
落ち葉堆肥農法
さて、皆さんは「落ち葉堆肥農法」というものをご存じでしょうか?実は、ボク自身も恥ずかしながら全く知らなかったのですが、2023年には国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産に認定されるような、世界的にも重要な伝統的農法なのだそうです。この農法が実践されている場所は、武蔵野台地に位置する川越市、所沢市、ふじみ野市、三芳町で、この辺りは、火山灰土で作物が育ちにくい土壌だったのです。そこで、何と江戸時代から360年もの長きに渡って、コナラ、クヌギなど落葉樹を育て、落ち葉を集めて堆肥を作り、畑の土壌改良を続けて来られています。ふかふかで肥沃な土壌となるので、根の張りがよく野菜の品質が向上する、化学肥料を使わないので環境負荷が低いなど良いことづくめです。まさに理想的な農業のように思えてきますけれど、この農法のために必要となるのが落ち葉かきに適した長爪の熊手なのです。

珍しくなった国産の熊手
「ホームセンターに行けば、熊手なんていくらでもある」 そう思われる方も多いかも知れません。けれど、現在国内に流通している多くは海外からの輸入の品ばかりです。「特別なサイズと形のものが、少しだけ欲しい」、そんな風になった途端、今の日本ではその願いを叶えるのは非常に困難になるのです。

職人の灯を消さないために
現在、こうした地域で使われる実用の熊手を作れる職人も少なくなっているとの事です。竹虎にお問い合わせをいただいた農家にも、ご注文をいただいたのは昨年秋になった頃ではなかったかと思いますが、完成したのは年を越してからでした。

竹を割り、サンプル通りのサイズにして熱を入れ、長い爪の部分を曲げ製作する熊手の大変さをご存じのお客様は、予備も含めて沢山製作させてもらいました。長爪の別注熊手が、360年続く伝統農法の一助になれるのは幸せな事です。

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