真竹を磨いた四ツ目の衣装籠が美しい理由

真竹磨き衣装籠、竹虎四代目(山岸義浩)


竹を磨く言うのは、アールのついた専用の刃物を使って竹表皮を薄く剥いでいく事だ。青竹の素材そのまま使う竹細工の場合は、竹に元々の個性があって色合いが異なる上にキズやシミなどもあるので竹材を選別する場合がある。ところが竹表皮を剥いでいくと、均一感のある竹ヒゴが取れるから仕上がりの美しい籠を作る事ができるのだ。


真竹磨き衣装籠


しかし、竹を磨く工程は思うより手間がかかるから結構敬遠する職人もいる。今回のように少しまとまった数量の衣装籠となると尚更だ、このような大きさだと延々と真竹の磨きと格闘せねばならない。


真竹脱衣籠


ただ苦労して編まれただけの事はあって、磨きの竹細工の出来あがった時の瑞々しい青さは格別である。経年変色も早くて赤茶けた風合いを楽しむ事もできる。


真竹ランドリーボックス


ほんの数年前までは大中小と3個セットで製作していた。丸籠でも角籠でも昔は、お客様の使い道によって数種類のサイズ展開をするのは当たり前だったから3入個や4入個に重ねて店先に並んでいたものだ。


真竹磨き洗濯籠


需要の減少と共に、いつの間にか3個セットなど夢のようなお話しになってしまった。沢山の籠を積み上げて運ぶ事も、見る事もできないが、お求めいただく方がいる限りは灯は消したくたいと思っている。





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