京の筍2024

京都の筍


竹の旬と書いて「」、まさに季節ならではの美味が、今年も本場京都から届いた。この丸々とした形は早堀筍と言って、まだ地表に顔を出す前の筍を専用の道具で掘り出して収穫されている。地面から大きく伸びた馴染の筍も食べ応えがあって美味しいが、さすがに京都の雅を感じさせる筍は味も上品だ。できるだけ早くいただかねばならないので早速美味しく頂戴した。


筍、竹虎四代目(山岸義浩)


竹林には地下茎が縦横無尽に伸びていると、いつもお話しさせていただくが、そんな地下茎から毎年こうして筍が生えてくる。あそこにも!ここにも!と思ってみていると、竹林は本当に筍だらけだったりする。


孟宗竹タケノコ


そして、その筍の成長力が凄まじい。十分な水分があれば、1日に1メートル以上も伸びて行くので、少し山に行かないと、竹林の景色が変わって見えるほどだ。


孟宗竹、竹皮


現在、竹の利活用は全く不十分だが、ほんの数十年前までは多くの竹林が人の手によって管理され、筍が大きくなる過程で脱ぎ落としていく竹皮までもが製品として収入の一部になっていた。


孟宗竹


それにしても、さきほど竹ざるにのせていた小さな筍が、わずか3カ月でこのような20数メートルの大きな竹になるなんて信じられるだろうか?神秘的とも言える竹の力、持続可能な社会にむけて竹の果たす役割はもっとあるのではないか?そんな問題提起が、今週はじまる世界竹会議台湾でも交わされる。





蓬莱竹、復活した地域の守り神

蓬莱竹、水防竹林


春雨で水かさも少しましている土手では「あの蓬莱竹」が新しい枝を伸ばしてイキイキと復活しつつあった。「あの蓬莱竹」とは、虎竹の里の隣町にある鰹の一本釣りでも有名な漁師町久礼を流れる川岸にある大きな株の事だ。いつだったか根元から綺麗サッパリ伐採されてしまっており、ビックリして思わず動画を撮った蓬莱竹なのだ。




YouTube動画をご覧いただきますと、今は川の流れに沈んでいる根元部分が、いかに巨大で川岸をしっかりと堅固に守っているかがお分かりいただけると思う。竹は、このように竹細工として生活用品として、仕事道具として人の役に立つだけでなく、防災機能としても大きな役割を果たしてきた。


防災用竹林


川の流れに沿って五三竹の竹林が続いている。大水が出た時には、手前の田畑を守るためにずっと働いてきた竹たちだ。平常時は、もちろん竹細工や箒の柄などとしても適時伐採され使わる事によって、手入れ管理されてきた地域の竹林だ。


護岸竹


普通の方は、あまり意識していないけれど、川岸にポツリとある竹林に見覚えはないだろうか?大きく川が蛇行するポイントや、流れが合流する場所に竹が植えられている事も多い。


水害防備竹林


川下の向こう側にあるのが蓬莱竹。株立で横に根を張らず広がっていくことがないので高知や九州など温かく雨の多い地域では、一番よく見られる竹のひとつだ。この竹は節間が広く、柔軟性に富んだ竹質で古老の職人ほど好んで使う。近年、若い職人が使わないのは、この竹材を知らない事と、竹細工と地域の暮らしの距離が離れてしまったせいである。



竹と共存するサステナブルな孟宗竹の竹林動画

孟宗竹の竹林


次々と大きな孟宗竹が伐り倒されている竹林。木材などだったら、もしかしたら森林破壊なんて言葉が飛び出す事もあるような光景かも知れない。ところが、竹の場合はこうして伐採されても毎年同じように筍が生え、わすが3ヶ月で親竹と同じ20数メートルの高さにまで成長するので、実は見た目はすぐに元の竹林の姿に戻ってしまう。


孟宗竹伐採


まさにサステナブル(Sustainable)、持続可能な唯一の天然素材と言われる由縁だ。ただし、サイズ的には親竹と同じ大きさに育つ孟宗竹でも、伐採に適した竹は3~4年竹なので伐採するには竹の年齢を見極めながらの仕事となる。


美しい孟宗竹の林


放置竹林とは無縁の、このように整備された竹林を持っている事が自分の財産だと職人は話してくれた。これこそが日本では少なくなりつつある
竹財だ。


放置竹林と対照的な竹林


この竹林の竹は牡蠣の養殖筏に使われるが、海洋プラスチックの問題が大きく報道されている昨今、自然に朽ちる竹の利用を更に進めていかねばならないと思う。そこで、山の職人の竹伐採を動画にしてみた、ご関心のある方にはご覧いただきたい。





「竹害」「放置竹林」生命力の強い竹の活かし方

竹1メートル切り


の神秘的とも言える生命力は、古来人を魅了し続けてきたが、「竹害」「放置竹林」と不名誉な扱いをうける事もある現代では、そうとばかりも言っていられない現状があるようだ。そこで、竹を弱らせたい、竹を無くしてしまいたい、適正に管理したいと言う方がおられる。竹は地下茎が発達しており、それが驚異の成長力の秘密でもあるから稈を伐り倒すばかりでは竹林を無くす事はできない。


孟宗竹林


竹根にダメージを与えて竹を駆除する方法として、稈に穴を開けて除草剤を流し込むという恐ろしい方法があると聞く。伐採した竹の葉を、少しでも長くイキイキとさせるために水を流し込むというのは知っていたが、薬剤を投入するとは余程竹を無くしてしまいたいと思われているようだ。竹の素晴らしい生命力は、人によっては「しつこい竹」と映る、だからそれを駆除するためとだと言うが、自分とは全く相容れない考え方だ。


竹1メートル切り


実はある時、中途半端な長さに切り株を長く残してある竹林を見つけた事がある。何かと思って辺りを見回すと、向こうの竹林まで全て同じような長さに稈を残して伐採されている。竹はできるだけ根元から伐るものだが、こんなに長く残しているのは日本では見た事がなかった。


竹の伐り口には、竹が吸い上げる液体がたまり溢れていた。後で知ったが、これは1メートル伐りと呼ばれるそうで、このように長く残して竹を伐ると、竹は伐られた事が分からず養分を送り続けて竹林全体を弱らせる事ができるそうだ。なるほど、ひとつの管理の仕方には違いないが、まるで竹が泡をふいて苦しんでいるようで酷く悲しくなった。


竹の花は孟宗竹で60年、真竹や淡竹で120年に一度しか花を咲かせない。日本にある竹の多くは、人の手によって植えられ育てられてきたものだ。ほんの40年前までは国内の9割の竹林は人の手によって整備されていた。その後、活用されなくなった竹が増え過ぎて手入れされず困っている事は知っているつもりだ。けれど、自分達の都合で植えた竹の管理ができなくなったからと言って邪魔者扱いだけは改めて頂けないものか。竹を駆除する方法より、愛する方法を考えたい。



放置竹林で困っています、竹が生えないようにどうすれば良いでしょうか?

孟宗竹


竹が増えて過ぎて困っています、生えないようにするにはどうすれば良いでしょうか?」このような事を聞かれる事がある。竹を育てる事に注力する自分に聞くとは、放置竹林の問題は意外とあちらこちらにあるのかも知れない。しかし、その竹は何処に生えているだろうか?日本には600種とも言われる竹の種類があるけれど、どんな竹だろうか?生えなくするという事は竹林全てを無くすのか、邪魔になっている所だけを何とかしたいのか?それぞれによって方法がある。


孟宗竹


恐らく、増え過ぎで困っているのなら小型の笹類ではないと思う。多くは筍を採らなくなり管理されなくなった日本最大級の孟宗竹ではないだろうか。


真竹


あるいは竹細工に使われる事の多い真竹かも知れないが、いずれの竹にしても成長が早い竹を生えなくするには皆伐するのが一番だ。ただし、全て伐採したから終わりではなく、竹の地下茎は生きているので次の年も筍は伸びてくる。竹になってからでは伐採が大変なので、筍が伸びてくるタイミングで何度か竹林に行って筍を倒すという方もいた。


蓬莱竹


南方系の蓬莱竹は、株立ちでいくら年数を重ね大きくなっても他の所に地下茎が伸びていく事がないから、あまり目くじらを立てられる事はない。しかし、仮に蓬莱竹を取り除きたい場合だとしても、一回や二回全ての稈を伐り倒したくらいでは、逞しい地下茎はビクともしない。季節になれば伐り株から新しい竹が伸びてくるから重機に頼るしかないと思う。



持続可能な牡蠣筏用孟宗竹の竹林

孟宗竹


綺麗に舗装された二車線の道路から少し脇道に入った所にその竹林はあった。高知の場合には急斜面が多いが、この中国山地の山深い所にある竹林には大きなトラックを乗り入れられる車道もあり、平らで綺麗な孟宗竹の林が続いており仕事もしやすそうだ。この道40年のベテラン職人さんに案内されてやって来た、以前は3人で毎日4トン車一台を山出ししていたが、現在では1週間に一台だと笑う。


孟宗竹の竹林


竹伐りは、若い頃には好きではなかったが今ではこんな良い仕事はないと言う。自分も同感なのだが、竹伐りの仕事をしている人には健康で長生きの方が多い、変化に富んだ山の中を動き回るので、全身運動になっているのかも知れない。あるいは、この竹達の気持ちのよいパワーを受けているからか(笑)?


孟宗竹と山の職人


それにしても、このような大きな竹材を毎週一台も伐り出して一体何に使われているのだろうか?孟宗竹は手入れされなくなり、全国で増え過ぎて「竹害」と言われ、困っているのをご存知の方もいるかと思う、だから不思議に感じるかもだが、実は牡蠣筏用に孟宗竹が必要なのだ。


孟宗竹


牡蠣は美味しいから好きな方は多いと思う、産地は広島が有名だけれど何と養殖に使う牡蠣筏は、広島湾だけで1万台以上もあるそうだ。そうすると、その筏が古くなって作り替えるだけでも毎年どれくらいの竹が必要だろうか?何万本?何十万本?とにかく、日本の竹の実情から考えれば凄い量だ。なるほど、自分達の虎竹のように1月末までしか伐らないなんて事を言ってられないのが良く理解できる。


孟宗竹伐採


何かの資料で読んだ事があるのだが、1980年以前は日本国内の竹林の90%は人の手によって管理された経営竹林だったそうだ。孟宗竹が伐られなくなり、放置竹林などと不名誉な呼び名をされるようになったのは筍の輸入増加が顕著となってきた1990年代以降の事だ。


孟宗竹切り株


伐り株を見ると大きいと思うが、やはり九州の孟宗竹はまだまだ立派で大きい。この辺りの孟宗とは同じ種類と思えないような竹があると職人は話す。もちろん、南方系の竹は暖かい地域ほど成長するが、虎竹もそうだし孟宗竹なども、その竹林により太さや性質はそれぞれ異なっているように思う。


竹職人


竹が一本、又一本と伐り倒されいく。10数メートルの長さで運ばれていく牡蠣養殖筏の竹には、代用となる新素材のパイプもあるそうだ。


孟宗竹伐採


海で使用する場合、孟宗竹の耐久年数が5~10年なのに対して、それらの新素材は30年以上と聞くので牡蠣業者の方からするとコスト的に魅力があるかも知れない。


孟宗竹林


ところが、筏は壊れて海に流されてしまう事があるようで、その場合は、腐って自然に戻る天然の竹が圧倒的に有利だ。海洋プラスチックの問題が近年クローズアップされる中、国内に潤沢にある孟宗竹を使わない手はない。美しい竹林に、丁寧に積み上げられた竹穂を見ながら思った。





地震の時は「竹藪」に逃げろは間違い?

竹根、竹虎四代目(山岸義浩)


「地震の時には竹藪に逃げろ!」そう教わった事のある方はおられるだろうか?自分は小さい頃より、祖母や母、周りの大人から繰り返し聞かされてきた言葉で耳に焼き付いているから、大きくなって人と話したり、竹虎に見学に来られる方に質問したりして多くの方がご存知ない事に驚いた。そもそも、昔なら身近に竹があって(実は今でもあると思うのだが)竹根の堅牢さや、その根が縦横無尽に伸びていて竹同士が繋がり、まるで網を張っているかのような地下茎の事は経験的に知っていたと思う。


虎竹林


いつの頃からか?人と竹の距離は広がっていき、人は竹を忘れ、竹は竹林でとても寂しい思いをしているのだ。ところが、そんな事を言うと、いやいや最近の豪雨による土石流で竹林はとても崩れやすい、かえって危険だと話す人がいる。


竹根


確かに竹の地下茎は土中の深い部分にまで伸びている事はない。虎竹の里の山々でも、岩場が多く痩せた土地が多いけれど、地表のそれほど厚みのない土壌に竹根が走っている。普通の竹林でも、30~50センチ程度の浅さで、深くとも1メートルまでの所にしか地下茎は伸びていない。しかし、竹と竹がガッチリと手を握り合うかのように、あの強靭な竹根で繋がっているのは掘り返した事もあるから間違いない。強くて絶対に折れる事のない、しなやかな根が四方八方に広がっているのだから、竹林はまさに天然の鉄筋コンクリートだ。


荒れた竹林


しかし、もしかしたら崩れやすい事もあるかも知れない。自分も豪雨で崩れている竹林を見た事もある、その竹林は手入れされる事がなくなり荒れてしまった、放置竹林と呼ばれる竹藪だった。


立枯れ竹林


多くの方に知ってもらいたいけれど、「竹藪」と「竹林」は似ているが異なる。人の手が入らなくなり密集して生えて景観が保たれなくなり、枯れ竹もそのままなのが竹藪、そして、適度に管理され見た目にも美しいのが竹林だ。


テング巣病


全国の真竹に見られるテング巣病も、昔なら直ぐに伐採されて焼却され広がる事はなかったらしい。抵抗力が弱くなり、密に生えすぎて根がより浅くなった竹藪は、やはり防災機能も低い。だから地震の時に逃げるのは竹藪ではなく竹林。「地震の時には竹林に逃げろ」が正解なのである。





防災に役立ってきた蓬莱竹の土手

蓬莱竹


何とも心地の良い天気に竹の葉が揺らいでいる、知らずにいると何気に見逃してしまいそうだが、竹がここに生えているのは偶然ではない。この竹はバンブー系の株立ちになっている蓬莱竹という西日本では良く見られる竹だ。遠く向こうまで続く蓬莱竹は、この土手を護るために、わざわざ先人が植えたものなのだ。


密集して生える蓬莱竹


普段は静かで穏やかな流れの河川は、水田や畑の農業用水として欠かせない。ところが、これが台風シーズンなどの大雨ともなると一変して恐ろしい真っ黒な激流となって、人家や田畑に災いをもたらしかねない。そこで、細い稈が密集して生えて太い株となり地面にしっかりと根を張る力強い竹の出番となる。


蓬莱竹


この別の川岸にも並んで生えている蓬莱竹、大雨による土砂が田に流れ込むのは仕方ないけれど、大きな石や流木など余計なものは、これらの竹が櫛の目のようになって、しっかり受けて止め通さない。


蓬莱竹


節からは、まるで筍のようにも見える枝が競い合うかのように何本も生えている。さすが南方系の竹と思える生命力を感じる。


シンニョウタケ


このような蓬莱竹の姿を見れば、虎竹の里の近くで伐採されてしまって丸裸になってしまった、あの竹株を思い出さずにいられない。あれからどうなったろうか?もしかしたら気にかかっておられた方もいるのかも知れない。そんな皆様どうかご安心ください、あの竹は逞しくも既に復活してこれだけの大きさにまでなっている。まさに土地の守り神である。





岬の竹林

フェリー


近頃、立て続けにフェリーに3往復も乗船する機会があった。車で四国から外に行こうとすれば、必ず海があるから瀬戸大橋や明石海峡大橋を使わない場合はフェリーなのだ。今回は久しぶりに竹材を積み込んだトラックでも行ったので、時間に余裕をもって出たせいか綺麗な海を見る事ができた。


海


フェリーにもよると思うけれど、トラックで乗船するとドライバー室を使う事ができる。どうやら、リニューアルしている船も多くて昔と随分と違っている、二段式になった半個室ベットやシャワー室など綺麗で素晴らしく快適で驚いた。二等船室のゴロ寝でも、一瞬で寝られる特技のある自分は大丈夫だが、休日だったりすると元気のあり余った若い人のグループがいて起きてしまう事もある。


岬


その点、ドライバー室では出航前から完全熟睡(笑)、ゆっくり休む事ができるので下船でデッキにでる頃にはスッキリパッチリだ。


岬の竹林


トラックに向かい歩く途中で、ふと港近くの岬を見ると少し奥まった所に生茂った竹林がある。今は筏が浮かんでいる静かな入り江のような場所だけれど、昔はきっと人家があって人の暮らしがあったのではないだろうか。斜面に、生活や仕事に使うためのを植えたのだとすると暴風や、地滑りなど防災面でも役立ったに事だと思う。


須崎湾


そう言えば別の日に、何十年ぶりかに須崎港から虎竹の里の方角を眺めた事がある。波は穏やかで天気もよく、横に見える富士ケ浜も少しも変わらない。


須崎湾


須崎漁港の正面を見ると、そこの半島にも険しそうな山肌に竹がある。竹を見る度、人の暮らしと結びつけて考えるのは習慣になっているが、自然に生えているのか?人が植えたのか?人の居住地域は、どんどん便利な街中に集中してきたから、竹だけが人の生活の面影を現在に残している場所が少なくない事だけは間違いない。



籠に編まれる竹林

孟宗竹


曲がりくねった山道は雨のせいでぬかるんでいる、泥をはね上げながら到着したのは材木の集積所がある広場だった。車を停めた向こうに孟宗竹の竹林が見える、高知など一部を除いては竹編みにはあまり使用される竹ではない。目的の真竹の竹林は、ここからは見えない少し奥ばった所にあるのだ。


竹林への林道


山深いと言っても、このように木材を運び出すためのトラックが入る大きな道があるから、竹を伐り出すにも条件の良い場所だ。


竹林への小川


脇の獣道のような小道に入って歩いていくと、小川が音をたてて流れている。この川を渡り進んだ先に、今日伐り出す真竹の竹林がある。


真竹の竹林


多くの方が目にする竹林は、綺麗に手入れされている所ばかりなので、皆様が想像する竹林とは少し違っているのかも知れない。めったに人が入らない鬱蒼とした竹林は、立ち枯れや風に倒された竹がそのままである。しかし、日本列島の北から南まで竹職人が分け入る竹林は、程度の違いこそあれ、このように自然そのままに生茂る竹を伐採する場合も多い。


竹職人


山の職人の顔になった古老が鉈を取り出した。選んだ竹を次々に伐り倒していく。


真竹手付き籠


枝打ちされて土場に並んだ竹や、編み上がった竹籠ばかり見ていると竹林の竹が見えなくなりそうだ。日本には三大有用竹と呼ばれる、孟宗竹、真竹、淡竹があるけれど、それが全てではない。虎竹の里だけに成育する虎竹、そして黒竹や根曲竹、スズ竹、篠竹、五三竹、メゴ笹、蓬莱竹と、それぞれの地域に根差した竹があり、暮らしがあって面白い。