竹磨き脱衣籠のある温泉宿

旅館で使われる磨き脱衣籠、洗濯籠


温泉旅館さんの更衣室で使われている竹編みの脱衣籠の画像が送られてきた。もう何年も前に製作させてもらったものだが、磨きの竹ヒゴらしい綺麗な色合いに変わった籠が大切に使われているのが良く分かる。数枚の画像にズラリと並ぶ竹籠たち、何度も何度も繰り返して見ずにいられない、これだけの揃うとさすがに壮観だ。


磨き脱衣籠三個組、洗濯籠


実は、この四ツ目編みの衣装籠は三個組で製造しており当時はそれなりに需要もあった。しかし、磨きは竹表皮を削る工程だけでも手間と時間がかかる、このような大型の籠だと意外に思われるほど長い竹ヒゴを使うので良質の竹材が必要だ。一つ、二つは出来るだけでは仕事にならないので現在では職人も引退してしまい竹虎での販売も止めている。


竹磨き脱衣籠、竹虎四代目(山岸義浩)


何度も言うけれど磨きの竹細工は、竹表皮を薄く剥いだ竹ヒゴで作る。だから編まれたばかりの籠のは青々とした美しさは格別だ。それが30組だとしても大中小のサイズ合わせれば90個もの量になって工場に積まれていると、そこだけが輝いて見えていたものだ。


竹磨き衣装籠、ランドリーバスケット


それでも今回、同じ籠のご注文を頂いて最初はお断りさせていただくつもりでいた。全てがギリギリでご要望通りには、到底できないと思われたのだ。


竹磨き衣装籠、ランドリーバスケット


ところが、そこにあの更衣室の竹籠の画像が届いて気持ちが変わった。あれだけの場所になら何とかしたい、何とかせねばならないだろう、考えれば知恵も沸く。来春あたりになれば改めて30年ブログでご報告させてもらいます。


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