2026年4月23日の投稿

「直して、また使う」、という贅沢。竹籠修理に込める竹虎の思い

竹提げ籠、竹虎四代目(山岸義浩)


長く使うほど愛着の深まる竹籠バッグ

最近、プラスチック削減や環境問題への意識が高まり、エコバッグとして天然素材の竹籠が再び注目されています。ボクも、母が買い物に使わなくなって譲ってもらった丸型の竹手提籠と、白竹八ツ目手提かごを、いつも脇に置いています。どちらも経年変色がよい感じになっていて、つくづく竹籠は長く使うほど風合いが増し、愛着も深まるものだと感じているところです。


竹虎四代目、日曜市


久しぶりの土佐の日曜市

さて、そこで先日は季節もよくなり暖かい日差しの中、久しぶりに高知城下の日曜市に出かけていました。全国に街路市は沢山あるかと思いますけれど、これだけ歴史と店舗数のある所は他には知りません。なんと高知の日曜市は江戸時代から300年以上、店舗数は少し減ったもののそれでも400店舗が約1キロに渡って並び、地元の野菜や果物、土佐刃物、海産物などが販売されています。県民というよりも、県外からのお客様が多くて、そんな皆様が非日常的な空間を楽しめるのではないかと思っています。そんな、伝統の市ではありますが、天気の良さも手伝って二往復してみましたけれど、販売されている竹籠も、買い物に来られたお客様が手に持つ竹籠も、ほとんどが輸入の籠でした。もちろん、輸入の竹籠だって悪いわけではありまん。安価で手に取りやすく、気軽に使える利点もあります。けれど、それが竹のすべてだと思って、特に若い女性の方がチープで壊れやすいとかと話されるのを聞くと寂しくはあります。


真竹買い物籠


竹虎の竹籠修理

国産の竹で、日本の職人が丁寧に編む竹籠は、ボクのように親から譲られて、もしかしたら次の世代まできっと使えるくらい丈夫なものなのです。ただ、やはり、いくら竹が強く、堅牢だと言いましても、やはり自然素材です。お使いのうちに、ぶつける事もあれば、ワンちゃんやネコちゃんが悪戯してしまう事もあります。そこで、竹虎では傷んだり、壊れたりした竹籠修理に少し力を入れるようにしているのです。


竹虎四代目(山岸義浩)、竹籠


小さな村の竹職人

その昔、どんな小さな村にも竹職人は一人くらいはいました。そして、使っているうちに修理が必要になってくる竹籠や竹ざるなど竹製品を一手に引き受けていたのです。加工性の高い竹は、少しくらい壊れても必ず元通りにできるところが良い所のひとつでもあります。


茶籠修理


いろいろな種類の竹籠たち

全国から竹虎に修理のために竹籠が届いています。その中には、現在では、技術が失われてしまっていたりする籠もあります。また、三大有用竹と言われる、孟宗竹も真竹、淡竹(はちく)の他にも根曲竹、スズ竹、篠竹といった寒い地方の竹で、西日本ではなかなか手に入らず、竹材としても流通していない竹があったりしますので、そんな時には他の竹材で代用しながら対応しています。大変そうにも聞こえますが、ボクなどはそれぞれ知った籠であってもお客様が十年、二十年とご愛用いただいたものは全てエイジングが違ってきて、それぞれ風合いが異なりますから、いつも本当に楽しみです。京都のお茶農家さんからお送りいただいた、見た事のないような茶籠なども、修理の工程含めて面白かったです。


一閑張り手提籠


海外の籠も、竹作家不詳であっても

更に、土佐の日曜市を歩いても海外製の竹提げ籠バッグばかりだとお話ししましたように、修理に送っていただく籠にも一目で海外製造の竹籠や、山葡萄バッグなどもあります。多くの職人の場合、自分の製作した籠以外は修理しない事が多いし、特に海外の製品を手直しする事はあまり聞きません。ただ、竹虎の場合は、せっかくお客様が大事に十数年お使いになられてご自身の手に馴染んだ籠を修理せずにお戻しするのは心から忍びなく思っています。だから、ボクたちにできる限りのことはさせていただきたいと思って、何処の国の製品であっても、誰が編んだものでも修理できるのであれば、対応してお届けさせてもらいたいと考えているのです。





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竹虎四代目

竹虎四代目
YOSHIHIRO YAMAGISHI

創業明治27年の老舗竹虎の四代目。100年守り続けた日本唯一の竹林を次の100年に繋ぐ。日本で二人だけの世界竹大使。

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