竹細工には沢山の種類の籠があり用途もあるけれど、その中でも花籠は人の暮らしに彩をそえ、豊かな気持ちにさせてくれる、まさに竹の真骨頂のひとつとも言える物ではないかと思う。今では死語となった、花嫁修業と呼ばれる時代の若い女性の皆様は、かならず数個の竹花籠を持っており活け花に取り組まれていたのではないだろうか。当時は、職人も驚くほど花籠は流通していて、それだけにサイズも形も竹の種類も本当に多かった。
竹虎の店頭に並んでいた花籠だけでも数百種類はあったのではと思う。そして、それぞれの籠に専門の職人がいて朝早くから夜遅くまで竹編みに勤しんでいたのだ。今回、ワークショップをする虎竹花籠・松田一輪も、そのネーミングの由来は職人さんの名前からである。
竹虎では、毎年夏に開催させて頂くインターンシップで必ず花籠作りの実習を入れるようにしている。自分達で実際に竹に触れ、竹の感触、しなりを体感し、難しさを知れば竹製品に対する見方も少しは変わってくるのではなないかと言う思いがある。
もちろん、最初から上手く編める方はいないけれど、花籠づくり体験を通して出来あがった籠は世界に一つの逸品だ。きっと長くお手元に置いてもらって暑い夏の記憶を留めてもらえると思う。
そんな、虎竹花籠づくりのワークショップを大阪の万博記念公園内お祭り広場(太陽の塔前)にて予定している。期間は来月11月3日(金) ~5日(日)までの3日間、日本工芸産地博覧会2023の竹虎ブース内だ。先着順で予約がいっぱいになり次第終了するので関心のある方は是非どうぞ!
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