大阪万博、日本の竹文化を次世代に

虎竹の竹林


EXPO 2025 大阪・関西万博が始まりましたが、竹虎も7月にほんの少しだけ参加させていただくことになりました 。短い期間ではありますものの、この機会にボクたちが守り続けてきた日本の竹、土佐特産の虎斑竹(とらふだけ)の魅力をお伝えできればと考えています。


竹虎にてEXPO2025大阪・関西万博用の撮影


先日、万博出展に向けたPR動画の撮影のため、東京からクルーの方々が虎竹の里まで来てくださいました。その様子をご覧いただきながら、虎竹と日本の竹の可能性についてお話しできればと思います。


虎竹電気ev


創業明治27年(1894年)、今年で131年目を迎える竹虎は、一貫して日本の竹、特にこの地ならではの虎竹にこだわり、その価値を守り伝えてきました 。今回の万博出展も、未来へ繋ぐための一つの機会ですので、日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」を展示します 。虎竹を使い職人技で装飾した「走る竹工芸」であり、CO2を出さない電気自動車として、竹の持続可能性を体現しています 。この竹トラッカーは、遠くメキシコや台湾の世界竹会議でも走行し、日本の竹文化をアピールしてきました 。


竹虎にてEXPO2025大阪・関西万博用の撮影


動画撮影では、虎竹伐採の様子、竹の艶と強度を高める「油抜き」の工程、職人による虎竹の花かご製作などが撮影されました 。しかし、なぜ、この地の竹だけに虎模様が入るのか?虎竹(虎斑竹)は、高知県須崎市安和の限られた谷間でしか美しい虎模様が現れない、非常に珍しい竹です 。


竹虎にてEXPO2025大阪・関西万博用の撮影


他の土地に移植しても模様は出ず、世界的な植物学者であられた牧野富太郎博士も移植に成功しなかったと記録を残されています。自然の模様を持ち、温暖な気候と美しい自然の中に育つ 、日本唯一の貴重な虎竹の美しさを万博でお伝えできればと思います。


竹虎にてEXPO2025大阪・関西万博用の撮影


ブースでは「竹トラッカー」の展示と同時に、竹職人による竹細工の実演、虎竹製品の展示販売を予定しており、簡単な花籠作りワークショップも検討中です。手仕事の温もりや国産竹細工の価値を肌で感じていただければ嬉しいです。


竹虎にてEXPO2025大阪・関西万博用の撮影、油抜き


竹虎の歴史も、日本の竹と共にあり、竹籠などは日本の伝統文化そのものです。しかし、その文化はずっと岐路に立たされています。安価な輸入品やプラスチック製品の普及により、国内の竹材生産量は大きく減少し、竹林の荒廃は皆様もご存じの通りで日本の貴重な竹文化、伝統技術の継承にも危機感を持っています。


竹虎にてEXPO2025大阪・関西万博用の撮影


それでも、ボクたちが国産にこだわるのは1985年から「21世紀は竹の時代」と言いづけてきた竹の成長の早さ、持続可能な素材そのものの良さと、長い伝統で繋いできた竹職人の技に価値があると信じているからです。


竹虎工場


地域資源とも言える虎竹は、この土地独特の自然が生み出す模様を持ち、職人が手間ひまかけて作る竹籠や竹細工には、工業製品にはない温もりと味わいがあり、自然素材の優しさ、使うほどに増す風合いが暮らしに豊かさをもたらします。


竹虎にてEXPO2025大阪・関西万博用の撮影


この7月に大阪・関西万博の会場で、お会いできる皆様はほんの一握りかも知れません。竹虎のブースで、日本唯一の虎竹の美しさ、職人の技、そして日本の竹が持つ可能性に直接触れていただけない皆様にも、インターネットを通して素晴らしい竹文化を次世代に繋いでいく竹虎の志をお伝えしていきます。



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