地震の時は「竹藪」に逃げろは間違い?

竹根、竹虎四代目(山岸義浩)


「地震の時には竹藪に逃げろ!」そう教わった事のある方はおられるだろうか?自分は小さい頃より、祖母や母、周りの大人から繰り返し聞かされてきた言葉で耳に焼き付いているから、大きくなって人と話したり、竹虎に見学に来られる方に質問したりして多くの方がご存知ない事に驚いた。そもそも、昔なら身近に竹があって(実は今でもあると思うのだが)竹根の堅牢さや、その根が縦横無尽に伸びていて竹同士が繋がり、まるで網を張っているかのような地下茎の事は経験的に知っていたと思う。


虎竹林


いつの頃からか?人と竹の距離は広がっていき、人は竹を忘れ、竹は竹林でとても寂しい思いをしているのだ。ところが、そんな事を言うと、いやいや最近の豪雨による土石流で竹林はとても崩れやすい、かえって危険だと話す人がいる。


竹根


確かに竹の地下茎は土中の深い部分にまで伸びている事はない。虎竹の里の山々でも、岩場が多く痩せた土地が多いけれど、地表のそれほど厚みのない土壌に竹根が走っている。普通の竹林でも、30~50センチ程度の浅さで、深くとも1メートルまでの所にしか地下茎は伸びていない。しかし、竹と竹がガッチリと手を握り合うかのように、あの強靭な竹根で繋がっているのは掘り返した事もあるから間違いない。強くて絶対に折れる事のない、しなやかな根が四方八方に広がっているのだから、竹林はまさに天然の鉄筋コンクリートだ。


荒れた竹林


しかし、もしかしたら崩れやすい事もあるかも知れない。自分も豪雨で崩れている竹林を見た事もある、その竹林は手入れされる事がなくなり荒れてしまった、放置竹林と呼ばれる竹藪だった。


立枯れ竹林


多くの方に知ってもらいたいけれど、「竹藪」と「竹林」は似ているが異なる。人の手が入らなくなり密集して生えて景観が保たれなくなり、枯れ竹もそのままなのが竹藪、そして、適度に管理され見た目にも美しいのが竹林だ。


テング巣病


全国の真竹に見られるテング巣病も、昔なら直ぐに伐採されて焼却され広がる事はなかったらしい。抵抗力が弱くなり、密に生えすぎて根がより浅くなった竹藪は、やはり防災機能も低い。だから地震の時に逃げるのは竹藪ではなく竹林。「地震の時には竹林に逃げろ」が正解なのである。





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