケも実はいろいろとありました。これは竹筒をそのまま使ったもので片方の切り口に鰻が一度入ると出られなくなる仕掛けが見えています。竹は表皮と内側の収縮率の違いでヒビ割れが入りますから竹表皮の皮を磨い(削って)ています。四国内では結構残っているのを見かける事のあるタイプなので当時は随分沢山のウケが使われていたと考えられます。


鰻捕りの道具


現役で販売されているモノでは、プラスチック製のものが恐らく環境意識の変化であまり人気がないためにこのような木製のウケが主流かも知れません。近くを流れる新荘川で同じような木製ウケを十数本浮かべながら歩く方を見かけます。こんな道具を身近に感じるほど豊かな自然に囲まれいるという事でしょう、幸せです。




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