続・白竹三段ピクニックバスケットの竹 

青空の下で白竹加工


かって冬の風物詩のひとつのように真竹の湯抜き加工をしていた。青々とした長尺物の真竹を、太くて長い湯抜き釜で煮立てるので早朝暗い内から火を焚き準備をする。この季節は連日好天が続くので、湯抜きの仕事には、気持ちが良い青空が付き物だった。


真竹の湯抜き作業


青々とした真竹を、このようにて熱湯の沸き上がる釜に束で入れていく。湯抜きの際には、油分を落しやすくするために苛性ソーダを入れるが、この濃度が湯抜釜によって違うので白竹の色合いが微妙に違っている。


苛性ソーダを入れて白竹湯抜き


職人によってはプラスチックと間違えても不思議でないような真っ白い晒竹にする事があるのだが個人的にはあまり好きではない。むしろ若干の色ムラやシミやキズなども竹の個性としても自然らしくて良いのではないかと思っている。


真竹・晒竹の湯抜き加工

 


晒竹加工


熱湯から出してウエスで竹表皮を拭いていくと、青竹から白竹に生まれ変わった気がしていた。湯気がたちのぼり、この時点では白竹と言うより黄色みがかった白竹の赤ちゃんのようなものである。この竹を、土場にズラリと並べて冬の太陽に当てて乾燥させる、天日で晒して製竹するので晒竹(さらしだけ)とも呼ばれのだ。


青竹土場


真竹の積み下ろしにはホークリフトやクレーンを使わねば間にあわないほど、大きなトラックで山のように運ばれて来ていた。まだまだ山の職人さんも健在で、竹も竹林も美しく元気だった。


白竹三段ピクニックバスケット、竹虎四代目(山岸義浩)


竹虎には自社の虎斑竹を使った手付きのピクニックバスケットやランチボックスなど角物細工もあるのだが、この白竹三段ピクニックバスケットを初めてとして、角物は白竹で製作されている物がほとんどだ。今日の30ブログでは、竹虎で数年前まで行われていた白竹の製竹作業の様子をご覧いただいたが、この籠には丁度の頃合いの白竹が使われている。美しい竹肌を見れば丁寧に伐採して山出しされたのが良く分かる、まさに山の職人の仕事だ。




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