2025年9月 9日の投稿

竹と火と

孟宗竹の竹林


先日、竹藪の中で火を燃やしているのを見かけました。「火力は確かに強烈ですよ、山火事になったら大変だと心配する人もいるかも知れないね」と、その方は笑いながら話してくれました。ご存じの方もいるかもしれませんが、竹は油分を多く含んでいるため、非常に燃えやすい素材でもあります。一度火がつくと「パンッ、パンッ」と大きな音を立て、一気に激しく燃え上がります。




こちらのポーラス竹炭を作る工程で、竹材を燃やしている動画をご覧いただくと分かりますが、火に放り込まれた竹材は本当によく燃えます。意外なほど早く、大きな大きな炎となるので初めて見ると少し怖いくらいです。


竹、BAMBOO


竹を燃やしていた場所は、青々とした竹藪の中です。火に入れていたのは、竹林を整理していて運びだしてきた枯れ竹や不要な竹です。大きな炎になった時に、周りに生えている竹は大丈夫だったのでしょうか?答えは「大丈夫」でした。燃やした竹の近くにあった青い竹には、火による変色が見られる事があるものの、生きた竹は水分を多く含んでいて、そう簡単に燃え広がることはないそうです。


竹、BAMBOO


ここでは、竹林整備を度々されているようで、不要な端材を燃やしていた跡が残されていました。黒焦げの竹炭がアチコチにみえる焼け跡を見ていると、もう何年も前にお客様からもお知らせを頂いていた「NHKダーウィンが来た」に登場する野生の猿を思い出します。なんと、畑にまかれた炭を解毒のために食べていたのです!


竹、BAMBOO


まあ、それはさておき、竹は成長する過程で多くの水分を吸い上げてますので、簡単に燃え上がるのを防ぐ役割を果たしてくれています。一般的に防火効果が高いとされる樹木は、葉が厚く水分を多く含む常緑広葉樹だそうですが、密に生えている竹林も、ある程度の熱を遮断するのかも知れません。高い塀の内側に、うっそうと繁る竹に囲まれたお屋敷を見たことがあります。幹線道路の横にあっても、敷地外の喧騒を感じることなく、静かで防災にも心強く、見た目にも心休まる空間ではなかろうかと想像します。



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竹虎四代目

竹虎四代目
YOSHIHIRO YAMAGISHI

創業明治27年の老舗竹虎の四代目。100年守り続けた日本唯一の竹林を次の100年に繋ぐ。日本で二人だけの世界竹大使。

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