数年前にベルギーのオプリンズ社(Oprins Plant)を訪れた際、ヨーロッパで鉢植え用として流通する竹の種苗生産をされている事に驚きました。一年通して青々とした葉を茂らせる竹の生命力は、石づくりの街中では重宝されていたのです。それにしても、自転車を借りて見学しなければならないような広大な農園で、日本では時に厄介者扱いされる竹が、大切に育てられている光景は非常に印象的でした。
今回、オプリンズ社には規模は及ばないものの、世界中からの竹を集め、愛情深く育てる吉永竹農園、世界竹研究所さんにお伺いさせて頂きました。ご自宅の周りの敷地をまるごと竹の楽園にされている「竹仙人」のような園主の方にお会いし、その情熱と竹への深い愛情に感動しました。
園内には、見たこともないような珍しい竹も多く、それぞれが生き生きと伸びやかに育っていました。一本一本異なる表情を見せる竹たちを眺めていると、まるで竹たちが語りかけてくるような、不思議な感覚に包まれます。風にそよぐ葉の音、幹の力強さ、そしてその合間から差し込む日の光。竹に囲まれた空間は、まさに至福のひとときでした。
高知県でも、地域によっては栽培され美味しい筍を生産している四方竹。このトゲがあることから、寺院の周りに泥棒除けに植えられた歴史もあったようです。
色鮮やかな金明竹やスズ竹もありました。やはり暖かいからでしょうか?東北のスズ竹の数段多く成長しています。
竹は、衣食住すべてに関わり多くの恵みを与えてくれ続けてきた植物です。日本人の文化や思想にまで大きな影響をもたらしてきた竹の種類は国内に600もあり、その美しさ、しなやかさ、そして力強さは、ボクたちに安らぎと活力を与えてくれます。
そして、このような竹に囲まれて暮らすと人はどうなるのか?園主の吉永勝彦さんが見せてくださった最高の笑顔。ボクが何度も言っている、「笑」=「竹」+「二人」を思い浮かべます。改めて、竹は人の笑顔を作るのだと強く感じました。
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