
一枚スケッチから15年
ズラリと並んだ白竹のランドリーバスケットの前で、思わず笑みがこぼれてしまうこの写真。実はこの籠、ボクにとっても思い出深い自慢の逸品の一つなのです。今でこそ竹虎の普通に定番の手付き籠として皆様に親しまれているこの白竹手付ランドリーバスケットですが、その歴史は一枚の簡単なスケッチから始まりました。毎日の洗濯物を持ち運ぶのに、もっと軽やかで丈夫、そして大切な衣類を傷めない極上の竹籠をつくりたい、そんな単純な思いから、ノートにサラリと一枚のスケッチを描いたのです。絵を描くのは簡単(笑)、でも、それから職人さんと何度も相談を重ね、試行錯誤を繰り返しながら完成させたのが2011年の暮れのことだったと思います。なので製作を始めてから、今年でかれこれ15年という歳月が経ちます。
竹籠にあれこれ職人のこだわり
このランドリーバスケットには、見た目の美しさだけでなく、使い勝手を色々と考え抜いた職人の工夫が随所に詰まっています。一番のこだわりは、竹ヒゴの編み込み方です。2枚の竹ヒゴを背中合わせにして、籠の外側だけでなく内側にも竹のツルツルとした表皮が来るように、二枚合わせで編み込んでいるため、衣類を放り込んでも服の繊維が引っかからず、お気に入りの洋服を傷めません。手に優しいように、内側に表皮がくるよう編まれている米研ぎざるがヒントになりました。また、底部分は丸竹の節をそのまま活かした足が付いた上げ底構造になっており、床に直接触れないため風通し通気性が抜群です。さらに、底面にしっかり渡された力竹のおかげで、上から少しくらい強く押してもビクともしない強度を誇ります。

暮らしの変化と竹細工
「竹は世に連れ、人に連れ」と、ボクはよく言っています。時代や人の暮らし方の変化に合わせて、竹細工の形やサイズもまた少しずつ変わってゆくからです。このランドリーバスケットを企画した当時の世帯人数は2.46人、個人的な感覚では、まだまだご家族の人数もおらて、洗濯物をまとめて運ぶライフスタイルがあったように思います。そのため、たっぷり入るこの大きめなサイズ感がベストだったのです。ところが、現在の世帯人数は2.15人まで減っており、現在の暮らしを振り返ってみると、もしかしたらこれからの時代には少し大きすぎる籠になっているかも?と、時代の移ろいを感じています。
竹の明日へ
それでも、少し大きめなサイズだからこそ、脱衣かごとしてだけでなく、リビングでブランケットを入れたり、スリッパ入れやマガジンラックとして活用されるお客様もたくさんいらっしゃいます。白竹は使い込むほどに、時と共に深みのある美しい飴色へと育っていきます。暮らしの形や家族の姿が変わっても、竹の持つ温もりと職人の丁寧な仕事は変わりません。今後の時代の変化に寄り添いながら、皆様の毎日に変わらぬ心地よさを届けられる存在であり続けたいと思っています。

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