続々・感動!山里の真竹湯抜き

竹湯抜き


真竹の湯抜きはまだまだ続いている。湯抜き釜から竹を取り出し終えたら、すぐに次の竹を熱湯の中に入れていく。何度かお話しさせて頂くように、竹の油抜きには今回のお湯を使う湿式と、自分たちの虎竹のようにガスバーナーの炎でする乾式とがある。


晒し竹


真竹の場合、熱湯でする油抜きが効率的でもあり一般的だが、竹材の油分を全体的に取りすぎてしまい割れやすくなるとも言われている。その点、火抜きは表皮部分に集中して熱が当たり、油分が膜を張って割れづらくなるとの説もあるが、どうだろうか?


真竹湯抜き


ただ、湯抜きの場合は竹を拭き上げるウエスに付着する竹の油分が、ガスバーナーなど乾式に比べて少ないので多くの油分は熱湯に溶け出しているのは間違いない。そして、湯抜きと火抜きでは、同じ油抜きには変わりないけれど経年変色に大きな違いがある。


竹湯抜き用ウエス


使い込まれたウエスも綺麗に折りたたんでカゴに入れられている。自分が小学校の頃には、竹虎でも湯抜き作業をかなり行っていたから、同じようなウエスを土場中に干していた。そしたら、それをトンビが一枚、また一枚と取って行く。実は何かと言えば、近くの山で子育てするために巣作りするための材料に使っていたらしい。高い木の上まで登って見て来た先輩が教えてくれた、懐かしい話だ(笑)。


竹用カンナ


さて、この竹職人のこだわりを、もう一つお伝えしたいと思う。それが、この小さなカンナだ。竹林に伐採に行く時には、これを携帯して行く。


竹節


そして、伐採した竹を束ねて運び出す時に「くびき」と言って、飛び出した竹節が隣の竹をキズ付けないように節を一つ一つ削っているのだ。


晒し竹


白竹


なるほど、山出しからそんな丁寧な仕事があっての、この美しい竹肌なのだ。


山出し機械


山出しと言えば、竹の種類によっては運搬機を使う事もある。新しくはないけれど、さすがに良く手入れされていて現役バリバリで動きそうだ。


竹伐採機械


ポールと滑車が付いているのは、重たい孟宗竹を引っ張り出すためのものだ。たとえば、広島などで盛んな牡蛎の養殖には、太い孟宗竹で組まれた筏が用いられている。このような用途なら竹材に少しのキズがあっても問題ない。昨年、駐車場の広いコンビニに孟宗竹を満載して停まっている大型トレーラーを見かけた。こうやって竹が運ばれていくのか...凄い本数に見惚れたものだが、そんな孟宗竹の事もいずれお話ししたい。





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