茶碗籠のエルメス

真竹茶碗籠、竹虎四代目(山岸義浩)


本物の竹籠を暮らしの中にお届けしたい、そんな思いで真竹を伐って大事に保管しながら、今年は茶碗籠を多めに編む事にした。いつもお話しさせて頂くように、真竹は全国的にテング巣病が広がって、竹の品質があまりよろしくない。そこで、昨年末から少し足を伸ばしてみたら、まだまだ素性の良い竹はあるものだから、ついつい嬉しくなって出来あがりも予定を越えてましったかも知れない。


竹椀籠


こうして見ていても、この真竹茶碗籠は美しい。ブログをご購読の皆様の中には、もしかしたらこの籠をご愛用の方はおられないだろうか?全体の形、本体のゴザ目編み、機能的な底の竹皮を残した四ツ目編、通気性を確保する丈夫な足、若竹を丁寧に磨いて仕上げる口巻、これぞ、日本一の茶碗籠だと思う。


真竹伐採


しかし、このような竹籠を編む事ができるのも、良質の竹が成育する竹林があってこそ。生命力の強い竹は、少し手が入らなくなると途端に密林になり、竹林は竹藪になる。


国産竹籠


そう言えば、あの青竹細工の名人も最後の最後まで竹材にこだわっていた。他の作り手が言うように、竹林に入れなくなる時が、竹細工職人の引き際と考えられていた節がある。


真竹茶碗籠


さて、竹籠を使われた事のない皆様。竹がひとつあれば、いつものキッチンが見違える事を、まだご存知じない皆様。茶碗籠のエルメスで竹のある暮らしにご紹介したい気持ちです。





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